残業代はタイムカード打刻どおり1分単位で支払うべき?法律の観点から解説
更新日: 2026.6.2 公開日: 2020.1.29 jinjer Blog 編集部

近年、「企業がタイムカード通りの残業代の計算をしていない」と従業員から残業代の請求をされるというトラブルが増えてきています。
そのような事態を防止するには、タイムカードや残業代計算の正確性を維持しなければなりません。本記事では正しく残業代を支給する方法や、タイムカードの適切な運用方法を解説します。
【関連記事】最新のタイムカード機5選!買い替え時に一緒に見ておきたい勤怠管理システムもご紹介
目次
毎月の恒例となっている、タイムカードの押し忘れや不備の対応。その場しのぎの確認・修正作業で済ませていませんか?
実はその対応、コンプライアンス違反と隣り合わせかもしれません。
従業員を守り、会社の信頼を維持するためにも、日々の業務効率化と法令を遵守した管理体制の両立が求められます。
◆この資料でわかること
- 法律で定められた正しい「労働時間の管理・記録義務」とは
- ついやりがち?「減給」や「欠勤扱い」に関する法的な注意点
- 押し忘れや府不備を根本から減らすための環境・ルールの設定方法
コンプライアンスを遵守した勤怠管理を行いたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 原則として残業代はタイムカードどおりの支払いが必要


残業時間が30分や1時間など、きりのよい時間になることは多くありません。そのため、残業代は実際の労働時間に基づき、原則として1分単位で計算する必要があります。これは、労働時間に応じて賃金を支払うという基本原則に基づくものです。
ただし、例外的に端数処理が認められているケースも存在します。誤った方法で時間の切り捨てや切り上げを行うと、意図せず未払い残業代が発生する可能性があるため注意が必要です。ここでは、1分単位計算の原則と例外について解説します。
1-1. 残業として認められる場合は1分単位で計算する
残業代はタイムカードに打刻されたとおり、原則1分単位で支払う必要があります。もし分単位で時間が計算されておらず、残業代が1円でも少なかった場合、原則では労働基準法に違反したことになります。
しかし、従業員個々の残業時間を1分単位で計算するのには時間と労力が必要です。そのため、次のようなケースでは切り捨て切り上げが可能です。
- 1ヵ月における残業時間の割増賃金総額に1円未満の端数が生じた場合の四捨五入
- 1ヵ月における時間外労働、休日労働および深夜労働の合計時間数における30分未満の切り捨て、もしくは30分以上の切り上げ
ただし、この30分単位の処理は、1か月分の時間外労働を合計した後の端数処理に限られる点が重要です。日単位や打刻ごとに切り捨てや切り上げをおこなうことは認められておらず、不適切な処理は未払い残業の原因となるため注意が必要です。
【関連記事】15分単位の残業代計算は違法?残業代を正しく計算するためのポイント
1-2. タイムカード通りの残業代を支払わなくてよいケース
企業は従業員の労働時間に対して、適正な賃金を支払う必要があります。しかし、タイムカードの打刻時間が、必ずしも労働時間と一致しているとは限りません。
例えば、本来の終業時間にタイムカードを押さないまま雑談をしていたり、業務とは関係のない個人的な調べ物をしていたりしてタイムカードの打刻時間が1時間ほど遅くなったとします。この場合は、使用者の指揮命令下にあると評価されず労働時間と認められない可能性があるため、タイムカードどおりに残業代を支払う必要はありません。
重要なのは打刻記録そのものではなく、実態として労働がおこなわれていたかどうかです。労働時間の判断においては、業務実態や指示関係の有無を踏まえた適切な確認が求められます。また、「タイムカードの打刻時間どおりに給料を支払う」などの記載が就業規則にある場合は、残っていた理由に関わらず残業代を支払う必要があります。
2. 企業に求められる労働時間把握義務

企業には、従業員の労働時間を正確に把握し、記録する義務があります。この義務は、厚生労働省が平成29年1月20日に公表した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によって明確に示されています。
働き方改革関連法の施行により、長時間労働の抑制や健康確保の観点からも、労働時間管理の重要性はこれまで以上に高まっているので、義務の内容を正確に把握しておきましょう。
ここでは、企業に求められる労働時間把握義務について解説します。
参考:厚生労働省 | 労働時間の適性な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン
2-1. 労働時間の法的定義
ガイドラインや法が整備され、企業の勤怠管理者は従業員の労働時間の正確な把握をすることが義務付けられました。
この「正確な把握」とは、「第三者が確認しても労働時間の事実関係が明確に把握できる形」、つまり客観的に見たときに労働時間が明確に間違いのない形でわかることを指しています。1日の労働時間だけでなく、労働日ごとの始業・終業時刻の記録が必要です。
一例としては、タイムカードやICカードによる記録や、パソコンの使用時間のデータなどが客観的な記録方法に該当します。ただし手書きのタイムカードは、場合によっては客観的な記録として認められないため注意しましょう。
2-2. 企業が勤怠管理を怠るのは違法
企業の勤怠管理者が、従業員の労働時間をタイムカードやその他の方法で記録・把握をしていない場合は、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に違反する状態なので違法となります。
また労働安全衛生法の第66条の8の3においても、事業者に対して労働者の労働時間の状況を把握することが義務付けられています。これは、長時間労働による健康障害を防止するための措置として位置付けられているものです。
近年は労働時間や働き方に対する社会的関心も高まっており、労働時間管理の不備が原因となって労務トラブルに発展するケースも少なくありません。トラブルになった場合は、SNSで社外に広まる可能性もあります。自社の信用性を維持するためにも、法令を遵守することが企業として求められています。
2-3. タイムカード以外の記録方法は認められるか
企業がタイムカードなどで勤怠管理をしていないこと自体が、直ちに違法となるわけではありません。重要なのは、どのような方法であっても、労働時間が適切に把握・記録されていることです。
厚生労働省から発表された「労働時間の適性な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」においては、以下のように明記されています。
ア.使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
イ.タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。
従ってタイムカードがない、タイムカードで勤怠管理をしていない場合でも、労働時間が適正に記録されていれば問題ありません。
自己申告制が一切認められないわけではありませんが、多くの説明や確認作業が必要になります。従業員と企業双方の負担を考えても、何らかの客観的な記録を用意したほうが安心です。
3. 端数時間の丸め処理は違法?


労働時間の端数処理については、多くの企業で「15分単位で切り捨てているが問題ないのか」「就業規則に定めていれば適法なのか」といった疑問が生じやすい分野です。特に、日々の勤怠管理において端数処理をおこなっている場合には、その方法が法令に適合しているかを確認することが重要です。
労働時間の端数処理は一定の範囲で認められる場合もありますが、方法を誤ると未払い残業代の発生につながる可能性があります。
ここでは、日々の端数処理が問題となる理由や、認められる処理方法の考え方について解説します。
3-1. 日々の15分単位切り捨てが問題となる理由
労働時間を日々15分単位や30分単位で切り捨てる処理は、原則として認められていないとされています。例えば、18時5分まで業務をおこなっていたにもかかわらず、18時までの勤務として処理するような運用は、実際に労働した時間を正確に記録していないことになるため、未払い残業代が発生する原因となります。
労働基準法では、使用者は労働時間を適正に把握し、その実態に基づいて賃金を支払うことを義務付けています。そのため、日々の労働時間を一律に切り捨てる処理は、結果として実際の労働時間よりも短く計算される可能性が高く、賃金不払いと判断される可能性があるのです。
特に、長期間にわたり端数の切り捨てが繰り返されている場合には、累積した未払い残業代が大きな金額となることもあるため、日々の端数処理の運用方法については慎重に確認しなければなりません。
3-2. 月単位での端数処理が許容される考え方
一定の条件を満たす場合には、1ヵ月単位で労働時間の端数を処理することが認められる場合があります。これは、給与計算の実務上の便宜を考慮し、最終的な賃金額に大きな影響が生じない範囲であれば許容されるとされているためです。
一般的には、1ヵ月間の時間外労働時間を合計したうえで、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げるといった処理が例として挙げられます。このような方法は、日々の労働時間を削減するものではなく、月単位での最終的な端数整理として位置付けられるため、一定の合理性が認められています。
ただし、このような端数処理が許容されるかどうかは、処理方法の内容や実際の運用状況によって判断されるので、自社の処理方法が適切であるかを確認することが重要です。
3-3. 就業規則に定めれば有効になるのか
端数処理について、「就業規則に定めていれば問題ない」と考えられているケースも見られますが、就業規則に記載していることのみを理由として不適切な処理が認められるわけではありません。
就業規則は、法令に基づいて作成される必要があり、法令に反する内容を定めた場合には、その部分は無効とされる可能性があります。したがって、日々の労働時間を一律に切り捨てるような処理を就業規則に定めていたとしても、それが法令の趣旨に反するものであれば、適法とは認められません。
また、就業規則に端数処理の方法を明確に定める場合には、処理の対象や計算方法を具体的に記載し、従業員に周知することが重要です。制度の透明性を確保することは、労使間のトラブル防止にもつながります。
4. 正しい残業代を支給するためのポイント

企業は、従業員の正確な労働時間の把握を前提に、決められた労働時間を超えて業務をおこなった場合は残業代を支払わなければいけません。残業時間の判断基準や管理方法を誤ると、未払い残業代の発生や労務トラブルにつながるおそれがあります。
また、残業時間の管理は単に賃金計算の問題にとどまらず、従業員の健康管理や長時間労働の防止にも関係する重要な業務です。
ここでは、残業時間の基本的な定義と適正な管理のために押さえておくべきポイントを解説します。
4-1. 残業時間(時間外労働)の定義を正確に理解する
残業時間は、労働基準法第32条で定めされている1日8時間週40時間の法定労働時間を超えて労働をした部分が該当します。9時~18時(休憩時間1時間)の労働をした場合、18時以降に仕事をしていた時間が残業時間に該当し、割増賃金が発生します。
なお、企業ごとに設定されている所定労働時間が法定労働時間より短い場合には、所定労働時間を超えた時間であっても、法定労働時間を超えていない部分については割増賃金が不要な場合があります。ただし、就業規則や雇用契約の内容によっては独自の取り扱いが定められていることもあるため、制度の内容を確認することが重要です。
残業をしていても残業代を支払っていない、いわゆるサービス残業は違法行為にあたります。サービス残業という言葉が当たり前に使われていますが、違法であることを認識し勤怠管理者は注意しておきましょう。
【関連記事】残業時間の定義とは?正しい知識で思わぬトラブルを回避!
4-2. 残業の申請ルールを決める
企業が従業員一人ひとりの労働時間を正確に把握するには、残業時間も細かく計算しなければなりません。
月でどの程度残業をおこなっているかを把握するためには、「残業をする場合は申請をしなければならない」などの残業の申請に関する社内ルールが有効です。このようにルール化されていれば、残業申請が承認された労働時間のみを残業代の支払い対象とすることが可能です。つまり残業代のコントロールがしやすくなります。
さらに、勤怠管理する上でも残業申請の制度があれば残業時間がわかりやすくなります。残業代の計算が効率的にできることに加え、従業員が過重労働になっていないかどうかチェックもしやすくなるでしょう。
ただし、残業申請制度を設けている場合であっても、申請がないことのみを理由として残業代の支払いをおこなわないことは認められません。実際に使用者の指揮命令下で労働していた事実が認められる場合には、申請の有無にかかわらず残業代の支払い義務が発生します。
【関連記事】残業申請で正しい勤怠管理|ルールの作り方と運用方法、見直し方も紹介
4-3. 勤怠管理システムを導入する
従業員の数が多い場合や働き方の多様化への対応が必要な場合などは、アナログな方法だと非常に手間がかかり、ミスも発生しやすいです。そのような場合は勤怠管理システムの導入がおすすめです。
タイムカードのみでは上述の通り残業代の未払いが発生しやすく、従業員から不当な請求があった場合に企業の立場が危うくなる可能性があります。しかし勤怠管理システムを導入し、残業時間を含めて労働時間を記録しておくことで、万一残業代を請求されたとしても、根拠となる勤怠情報があるため適切に対応ができるでしょう。
さらに、勤怠管理システムは法令遵守を徹底するためにも役立ちます。労働基準法では、使用者に労働時間の適正な把握が求められており、タイムカードやICカードを利用して客観的な記録を残すことで、企業の信頼性が向上します。これにより、労使間のトラブルを未然に防ぎ、従業員との信頼関係を強化することが可能です。
当サイトでは、勤怠管理システム「ジンジャー勤怠」を参考に、システムを導入することで、どのように勤怠管理業務のミスが減り、効率化されるか解説した資料を無料で配布しております。システムを導入することで勤怠管理業務のミスが減りそうだと感じた方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
【関連記事】勤怠管理の方法や方法別のメリット・デメリット、勤怠管理の目的を解説
【関連記事】残業代はタイムカードの打刻通りに支払おう!労働時間の把握が企業の義務
5. 労働基準監督署はどこを見て違法と判断するのか


労働時間や残業代に関する問題が発生した場合、労働基準監督署による調査がおこなわれることがあります。調査では、単にタイムカードの記録を確認するだけでなく、複数の資料を突き合わせながら、労働時間の実態や賃金支払いの状況が適正であるかを総合的に確認します。
企業としては、どのような資料が確認対象となるのかをあらかじめ理解しておくことで、適切な記録管理体制を構築しやすくなります。また、調査時に記録の不整合が発見された場合には、未払い残業代の存在が疑われることもあるため、日常的な管理の精度が重要となります。
ここでは、労働基準監督署が調査時に確認する主なポイントについて解説します。
5-1. 原始記録と賃金台帳の整合性
労働基準監督署の調査では、まず労働時間の原始記録と賃金台帳との整合性が確認されます。原始記録とは、タイムカードやICカードの打刻記録など、労働時間の実態を直接示す最初の記録を指します。
これらの原始記録と、実際に支払われている賃金の内容が一致しているかどうかは、未払い残業代の有無を判断するうえで重要な要素となります。例えば、タイムカード上では時間外労働が発生しているにもかかわらず、賃金台帳に時間外手当が反映されていない場合には、不払いが疑われることがあります。
日常的に原始記録と給与計算結果を照合する仕組みを整備しておくことは、調査対応の観点からも重要な取り組みです。
5-2. タイムカード以外の客観的資料
調査においては、タイムカードだけでなく、業務の実態を示すさまざまな資料が確認対象となるのが一般的です。例えば、パソコンのログイン・ログアウト履歴、メールの送受信履歴、入退館記録などは実際の労働時間を推測するための客観的資料として扱われる場合があります。
これらの資料とタイムカードの記録との間に大きな差異が見られる場合には、記録の正確性に疑問が生じる可能性があります。特に、打刻時間よりも長時間にわたって業務をおこなっていた形跡が確認された場合には、未払い残業の疑いが強まるので注意しましょう。
そのため、タイムカードだけに依存するのではなく、業務実態を把握できる複数の情報を適切に管理しておくことが重要です。
5-3. 悪質な未払い残業は送検や罰則の対象となる
未払い残業代が発生していても、速やかに是正がおこなわれていれば、行政指導にとどまることもあります。しかし、長期間にわたり未払いが継続している場合や、意図的に労働時間を過少に記録していたと認められる場合には、悪質な違反と判断される可能性があります。
悪質性が高いと判断された場合には、企業や担当者が書類送検されるなど、刑事責任を問われるかもしれません。また、その内容が公表された場合には、企業の社会的信用に影響を及ぼすリスクがあります。
このようなリスクを回避するためには、日頃から適正な労働時間管理をおこない、不備が見つかった場合には速やかに是正する体制を整備しておくことが重要です。
参考:「事業場外労働に関するみなし労働時間制」の適正な運用のために|東京労働局・労働基準監督署
6. 打刻後のサービス残業は違法となる

サービス残業は、企業にとって重大な法令違反となる可能性がある行為です。従業員が法定労働時間を超えて労働しているにもかかわらず、適切な残業代を支払っていない場合、企業は法的責任を問われるおそれがあります。
また、サービス残業の問題は単なる賃金未払いの問題にとどまらず、企業の社会的信用や人材確保にも影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。近年では労働環境の透明性が重視されており、労務管理の不備が企業経営全体に影響を及ぼすケースも見られます。
ここでは、サービス残業が発生した場合の主なリスクについて解説します。
6-1.サービス残業に関する罰則
サービス残業が発覚した場合は、会社に6ヵ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられます。さらに悪質性が高い場合は労働基準監督署によって企業名が公表されるケースもあり、罰則が発生するだけでなく、社会的な信用を失うことにつながりかねません。
なお、従業員が自主的にサービス残業をおこなっていた場合でも、業務過多が原因の場合は業務命令によって残業していたとみなされるケースがあります。
そのため、サービス残業を従業員に強いるような環境を作らないように努力するだけでなく、自主的にサービス残業している従業員に対しての指導も進めていかなければなりません。
6-2. サービス残業が発生する社内構造
企業側が命令していないにも関わらずサービス残業が発生している理由は、労働環境や使用者と労働者との関係など社内構造に原因がある可能性があります。サービス残業をなくすために、以下の点を確認してみましょう。
管理職が労働基準法を理解していない
管理職が労働基準法を理解していない場合、タイムカード打刻後にサービス残業が発生する可能性があります。
サービス残業を命令する上司や経営陣が労働基準法を理解していないため、無意識に違法行為をおこなっている状態です。また、経営陣や管理職の中には労働基準法の違法性を知りながら、コストカットや残業時間を少なくみせるためにサービス残業を強要する悪質なケースも存在します。
こうした状況は従業員に対して非常に不利な働き方を強いるものであり、法律リスクの増大を招きます。管理職に対しても違法性を説明し、認識を変えていきましょう。
残業が当たり前になっている
サービス残業が当たり前になっている企業文化は、過去の慣習によって根深く根付いている場合があります。
特に、タイムカード打刻後にサービス残業が常態化しているケースでは、「残業して会社に貢献する=美徳」という考え方が強く影響します。多くの従業員が率先してサービス残業をするため、他の従業員もそれに従わざるを得ない状況に陥りがちです。
このような風土では、サービス残業を止める声を上げることが難しく、最終的にはそれが企業全体で暗黙の了解とされる風潮となります。
結果として、労働法に基づく残業代の支払い方法や勤怠管理の徹底が難しくなり、法令遵守の観点から大きな問題になりやすいです。「原則として残業をしない」という考え方に変えていけるようにトップダウンで指示をだしましょう。
従業員が会社に残業を隠している
企業側がサービス残業を減らそうと努力をしていても、従業員が自身の残業を隠すことがあります。労働法に基づく残業代の支払いや勤怠管理の観点から、この行動は非常に問題があります。
従業員が残業を報告しない理由には、評価基準が関係していることがあります。一部の上司や企業では、残業を多くの時間貢献と見なして評価する一方、他の上司や企業では残業を仕事効率の低さと見なすことがあります。
こうした評価基準の違いが従業員にプレッシャーを与え、結果としてサービス残業を選択することにつながります。
また、労働時間に対して業務量が多い場合も残業隠しが発生しやすいです。残業の上限が守られているようにみせるため、打刻をしてからも業務を終わらせるために働き続けるという行為がでてくるからです。管理を厳しくするだけでなく、適切な業務量となるように調整することが重要です。
6-3. 未払い残業代の時効
未払いの残業代には、法定時効が設定されています。日本の労基法115条では、未払いの残業代請求権の消滅時効期間を賃金支払期日から5年(ただし、2020年4月1日以降に支払期日が到来する賃金については当分の間3年)と定めています。
これにより、従業員は残業代を請求する権利として、3年以内に十分な証拠を集めて交渉や訴訟の手続きを始めるかもしれません。労働基準監督署や従業員からタイムカード情報の提出を求められた場合、迅速かつ適切に対応することが求められます。開示請求に応じない企業は、裁判所に不利な証拠を隠していると受け取られ、訴訟で不利に働く場合もあるため注意が必要です。
未払いの残業代がある場合は、法定時効を過ぎる前に適切に対応し、企業のリスクを回避しましょう。
参考:未払賃金が請求できる期間などが延長されています|厚生労働省
7. タイムカードは正確に管理しよう

タイムカードの打刻問題や労働時間、残業時間の把握を企業は正しく管理するためには、勤怠管理者の負担にもなりかねません。少しでも業務の効率化を図る上でも、勤怠管理システムを導入することをおすすめします。勤怠管理システム「ジンジャー」は、多彩な打刻システムを搭載しており、PC、スマホ、タブレット、チャットツールなど現代社会で欠かせないツールで打刻が簡単にできます。
企業の労務管理の担当者は、従業員の労働時間を適切に把握して、適正な残業代の計算をおこなわなくてはいけません。タイムカードで管理している場合は、打刻通りに残業代を計算をしておくと良いでしょう。タイムカードで残業代の計算をおこなっている場合は、打刻のミスや打刻がずれることで計算の工数がかかる場合もあります。
業務の効率化を図る方法として、勤怠管理システムの導入を検討してみる方法をおすすめします。勤怠管理者も労務状況をタイムリーに管理が可能になり、過重労働などの事態も早期に発見ができます。さまざまな機能を利用しながら、適正な勤怠管理に努めていきましょう。
関連サイト:残業代が出ない時に違法性を調べる方法と請求する手順|クロスワークマガジン



毎月の恒例となっている、タイムカードの押し忘れや不備の対応。その場しのぎの確認・修正作業で済ませていませんか?
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