介護業界の勤怠管理システム|導入するメリットから選び方までまとめて紹介
更新日: 2025.7.18 公開日: 2020.1.28 jinjer Blog 編集部

介護業では、2交代制や3交代制と勤務形態が様々であるため、「勤務形態が様々で管理しにくい」「タイムカードや出勤簿だと忘れてしまう時がある」など、勤怠管理における悩みを抱えている担当者の方も多いのではないのでしょうか。
しかし、いくら勤務形態が複雑であっても、勤怠管理は適切かつ正確におこなわなければなりません。
ここでは、介護業が抱える勤怠管理の悩みを解決するツールとなる、勤怠管理システムを導入するメリットや選び方を紹介します。
関連記事:勤怠管理システムとは?はじめての導入にはクラウド型がおすすめ
目次
人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
◆解決できること
- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
システムを利用したペーパーレス化に興味のある方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、工数削減にお役立てください。
1. 介護業によくある勤怠管理のお悩み

勤怠管理システムで勤怠管理の問題を解決するには、まずは介護業においてどのような悩みがあるのかを把握しておく必要があります。勤怠管理システムの機能というのは、メーカーによって搭載されているものが異なるため、自社の課題にあった機能が搭載されているものを選ぶことが重要です。
ここでは、介護業によくある勤怠管理の悩みを4つ挙げるので、自社に当てはまる課題があるかどうかチェックしておきましょう。
1-1. 日勤と夜勤の管理が複雑
介護施設の場合、24時間利用者のケアをおこなうため、2交代制や3交代制など多様な勤務形態を取り入れています。
そのため、従業員によって労働時間や休憩時間も異なりますし、夜勤の場合の休日も管理しなければならないため、シフト管理がとても複雑という課題があります。
労働時間や法定休日というのは労働基準法で厳密に決められていますが、ヒューマンエラーが一番起こりやすい管理項目なので注意が必要です。
1-2. タイムカード・出勤簿だとミスや不正が起こる
介護業はとても忙しい仕事のため、タイムカードや出勤簿で勤怠管理をしていると、ミスや不正が起こる可能性が高いといえます。また、忙しさのあまり、時間を超過して残業せざるを得ない状況もあるでしょう。
このような状況では、残業時間を少なく提出したり、夜勤の従業員の休日を正確に取得させていなかったりなど、従業員の勤務状況を管理できない場合があります。このような労働環境では、従業員の健康やワークライフバランスも維持できないので、離職率まで高くなるという課題もでてくるかもしれません。
1-3. 給与の計算が煩雑になる
介護業は、給与の計算が煩雑になるという勤怠管理の悩みがあります。
介護の現場では正職員や契約職員、常勤ホームヘルパー、登録ホームヘルパーなどさまざまな雇用形態のスタッフが勤務しています。そのため、雇用形態に応じた給与計算が必要です。
さらに、日勤だけでなく日をまたぐ夜勤の人もいるでしょう。夜勤の従業員がいれば、日勤とは異なる給与計算をする必要があります。このように給与計算が多岐にわたるため、管理が煩雑になってしまうのも課題です。
1-4. シフト作成に時間がかかる
介護業は、シフトの作成に時間がかる傾向にあります。
介護業のシフト作成は、職員の勤務条件や休日を加味すればいいだけではありません。法令や人員配置基準を考慮し、夜勤が連続しないようにしたり、適切なタイミングで休日を取得させたりする必要があります。加えて、職員の出勤希望日などを考慮していると、さらにシフト作成に時間がかかり担当者の業務負担が大きくなるという課題がでてきます。
2. 介護業向けの勤怠管理システムとは


介護業における勤怠管理の課題の中でも、もっとも改善しづらいのが以下の2点です。
- 給与計算が煩雑になる
- シフトが作成しづらい
このような介護業の勤怠管理を改善するのが、介護業向けの勤怠管理システムです。勤怠管理システムは一般的に従業員の出勤情報や退勤情報などを自動的に管理できます。
一般的な勤怠管理システムで介護業ならではの複雑な働き方や配置基準を満たしたシフト作成などに対応するには、自社でのカスタマイズが必要です。自社で勤怠管理をカスタマイズするにはITについての知識やノウハウが求められるため、対応できる企業は限られるでしょう。
しかし、介護業向けの勤怠管理システムであれば、カスタマイズせずに介護業ならではの働き方に対応可能です。
3. 介護業の勤怠管理システム導入メリット4つ


勤怠管理システムはコストがかかるものもあるので、導入に踏み切れないという企業も多いかもしれません。
しかし、コストがかかっても、その分の費用対効果を得られるメリットがあります。ここでは、勤怠管理システムを導入することで得られるメリットを解説していきます。
3-1. 勤務形態が多様でも管理しやすくなる
介護業は、勤務形態が2交代制や3交代制に分かれているだけではなく、正職員や非正規職員、パート・アルバイト、資格保有者など雇用形態も様々な従業員が在籍しています。そのため、タイムカードや出勤簿で勤怠を管理している場合、勤務形態や雇用形態に合わせて勤怠データを分ける手間が必要です。
しかし、勤怠管理システムを導入すれば、勤務形態や雇用形態が多様であっても、自動かつ目的別に勤怠データを集計してくれるので管理しやすくなるというメリットがあります。
また、給与計算時のヒューマンエラーも防げるので、修正や確認などの手間もなくなり、担当者の業務負担を軽減できるというメリットも得られます。
3-2. 勤怠管理やシフト作成の負担を軽減できる
勤怠管理に手書きの勤務表を使用している場合、人事担当者が従業員全ての勤務表を目視で確認していく必要があります。
勤務表にミスや記入漏れがあると、その都度従業員に確認を取らなければなりません。そういった目視確認には、確認ミスが起こる可能性もあります。
しかし、勤怠管理システムを導入すれば、従業員がスマホやPCで入力したデータを自動で集計してくれるため、人事担当者が勤務表を確認するといった手間もなくなることから、ミスを事前に防げるというメリットがあります。
さらに、システムによっては規定項目を入力することで、自動的にシフト作成をしてくれる機能が搭載されているので、シフトを作成する手間も省けます。
3-3. 不正や打刻漏れがなくなる
介護施設はとても忙しい現場であるため、タイムカードの押し忘れが起こってしまう可能性があります。また、出勤簿管理の場合には、忙しさのあまり記入を後回しにして、後日まとめて曖昧な記憶で記入してしまうこともあるでしょう。
中には、残業時間を偽って不正に勤怠を入力する場合もあるかもしれません。
勤怠管理システムには、勤怠入力を忘れるとアラートで通知してくれるシステムや残業時間が超過していると通知してくれる機能があるので、打刻漏れや記入漏れ、不正の悩み解決することができます。
人事担当者がリアルタイムで勤怠データを管理しやすくなるので、勤怠入力の不正やミスの抑止にも繋がります。
関連記事:勤怠管理システムを導入する目的とは?メリット・デメリットも確認
3-4. 他のシステムと連携できる
介護業の勤怠管理システムには、他のシステムと連携できるものがあります。このような機能が搭載されていれば、給与計算や人事評価のシステムと連携できるというメリットが得られます。
既存のシステムと連携できれば、入力作業なども省けるので、その分他の業務に時間を使うことが可能です。
ただし、前提として連携機能が搭載されていないとこのメリットは得られないので、すでに他の業務でシステムを導入している場合は、連携できる勤怠管理システムを選ぶようにしましょう。
4. 介護業におすすめ勤怠管理システムの選び方

勤怠管理システムには様々な機能が備わっていますが、介護業のお悩みを解決できるのは以下の3つの機能が備わっているものです。
- 多様な打刻方法が揃っている
- シフトを自動作成できる
- 自動で勤怠データを集計
- 法令に対応している
ここでは、介護業におすすめの、勤怠管理システムの選び方をご紹介します。
4-1. 多様な打刻方法が揃っている
勤怠管理システムを選ぶ際には、パソコンやタブレットだけでなくスマホやチャットアプリなど様々な打刻方法が用意されているものを選択しましょう。
特に重要なのがスマホやチャットアプリから打刻できるということです。この打刻方法であれば、訪問看護や訪問介護をおこなっている従業員が、訪問先でも自身のスマホで勤怠を入力することが可能になります。
出先から打刻できるようになれば、事業所まで戻ったり、一旦事業所によってから訪問先へ向かう必要がなくなり、打刻漏れや労働時間と申告のあった時間の乖離を減らすことができます。
4-2. シフトを自動作成できる
介護業界の勤怠管理で時間がかかる一番の理由としては、シフト(勤務表)の作成が挙げられるでしょう。
様々な職種のスタッフを、それぞれの時間帯で適切に配置できるようにシフトを組んでいくのは、とても多くの時間がかかります。
勤怠管理システムではシフトの作成を簡単にしてくれる機能が備わっているものもあるため、自社とマッチするか確認してみましょう。
シフト作成機能が搭載されているシステムは、従業員がスマホで勤務希望日の提出ができ、自動的にシステム内に反映されるため、シフト収集の手間や漏れを減らすことが可能です。また、必要な人数を登録しておくと過不足を教えてくれるシステムなど便利な機能がいろいろあるので、自社で使いやすいものを選びましょう。
4-3. 自動で勤怠データを集計
介護施設の場合は夜勤のシフトが発生し、深夜労働や時間外労働を含めて労働時間の集計が複雑で、ミスも発生しやすくなります。
勤怠管理システムを導入すれば、従業員が打刻した時間をもとに、自動で深夜労働や時間外労働などの時間を集計してくれるため、労働時間の計算にかかる時間とミスをゼロにすることが可能です。
そのため、勤怠管理システムを選ぶ際は、希望した形式で労働時間の集計ができるかを確認するとよいでしょう。
4-4. 法令に対応している
勤怠管理システムを選ぶうえでは、法令に対応しているかどうかも大きなポイントです。
勤怠についての法令は、数年後には改正されているかもしれません。法令に対応している勤怠管理システムであれば、メーカーが法令改正に仕様を変更してくれるため自社での対応は不要です。
法令に対応していないシステムの場合、勤怠管理で思わぬトラブルに発展してしまう恐れがあるので注意しましょう。
ここまで、介護施設や介護の事業所が勤怠管理システムを導入する際に確認しておきたい機能をご紹介しましたが、あわせてシステムの比較検討~システム導入~運用開始までの流れを確認しておくことで、システム導入に必要な準備や運用開始までの期間を把握することが可能です。
当サイトでは、勤怠管理システムを導入して運用開始するまでにどのようなことが必要になるかをまとめたガイドブック「勤怠管理システム導入完全ガイド」を無料で配布しているため、こちらより資料ダウンロードページをご覧ください。
5. 勤怠管理システムとExcel管理の違い


手書き以外の勤怠管理の方法には、勤怠管理システムだけでなくExcelを使った管理方法があります。
Excelであれば導入費用を抑えられるうえに、多くの人が操作に慣れているので、活用しやすいかもしれません。しかし、Excelによる管理の場合、入力は手作業となるので、入力時間のロスや入力ミスが発生する可能性があります。また、データの紛失や改ざんといったリスクもあります。
一方、勤怠管理システムは従業員が打刻をすればいいだけなので、入力時間が取られることもなく入力ミスもありません。また、打刻時間をいじることはできないので、データの紛失や改ざんなどの不正リスクも回避可能です。
さらに、勤怠管理システムであればスタッフの勤務状況をリアルタイムで把握できるので、過度な時間外労働の防止につながるでしょう。
6. 介護業は専用システムを活用して勤怠を管理しよう

高齢化社会の現代において、介護で働く人材確保はますます必要となってきます。また、施設の規模によっては、今よりも従業員が増える可能性もあるため、より適切な勤怠管理が求められるようになるかもしれません。
しかし、介護業は多様な勤務形態なので、残業時間や法定労働時間などの勤怠管理が難しく、入力ミスや不正の発生といった悩みを抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。
勤怠管理システムを導入すれば、適切な労働時間を管理できるのはもちろん、有給休暇の取得や残業時間の管理も正確におこなえるので、担当者の業務を大幅に軽減できます。適切な勤怠管理は、介護業で働く従業員の労働環境確保にもつながるので、システムの導入を検討してみることをおすすめします。



人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
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- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
システムを利用したペーパーレス化に興味のある方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、工数削減にお役立てください。
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