有期雇用契約の雇用期間は何年?上限期間や契約時・変更の注意点を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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有期雇用契約の雇用期間は何年?上限期間や契約時・変更の注意点を解説

スケジュール

雇用契約は、正社員やパートタイム労働者、アルバイトなどの雇用形態にかかわらず、労働者が雇用主に使用されて労働をし、雇用主がそれに対する対価を支払うことに合意することにより成立します。

雇用契約には、雇用期間に定めのある有期雇用契約と、雇用期間の定めがない無期雇用契約があります。
有期雇用契約はあらかじめ契約期間が定められており、契約更新をおこなわなければ、期間満了とともに雇用契約も解消します。

一方、正社員にあたる無期雇用契約には契約期間に定めがなく、日系企業においては、特別な問題がない限り、定年まで雇用されることが多くなっています。

このような雇用期間の違いは、契約内容や法的なルールの違いにもつながるため、正しく理解しなければなりません。本記事では雇用期間による違いや注意点、新しいルールなどについて解説していきます。

関連記事:雇用契約の定義や労働契約との違いなど基礎知識を解説

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有期雇用契約は法律上さまざまなルールが設けられているため、法律に則って雇用契約を結ぶ必要がありますが、従業員とのトラブルになりやすい部分でもあります。

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1. そもそも雇用期間とは?

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雇用期間とは、労働者と雇用主との間で契約される労働関係の期間を指します。労働契約書や雇用契約書によって定められ、一般的には特定の期間が明確に記載されています。
雇用期間は大きく3つのタイプに分けることができます。

  • 有期雇用(定期雇用)
    特定の期間を定めて雇用される形態で、契約期間が終了すると雇用関係が自動的に終わるものです。労働契約書や雇用契約書に「期間の定めあり」などと記載することが多く、契約更新の可否や条件は企業によって異なります。
    契約更新がある場合は「期間の定めあり(原則更新)」などと記載します。
  • 無期雇用
    期間の定めがなく、労働契約が当面の間継続される形態です。労働者が自己都合で退職するか、雇用主が解雇するまで続きます。
  • 契約期間付き雇用
    プロジェクトや季節的な需要に合わせて特定の期間だけ雇用される形態です。期間が明確に定められており、プロジェクト終了後に契約が終了します。有期雇用(定期雇用)とは異なり、期間(プロジェクト)が終了すると契約が更新されることはありません。

2. 期間の定めがある雇用契約「有期雇用契約」

紙飛行機

雇用契約には、期間の定めのある雇用契約と期間に定めのない雇用契約があることを解説しました。ここでは有期雇用契約の種類や雇用期間の上限と下限などについて解説していきます。

参考: 労働基準法|e-Gov法令検索

2-1. 有期雇用契約の種類

有期雇用契約には、下記のような種類があります。

  • 準社員型契約社員
  • パートタイム・アルバイト型契約社員
  • 定年後の再雇用の場合の嘱託型契約社員
  • 高度専門職型契約社員

企業によって、パート・アルバイト、臨時、非常勤、嘱託などの表現をしている場合があり、呼び方はさまざまです。しかし、いずれの場合も雇用期間に定めがある場合は有期雇用契約とされます。

また、アルバイトやパートなどの雇用形態で有期雇用契約を締結する場合は、雇用契約書を作成するなど、雇用形態に応じた対応方法が求められます。

関連記事:アルバイト採用でも雇用契約書は必要?書き方の基本や注意点

2-2. 試用期間と有期雇用契約の違い

有期雇用契約は、契約期間が満了したときに雇用契約も終了します。
そのため有期雇用契約期間中に、社員の能力を見極め、評価に応じて有期雇用契約の継続や無期雇用契約を結び直すことが可能です。

一方で、試用期間とは、正社員として採用された社員の能力や適応を図るために設けられる一定の期間を指します。
無期雇用を前提とした雇用契約のため、試用期間中も通常の正社員と同じ待遇です。したがって、試用期間後の本採用拒否は、会社都合による「解雇」扱いに該当します。
解雇するには正社員同様、「客観的・合理的な理由」「社会通年上の相当性」が要求されます。
例えば、「試用期間の勤務態度に明らかな問題があたっときの本採用拒否」「社員としての適正があるかどうかの判断が難しい場合の試用期間延長」といった運用をするのであれば、就業規則として事前にルールを定めておく必要があります。
また、有期雇用契約が試用期間に相当する契約と判断されたされた場合、契約期間満了という理由では雇止めすることができなくなるため、契約する際には注意が必要です。

このように、有期雇用契約と試用期間では、前提となる雇用条件に大きな違いがあります。

2-3. 有期雇用期間の上限と下限

労働基準法第14条では1回の契約期間について、「雇用契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年を超える期間の契約をすることはできない」と定めています。

しかし例外として、「高度の専門的知識を有する労働者」「満60歳以上の労働者」との間に締結される雇用契約に関しては、1回の契約期間を最長5年に設定することが可能です。特定技能の雇用契約も最長5年です。

なお、有期雇用契約の最短期間については、法律による厳密な規定がありません。しかし、一般的には次のような目安の期間があります。

  • 短期の場合
    有期雇用契約の最短期間は1日から数日程度とされることがあります。特定の短期プロジェクトやイベントのスタッフ、季節的な需要の対応など、一時的な雇用のために利用されることが一般的です。
  • 長期の場合
    一般的な定期雇用契約の場合、6ヵ月、1年程度の期間を定めることが多いようです。ただし、企業の雇用主の方針によってはさらに長い期間を設定することもあります。

短期の場合は労働者側の不利益が発生しないように注意しましょう。

3. 有期雇用契約と無期雇用契約の違い

階段

有期雇用契約と無期雇用契約の大きな違いは、契約期間です。有期雇用契約はあらかじめ契約期間が定められており、無期雇用契約は契約期間の定めなしのため、特別な問題がない限り定年まで雇用されることも多いです。

加えて、雇用期間に定めのある有期雇用契約と、定年以外に雇用期間に定めのない無期雇用契約では、契約終了時に以下のような違いが挙げられます。

3-1. 退職の自由

有期雇用契約の場合、就業規則等で労働者の退職の自由を定めていないと、期間中に「やむを得ない事由」がない限り、労働者が契約を一方的に終了させることはできません。
「やむを得ない事由」に該当するかどうかは、それぞれの事情によるため判断が難しいですが、労働者の身体に危険を及ぼすような業務の強制があったり、賃金の未払いがあったりした場合などが挙げられます。

なお、以下の条件を満たした場合には、上述したような事由がなくても、法律で退職の自由が認められています。

  • 一年を超える雇用契約を結んでいて、契約開始日から一年が経過した場合
  • 明示された労働条件と明らかに異なる場合(※即時解除が可能)

一方、無期雇用契約の場合は労働者は自由に退職することができ、退職の意思表示をしてから2週間後に雇用関係が終了することになります。しかし法律上での話であり、実際の業務内容や引継ぎを考慮して1ヵ月前に申し出る等のルールを就業規則などに追加している企業がほとんどです。

3-2. 解雇の基準

労働契約法17条において、有期雇用契約では「やむを得ない事由」がない限り、期間途中で雇用側が一方的に契約を終了させることはできないと定められています。具体的には解雇の4要件があり、このポイントの有効性がない限り適切な解雇とは認められないため注意が必要です。この解雇の4要件や解雇予告のルールについてわかりやすく解説した資料を当サイトでは無料配布しています。

雇入れから雇止め・解雇までの法律に関連する内容を解説したルールブックになっているため、法律に違反しないように雇用契約を締結したい方は、こちらからダウンロードの上参考にしてください。

4. 有期雇用をするメリットとデメリット

AとBを比べる女性

有期雇用は、必要な時期に必要な人材を補充できるという大きなメリットがあります。しかし、一方で人の出入りが多くなることや、定着人数が減ることなどのデメリットも挙げられます。有期雇用を採用する場合は、こうしたメリットとデメリットを知っておく必要があります。

4-1. 有期雇用によるメリット

有期雇用によるメリットは、無駄のない人員配置がしやすい点です。

人件費を抑えられる

有期雇用は、期間を決めて雇用契約を結ぶことができます。そのため、繁忙期にのみ有期雇用の従業員を増やし、閑散期は無期雇用の従業員だけで業務をおこなうことができます。

必要最低限の人件費で業務を維持できるため、人件費を抑えやすいです。

人員の調整がしやすい

有期雇用派遣を利用する場合は、人手が足りなくなったときに派遣会社に連絡をすれば、すぐに人員を補充することが可能です。

派遣会社が条件に合った人材を見つけ、手続きもオンラインで完了するため、早ければ即日勤務という対応もできるでしょう。

必要なスキルを持った人材を確保できる

特定のプロジェクトや一時的な需要などに対応するために、専門性の高いスキルを持った人材が必要になることがあります。

そのような場合、必要な期間に合わせて有期雇用契約を結べば、無駄なく必要なスキルを持った人材を確保できます。

4-2. 有期雇用によるデメリット

有期雇用によるデメリットは、定着している従業員が増えず、企業としての成長が鈍化する可能性がある点です。

人の入れ替わりが多くなる

有期雇用契約の従業員が多いと、自然と従業員の入れ替わりが増えます。

新しい人が入ってくるたびに教育や研修が必要になり、長期間勤務することで得られるノウハウやナレッジが蓄積せず、組織力が上がらなくなる可能性があります。

エンゲージメントが上がりにくい

企業へのエンゲージメントや、労使間の信頼は「企業に所属しているという意識」を元に強くなります。有期雇用契約の従業員は、いつまで雇用されるかわからないという不安を持ちやすいため、こうした帰属意識が高まりにくく、仕事に対するモチベーションが下がりやすいです。

複雑な法律を守る必要がある

有期雇用契約には、無期雇用契約よりも複雑な法律が定められています。雇用契約締結時の明示事項や、雇止めをする場合の予告、雇止め理由の明示など、有期雇用契約特有の法律をしっかりと理解し、守らなくてはなりません。

違反した場合は、労働基準監督署からの是正勧告を受けることや、従業員から損害賠償などを請求される可能性があります。

【関連記事】有期雇用契約の雇用期間は何年?上限期間や契約時・変更の注意点を解説

参考:パートタイム・有期雇用労働法の概要|厚生労働省

5. 有期雇用の活用方法

はてなマーク

有期雇用契約には気をつけなければならない点もありますが、上手く活用することでメリットを引き出せます。以下のような場面では、有期雇用が特に役立ちます。

5-1. 臨時的な業務への人員補充

特定の時期にのみ人員が追加で欲しいときは、有期雇用契約による人員の補充が非常に効果的です。

年末年始の業務が増えるタイミングや繁忙期はもちろんですが、イベントの対応や急な従業員の離職など、さまざまな人員補充に適しています。

有期雇用派遣を利用すれば、採用や面接の手間を省けるため、急な人員補充にも対応できるでしょう。

5-2. 専門性の高い一時的な業務への対応

新規プロジェクトや新たな事業の立ち上げなどにより、専門性の高い業務が発生することがあります。その業務が一時的なものである場合は、専門性の高い人材を無期雇用契約で雇ってしまうと、せっかくのスキルを活かしてもらえなくなります。

有期雇用で専門的な業務が発生する時期に限定して雇用契約を結べば、人件費の削減ができ、雇用される側もスキルを活かした仕事に就きやすくなります。

5-3. 試用期間として活用

企業が雇用契約を締結した場合、能力不足を理由とする解雇でも、「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が認められない場合は、違法になります。これは試用期間中の従業員に対しても当てはまります。面接の時点では能力を測りきれず、不適格であった場合でも、簡単には解雇ができないのです。

こうした状況を回避するために、試用期間の代わりに有期雇用契約を使うことができます。自社に適していないと判断した場合は、雇用契約期間の満了で契約を解除できるため、しっかりとスキルや人間性を見極めて無期雇用する人材を選べます。

6. 有期雇用契約を結ぶ際の4つの注意点

会議の様子

企業は有期雇用契約で社員を雇う際には、下記の4点に注意する必要があります。

  • 雇用契約締結における明示事項を必ず記載する
  • 雇止めをする場合、雇止め予告が必要
  • 求められたら雇止めの理由を明示しなければならない
  • 契約期間についての配慮

それぞれ詳細について解説していきます。

6-1. 雇用契約締結における明示事項を必ず記載する

雇用契約を締結する際、必ず記載しなければならないのが契約期間と契約更新の有無です。また、契約更新有りとした場合、判断基準が曖昧なままだと更新時にトラブルになりかねないため、どのような条件の場合に契約更新が可能なのか明示しなければなりません。
それぞれ具体的にどのような内容を記載すべきか解説します。なお、有期契約労働者に対する明示事項は、令和6年4月に改正されており、明示事項が追加されています。

①更新上限の有無と内容の明示

有期雇用契約をおこなう際には、「契約期間」と「契約更新の有無」について明示する必要があります。
明示すべき「更新の有無」の具体的な内容には、下記のような例が挙げられます。

  • 自動的に更新する
  • 更新する場合があり得る
  • 契約の更新はしない

平成24年に成立した改正労働契約法では、有期雇用契約の更新がおこない、契約期間が通算5年を超えた場合、労働者が申し出ることによって、無期雇用契約への転換が可能になりました。
そのため、企業は有期契約労働者と合計で何年契約しているのか、今後も更新すべきかを把握しておくべきです。

関連記事:雇用契約を更新しない場合の正当な理由と社員への伝え方

②判断の基準の明示

上記のように、雇用主が有期雇用契約を更新する場合があることを明示したとき、労働者に対して更新する場合と更新しない場合の判断基準を明示しなければなりません。

明示すべき「判断の基準」の具体的な内容には、下記のような例が挙げられます。

  • 契約期間満了時の業務量により判断する
  • 労働者の勤怠状況によって判断する
  • 労働者の能力によって判断する
  • 労働者が従事している業務の進捗状況により判断する
  • 会社の経営状況により判断する

労使間のトラブル防止のためにも、「契約期間」「契約更新の有無」「判断の基準」について、書面やメール、システム上で明示しておいた方がよいでしょう。

③無期転換ルールの明示

無期転換ルールに基づいて無期転換申込権が発生する契約の更新時には、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件の明示が必要になりました。

無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに、無期転換が申込できることを伝えて、無期転換後の労働条件を明示する必要があります。

この無期転換ルールの明示については企業側が悩むポイントも多く、従業員への説明が難しいケースも多いです。そのような問題に対し、厚生労働省では専用の相談窓口を設置しています。有期雇用者との雇用契約を適正に結ぶために、ぜひ活用しましょう。

参考:2024年4月から労働条件明示のルールが変わります|厚生労働省

参考:無期転換ルール特別相談窓口|厚生労働省

6-2. 雇止めをする場合、雇止め予告が必要

雇用主は、一定条件を満たした有期雇用契約を更新しない場合は、少なくとも契約の期間が終了する日の30日前までに、更新しない旨を伝える予告をしなければなりません。

ここで対象となる有期雇用契約は、次の3つになります。

  1. 有期雇用契約を3回以上更新している場合
  2. 1年以下の契約期間の労働契約が更新または反復更新され、最初に労働契約を締結してから継続して継続して通算1年を超える場合
  3. 1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合

6-3. 求められたら雇止めの理由を明示しなければならない

雇用主は、雇止めの予告後や雇止め後、労働者によって雇止めの理由について証明書を請求された場合は、遅滞なく交付しなければなりません。

明示すべき「雇止め理由」には、下記のような例が挙げられます。

  • 前回の契約更新時に、本契約を更新しないことに合意したため
  • 契約締結時に更新回数の上限を設けており、更新回数が上限に達したため
  • 従事していた業務が終了・中止したため
  • 事業縮小のため
  • 業務を遂行する能力が十分でないと認められるため
  • 違反行為や無断欠勤など勤務不良のため

6-4. 契約期間についての配慮

雇用主は、一定条件を満たした有期雇用契約を更新しようとする場合には、契約の実態と労働者の希望に応じて、契約期間をできるだけ長くするように努める義務があります。

ここで対象となる有期雇用契約は、次の2点を満たしている場合です。

  1. 契約を1回以上更新していること
  2. 1年を超えて継続して雇用している

なお、契約期間には原則3年、「高度の専門的知識等を有する労働者」や「満60歳以上の労働者」など特例に限り5年という上限が設けられていることも認識しておきましょう。

7. 有期雇用では雇用契約書の必須記載事項が追加される

面談評価する男性

雇用契約書への必須記載事項は、以下の通りです。

  • 労働契約の期間
  • 就業場所
  • 従事する業務の内容
  • 始業、終業時刻
  • 所定時間を超える労働の有無
  • 休憩時間、休日、休暇
  • 交代制勤務がある場合のルール
  • 賃金の決定、計算、支払方法、締切日、支払日
  • 退職に関する事項

有期雇用契約をおこなう場合、上記に加えて以下の内容が必須記載事項とされています。前項でも少し触れましたが、改めて整理しておきましょう。

  • 更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容
  • 無期転換申込機会の明示
  • 無期転換後の労働条件の明示

を明示する必要があります。正社員と異なり更新や無期転換が発生する有期雇用従業員に対しては、それらに関連する条件の明示が必要になるというわけです。

このように、雇用契約には注意しなければならない点が数多く存在します。万が一、必要な項目が抜けた状態で締結してしまうと、従業員とのトラブルに発展してしまうかもしれません。今一度、雇用契約の基本や遵守すべき5原則について確認したい方は、こちらから当サイトで無料配布している「雇用契約手続きマニュアル」をご確認ください。締結だけでなく、雇止めや解雇についてもまとめているため、人員を見直したい方にもおすすめです。

参考:パートタイム・有期雇用労働法の概要|厚生労働省

関連記事:雇用契約書に記載すべき内容は?労働条件通知書との違いをわかりやすく解説

8. 労働契約法における有期雇用契約の新ルールと注意点

ノート

2012年8月に成立した改正労働契約法により、有期雇用契約を利用する際の新たなルールが設けられました。また、2024年には労働条件の明示ルールが改正されているため、変更点を確認しておきましょう。

8-1. 有期雇用契約から無期雇用契約への転換

有期雇用契約が何度も更新され契約期間が通算5年を超えた場合、労働者が申し出ることで、無期雇用契約への転換が可能です。これを無期転換申込権と呼びます。申し出をするかどうかは労働者の自由です。
申し込みは口頭でも法律上有効となりますが、トラブル防止のためにも可能な限り書面で申し込みを実施することを推奨します。

申込みがおこなわれると、自動的に使用者が承諾をしたものとみなされ有期雇用期間終了日の翌日から無期雇用契約に転換します。ここで注意したいのは、雇用期間が有期から無期に変更になるのであり、直ちに正社員と同一の労働条件(給与や賞与など)になるわけではないという点です。無期転換後の労働条件については、就業規則等で別段の定めがない限り、原則として変更されません。雇用区分の変更については企業ごとに異なるため、どのような場合に正社員転換となるのか就業規則を確認しましょう。

なお、契約更新の条件として、無期転換の申込みを放棄させるのは違反行為です。
また、無期転換申込権が発生する前に雇止めをおこなうことも違反行為と見なされる場合があるため、推奨しません。

8-2. 「雇止め法理」の法定化

「雇止め法理」の法定化により、以下のような待遇を受けている有期雇用労働者の雇止めが、法律的に無効と判断されるようになりました。

  • 更新手続きが正常におこなわれておらず、実質無期雇用契約と同じ状態にある場合
  • 契約の更新をほのめかすような言動が取られていた場合

有期雇用契約を締結する際には、更新期間の対応を確実におこない、更新の有無や判断基準についてしっかりと記載し、労働者の合意を得たという証拠を残しておくことが大切です。

8-3. 有期雇用契約への不合理な労働条件の禁止

有期雇用契約と無期雇用契約の間で、不合理な労働条件の相違があった場合、これを禁止するルールです。

例えば、合理的な理由なく有期雇用労働者にのみ通勤手当を支給しないといった扱いは、法的に不合理と判断され、損害賠償の対象となる可能性があります。

雇用契約は口頭でも有効であるため、雇用主は労働条件について適切な対応が求められます。

関連記事:雇用契約は口頭でも有効なのか?口頭で契約する際に注意すべき2つのリスク

8-4. 2024年4月に労働条件明示ルールが変更された

政府は「労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等の公布等について」において、有期雇用契約の際の労働条件明示ルールに新たな条件が3つが追加されました。これらは、2024年4月より適用となっています。
企業はそれまでに労働条件通知書のフォーマットを見直さなければなりません。

具体的なルールは以下の3点です。

  • 更新上限の明示
  • 無期転換申込機会の明示
  • 無期転換後の労働条件の明示

また、すべての労働者に対してもルールが追加され、以下の内容を労働条件通知書へ反映しなければなりません。

  • 就業場所・業務の変更の範囲の明示

厚生労働省から詳細についてまとめられた資料も出ています。本記事とあわせてぜひご覧ください。

参考:2024年4月から労働条件明示のルールが変わります|厚生労働省
参考:令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます|厚生労働省

9. 雇用契約で期間を定める場合は無期雇用との違いに注意して締結しよう

会議

有期雇用契約には、契約期間中に社員の能力を見極め、必要であれば契約更新や無期雇用契約として契約を結び直すことができるというメリットがあります。

活躍次第で正社員になる可能性があることが分かれば、有期雇用労働者はモチベーションを高く保った状態で雇用することができます。

しかしながら、有期雇用契約は雇止めなどで法律上、雇用主が気をつけなければならないポイントが無期雇用契約よりも多いという特徴があります。有期雇用契約をおこなう場合には、法改正の内容を細かく理解して、労使間でトラブルを生まないことが重要です。

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