住民税非課税世帯とは?対象となる条件や優遇措置を解説 - ジンジャー(jinjer)|人事データを中心にすべてを1つに

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住民税非課税世帯とは?対象となる条件や優遇措置を解説

TAX

近年、経済的な理由から生活に困難を抱える世帯が増加する中で、行政は「住民税非課税世帯」に対する支援を強化しています。

住民税非課税世帯は、所得状況に応じて住民税の課税が免除される世帯であり、医療費・教育費・公共サービスなどさまざまな優遇措置の対象となります。

従業員の中に非課税世帯に該当する方がいる場合、企業としても制度を正しく理解し、必要な配慮や支援を行える体制を整えておくことが重要です。

本記事では、住民税が非課税になる条件や年収の目安、受けられる支援、制度に伴うデメリットを解説します。適切な支援の提供や社内制度設計に活かせるよう、ぜひ参考にしてください。

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1. 住民税非課税世帯とは

はてな

住民税非課税世帯とは、世帯内の全員が住民税を課されない世帯のことを指します。

住民税は居住する自治体に納める地方税で、前年度の所得によって課税される仕組みです。所得が一定以下である場合や、扶養状況などにより、非課税となる世帯も存在します。

住民税が非課税となる基準は、自治体や世帯構成によって異なり、年末調整や確定申告によって決定される仕組みです。

非課税世帯の制度は、経済的に困窮する世帯への支援を目的としており、地方自治体によっては独自の助成金や減免措置が用意されています。

近年では新型コロナウイルスや物価高騰の影響を受け、一時金給付や光熱費が支援されるなど、非課税世帯への支援が拡充傾向にあります。

2. 住民税が非課税になる条件

虫眼鏡

住民税が非課税になる条件は自治体によって異なりますが、一般的には以下のとおりです。

ケース 条件
均等割・所得割の両方が非課税 前年の合計所得が、扶養人数に応じた非課税限度額以下
均等割・所得割の両方が非課税(特例) 障害者・未成年者・寡婦(寡夫)で、所得が135万円以下
均等割のみが非課税 前年の合計所得が一定基準以下(自治体によって異なる)
生活保護による非課税 生活保護法に基づく保護を受けている

上記をもとに、以下の2つのケースを解説します。

  • 所得割・均等割の両方が非課税となる場合
  • 所得割が非課税となる場合

2-1. 所得割・均等割の両方が非課税となる場合

住民税は「所得割」と「均等割」の2つがあり、いずれも非課税になる世帯は、住民税が課税されません

条件に該当するかどうかは、前年の合計所得と世帯構成をもとに判定されます。

例えば東京23区の場合、以下のような世帯が非課税となります。

世帯構成 金額
単身世帯 45万円以下
一般世帯 35万円 ×(本人・扶養家族の合計人数)+ 31万円以下

上記の基準を下回った際は、所得割・均等割りの双方が非課税となります。

2-2. 所得割が非課税となる場合

所得割のみが非課税となる場合があります。住民税のうち所得割は課税されませんが、均等割は課税対象となります。

非課税かどうかの判断には、前年の合計所得や世帯構成が影響します。代表的な目安は以下のとおりです。

世帯構成 金額
単身世帯 45万円以下
一般世帯 35万円 ×(本人・扶養家族の合計人数)+ 42万円以下

所得割のみ非課税となる世帯は、均等割の支払いが必要になります。扶養家族が増えるほど非課税限度額も上がるので、家族構成に応じた確認をしなければなりません。

3. 住民税が非課税になる世帯年収の目安

はてな

住民税が非課税になる世帯収入の目安は、自治体によって異なります。非課税かどうかを判定する基準となる「合計所得金額」に地域差があるためです。

以下は、世帯構成ごとに見た一般的な非課税ラインの目安です。

世帯構成 所得割の非課税目安(年収)
単身世帯 100万円
夫婦のみ 170万円
夫婦・子1人 221.4万円
夫婦・子2人 271.4万円
高齢者単身(65歳以上) 155万円
高齢者夫婦(65歳以上) 222万円

上記はあくまで目安であり、地域ごとの課税基準や適用される控除によって金額が変動する場合があります。企業が従業員の経済状況に配慮する場合は、各自治体の基準を参考にすることが求められるでしょう。

参考:住民税非課税の対象者等|厚生労働省

4. 住民税非課税世帯の該当者が受けられる優遇措置

電卓

住民税非課税世帯の該当者は、医療・福祉・生活支援など、さまざまな公的支援を受けられます。具体的な優遇措置の例は、以下のとおりです。

  • 国民健康保険料・国民年金保険料の減免措置
  • 介護保険料の減免措置
  • 高額医療費の減免
  • 大学の入学金・授業料の減免や給付金型奨学金
  • 幼児教育や保育の無償化
  • NHK受信料の免除
  • 給付金の対象

4-1. 国民健康保険料・国民年金保険料の減免措置

住民税非課税世帯の該当者は、国民健康保険料・国民年金保険料が減免される場合があります。

国民健康保険料は、所得に応じて保険料が変わる仕組みです。住民税が非課税となる所得水準であれば、保険料「7割・5割・2割」のいずれかに減額されます。

国民年金保険料は、従業員本人の申請が必要です。所得金額に応じて全額または一部(1/4〜3/4)免除が認められることがあります。

企業は、非正規社員や休職者からの相談対応などを受け入れられる体制を整えておきましょう。

4-2. 介護保険料の減免措置

住民税非課税世帯の該当者は、65歳以上の人が加入する介護保険料が減免される場合があります。介護保険料は、所得状況に応じて保険料が決定されるシステムです。

特に、低所得の高齢者にとっては介護保険料の負担感が大きいため、非課税世帯の区分は重要になるでしょう。

企業は、従業員本人やその家族が要介護状態となった場合の対応や相談に備えるうえでも、介護保険料の減免措置について理解しておく必要があります。

4-3. 高額医療費の減免

住民税非課税世帯の該当者は、高額医療費が減免されます。

高額医療費は、医療機関での自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度のことです。

住民税非課税世帯は、上限額が大幅に引き下げられ、入院時の食事代や療養費も軽減されます。企業が情報を整理しておくことで、医療費がかさむ従業員への対応や相談に備えられるでしょう。

4-4. 大学の入学金・授業料の減免や給付金型奨学金

住民税非課税世帯の該当者は、大学の入学金・授業料の減免や給付金型奨学金を受けられます。減免額は、学校や世帯の収入水準によって異なるため確認が必要です。

近年、奨学金返済支援制度を導入する企業も増えており、採用活動や福利厚生制度を設計するにあたって、基礎知識を押さえておくことは重要です。

4-5. 幼児教育や保育の無償化

住民税非課税世帯の該当者は、幼児教育や保育が無償化されます。

3〜5歳児に対してはすべての家庭を対象に無償化が実施されていますが、非課税世帯は0〜2歳児における保育料も対象です。

保護者の所得によっては、月々数万円単位の支援となるケースもあり、子育て世代の経済的負担の軽減につながります。

育児と仕事の両立を支援する制度や、子育て中の従業員からの相談に対応するにあたって、制度を理解しておくことが大切です。

4-6. NHK受信料の免除

住民税非課税世帯の中でも、障害者のいる世帯は、NHK受信料の全額または半額免除の対象となる場合があります。

従業員本人や家族に障害を持つ方がいる場合、生活支援や制度の案内が可能です。

特に障害者雇用を推進している企業は、適切な情報を提供できるよう体制を整えておきましょう。

4-7. 給付金の対象

住民税非課税世帯は、特別定額給付金や臨時特別給付金など、政府の生活支援策の支給対象となるケースがあります。

特に臨時の給付金は、国や自治体の判断により突発的に実施されることも多く、制度の発表から申請期限までの期間が短いケースもあります。

給付金の制度そのものは個人で申請する必要がありますが、企業は制度を理解し必要に応じて情報提供できる体制を整えておくことが重要です。

5. 住民税非課税世帯のデメリット

デメリット

住民税非課税世帯のデメリットは、以下のとおりです。

  • 優遇措置を受けるためには手続きが必要な場合がある
  • 世帯分離による非課税判定にはリスクもある

5-1. 優遇措置を受けるためには手続きが必要な場合がある

住民税非課税世帯の優遇措置を受けるためには、各制度に応じた申請や手続きが必要になる点がデメリットとして挙げられます。

一見メリットの多い住民税非課税世帯ですが、自動的にすべての支援を受けられるわけではありません。従業員自身が期限内に申請しなければ受けられない制度も多く存在します。

また、優遇制度は自治体ごとに運用や申請要件が異なるケースもあり、申請期限や必要書類が統一されていない点にも注意が必要です。

従業員から相談を受けた際にスムーズに対応できるよう、体制を整えておくことが求められます。

5-2. 世帯分離による非課税判定にはリスクもある

従業員が住民税非課税世帯として優遇措置を受けるために、意図的に世帯分離(住民票上の世帯を分ける手続き)をおこなうケースも見られます。

しかし、住民票を分けても、実態として生計を共にしていると判断される場合は、非課税世帯と認められないことがあります。

従業員が「世帯分離すれば非課税になる」と誤解している場合は、生活実態が重視されることや、不適切な分離には過料が科される可能性があることを十分に伝えましょう。

優遇措置を正しく受けるためには、制度の仕組みや申請条件を理解することが大切です。

6. 住民税非課税世帯についての理解を深めよう

会議

住民税非課税世帯とは、所得状況に応じて住民税の課税が免除される世帯であり、医療・教育・福祉など、さまざまな公的支援の対象となっています。

企業としても、制度を正しく理解し、従業員の生活状況に応じた対応や社内での適切な情報提供につなげていくことが重要です。

非課税世帯に該当する従業員がいる場合、税金がかからない制度として扱うのではなく、経済的な事情や背景への配慮を持った対応を心がけましょう。

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