法定調書の提出期限はいつ?遅れた場合の罰則や遅延防止の対策も解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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法定調書の提出期限はいつ?遅れた場合の罰則や遅延防止の対策も解説

説明をする男性

企業は、給与や報酬の支払いに関する内容を法定調書として税務署に提出する義務があります。この提出には明確な期限が定められており、期限を過ぎると所得税法に基づく罰則が適用される可能性があります。
そのため、提出期限や必要な手続きを正確に理解しておくことが非常に重要です。本記事では、法定調書の提出期限、提出遅延時の罰則、そして遅延を防ぐための具体的な対策について詳しく解説します。

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1. 法定調書の提出期限

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企業は給与や報酬などの支払いをおこなった場合、その内容に応じた法定調書を作成し、税務署へ提出する義務があります。ここでは、法定調書の概要と主な種類を説明したうえで、法定調書の提出期限について詳しく紹介します。

1-1. そもそも法定調書とは?種類も解説

法定調書とは、所得税法、相続税法、租税特別措置法などの法律に基づき、支払った報酬・給与などの内容を報告するために税務署へ作成・提出が義務付けられている書類の総称です。

これらの書類は、税務署が支払状況を把握し、適正な課税をおこなうための重要な資料となります。法定調書には、次のようにさまざまな種類があります。

  • 給与所得の源泉徴収票
  • 退職所得の源泉徴収票
  • 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
  • 不動産の使用料等の支払調書
  • 不動産等の譲受けの対価の支払調書
  • 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 など

なお、法定調書の提出義務がある事業者は、書類の種類によって異なります。例えば、「給与所得の源泉徴収票」は、給与や賞与などを支払う者が提出対象となります。ただし、支払金額が一定の基準を下回る場合には、提出が免除されるケースもあります。

参考:法定調書の種類及び提出期限|国税庁

1-2. 給与所得の源泉徴収票や支払調書の提出期限は翌年1月31日

法定調書の提出期限は、それぞれの書類ごとに明確に定められています。よく使用される「給与所得の源泉徴収票」や「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出期限は、原則として支払が確定した日の属する年の翌年1月31日です。

ただし、この期限が土日や祝日にあたる場合は、その翌日が提出期限になります。令和7年分の給与所得の源泉徴収票の提出期限は、令和8年1月31日が土曜日にあたるため、令和8年2月2日となります。

なお、給与所得の源泉徴収票は、年の途中で退職した従業員の分についても提出義務があります。退職者には、退職日以後1ヵ月以内にこの源泉徴収票を交付しなければならない点にも注意が必要です。

参考:No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

参考:令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引 第1 法定調書の提出期限等について|国税庁

2. 法定調書の作成から提出までの流れ

4つのブロック

法定調書の作成や提出に不備があると、追徴課税や罰則の対象となることもあるため、正確かつ期限内の対応が求められます。ここでは、法定調書の作成から提出までの具体的な流れを段階ごとに説明します。

2-1. 提出が必要な従業員や取引先を確認する

法定調書は、それぞれの書類ごとに提出が必要なケースが決まっています。具体的には、次のような場合に作成が必要です。

法定調書の種類

具体的に作成が必要になるケース

給与所得の源泉徴収票

正社員やパート・アルバイトなどに給与・賞与を支払った場合

退職所得の源泉徴収票

退職者に退職金を支払った場合

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

外部の取引先に対して報酬を支払った場合

事前にどのケースでどの法定調書が必要か、また対象者(従業員や取引先)を確認しておくことで、作成漏れや記載ミスを防ぎ、スムーズに作成できます。

2-2. 該当する法定調書を作成する

法定調書を作成する際は、まず対象となる従業員や取引先ごとに、支払金額や源泉徴収税額などの詳細な情報を収集します。事前に給与台帳や会計ソフトでデータを整理しておくと、作業の効率が上がるだけでなく、記載ミスや計算誤りの防止にもつながります。

また、法定調書の様式は定められており、必要な書式は国税庁公式サイトから入手可能です。法改正によって様式が変更される場合もあるため、作成前に必ず最新版を確認することが重要です。

参考:F 法定調書関係|国税庁

関連記事:法定調書の書き方は?種類や提出方法などわかりやすく解説

2-3. 法定調書合計表を用意する

法定調書を税務署に提出する際には、法定調書合計表もあわせて提出する必要があります。法定調書合計表とは、給与所得の源泉徴収票や報酬・料金の支払調書など、複数の法定調書をまとめて提出する際の表紙・集計表の役割を果たす書類です。

税務署が各法定調書の内容を効率的に確認し、集計・管理できるようにするために作成されます。法定調書合計表には、法定調書の種類ごとに支払人数、支払金額、源泉徴収税額などをまとめて記載します。なお、法定調書合計表の様式も国税庁公式サイトから入手可能です。

参考:F 法定調書関係|国税庁

関連記事:法定調書合計表とは?書き方や提出方法、注意点を徹底解説

2-4. 税務署に法定調書を提出する

法定調書および法定調書合計表を作成したら、提出期限までに所轄の税務署へ提出する必要があります。提出方法には、税務署の窓口に直接持参する方法や、郵送による方法があります。

さらに、近年ではe-Taxやクラウドシステムを利用した電子申告が広く普及しています。電子申告を利用すると、法定調書の作成から提出までをインターネット上で一括しておこなうことが可能です。

参考:法定調書(源泉徴収票、支払調書)の作成と提出|国税庁

3. 法定調書を作成・提出する際の注意点

注意のイメージ

法定調書を作成・提出する際には、年末調整の要否やマイナンバーの適切な管理、電子申告の義務化など、注意すべき点がいくつかあります。ここでは、法定調書を作成・提出する際に留意しておきたいポイントを詳しく解説します。

3-1. 給与所得の源泉徴収票には年末調整の結果を反映させる

企業には、従業員の年末調整をおこなう義務があります。年末調整の結果は、給与所得の源泉徴収票に税額や控除額として正確に反映させる必要があります。

年末調整とは、1年間の給与に対して源泉徴収した所得税が正しいかを精算する手続きです。調整後は、過不足があれば従業員に還付または追加徴収をおこないます。ただし、すべての従業員が対象となるわけではなく、法律で対象者が定められているため、事前によく確認することが重要です。

給与所得の源泉徴収票は、従業員が確定申告をおこなう際にも使用されます。そのため、年末調整の計算や源泉徴収票の記載に誤りがあると、従業員の納税額に影響する可能性があります。年末調整の仕組みと源泉徴収票の重要性を理解し、慎重に手続きを進めましょう。

関連記事:年末調整とは?【令和7年最新】確定申告との違いや必要書類、計算の流れをわかりやすく解説

3-2. マイナンバーの記載の必要性を確認する

法定調書には、従業員や取引先のマイナンバーの記載が法律で義務付けられています。そのため、マイナンバーの提供が得られない場合、書類作成が遅れることがあります。本人には、法律上マイナンバーを提出する義務があることを伝え、早めに提出してもらうようにしてください。

やむを得ずマイナンバーが取得できない場合でも、税務署は事情を考慮して書類を受け付ける場合があります。その際は、提出を求めた経緯などを記録・保存し、単なる義務違反ではないことを明確にしておくことが重要です。

また、マイナンバーは個人情報として慎重に取り扱う必要があります。特に、従業員や取引先本人に交付する法定調書には、マイナンバーを記載してはいけないので注意しましょう。

参考:法定調書に関するFAQ|国税庁

関連記事:源泉徴収票にマイナンバーは必要?記載するときの注意点も解説

3-3. 電子申告が義務化される可能性がある

法定調書の提出については、種類ごとに前々年(基準年)に提出した枚数に応じて、電子申告が義務付けられています。現行ルールでは、基準年に提出すべき枚数が100枚以上の法定調書は、e-Taxやクラウド、光ディスクなどの電子的手段での提出が必要です。

しかし、令和9年1月以降は、この基準が30枚以上に引き下げられる予定です。具体的には、令和7年中に提出する法定調書の枚数が30枚以上であれば、令和9年に提出する法定調書は必ず電子申告で提出する必要があります。

この変更により、中小事業者も電子申告の利用が求められる可能性が高くなります。提出期限直前で慌てることがないよう、事前に電子申告が可能な環境や手順を整えておくことが重要です。

参考:e-Tax等による法定調書の提出が義務化されています!|国税庁

関連記事:源泉徴収票は電子化しよう!義務基準やメリットをわかりやすく解説

4. 法定調書の提出が遅れた場合の罰則

ペナルティのブロック

所得税の確定申告などは、提出期限を過ぎると延滞税や加算税が課されるおそれがありますが、法定調書は税額を直接計算する書類ではないため、期限を過ぎても追徴課税の対象にはなりません。

しかし、法定調書の提出期限を守らない場合は所得税法に基づき、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が課される可能性があります(所得税法第242条)。実務上、刑事罰が適用されるケースは稀ですが、提出が遅れると税務署からの指導や督促を受けることがあり、後続の税務手続きに影響が出ることがあります。

法定調書の提出は、給与や報酬の支払状況を税務署に正確に報告するための重要な手続きです。提出期限を守ることで、法令遵守だけでなく、社内の事務処理や税務調査対応もスムーズになります。したがって、法定調書の期限内提出を徹底することが重要です。

参考:所得税法第242条|e-Gov法令検索

4-1. 法定調書の提出が遅れてしまった場合の対応方法

法定調書の提出は法律で義務付けられており、提出期限を過ぎた場合でも、できるだけ早く提出することが重要です。提出が遅れることが発覚した場合には、早急に所轄の税務署に連絡し、指示を仰ぐことが推奨されます。

また、法定調書の一種である源泉徴収票は、従業員への交付も法律上義務付けられています。交付が遅れると、従業員が正確な確定申告をおこなえず、納税額に誤りが生じる可能性があります。そのため、交付期限に間に合わない場合には、従業員への説明や通知を速やかにおこなうことが重要です。さらに、提出期限に遅れないようにするための再発防止策を検討・実施することも必要です。

5. 法定調書の提出期限に遅れないようにするための対策

ドミノを止める手

法定調書は法律で提出が義務付けられており、期限を過ぎて提出した場合には、罰則の対象となることがあります。そのため、事前に対策を講じて期限内に正確な提出をおこなうことが重要です。ここでは、法定調書の提出期限に遅れないための具体的な対策を紹介します。

5-1. 担当者およびスケジュールを明確化する

法定調書は情報を集めて作成し、確認したうえで提出するという複数のステップから成り立っています。それぞれの工程に責任者を設定することで、担当が明確になり、作業の抜け漏れや重複を防止できます。

また、提出期限から逆算して作業計画を立てることが重要です。情報収集や確認には想定以上の時間がかかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールを設定するとよいでしょう。さらに、タスク管理ツールで進捗を可視化し、定期的に確認することで、遅れや問題を早期に把握し、期限内に作業を完了させられます。

関連記事:年末調整はいつまで?提出書類と社内期限・社員へ周知するコツを解説

5-2. 税理士へのアウトソーシングを検討する

法定調書の作成や提出は、項目が多く内容も複雑なため、社内だけで対応すると負担が大きくなる場合があります。専門知識を持つ税理士に作成や提出を依頼することで、正確性が高まり、誤記載や計算ミスのリスクを未然に防止できます。

ただし、税理士に依頼する場合は費用がかかる点に注意が必要です。依頼内容を明確にし、作成のみか提出まで含むのかをはっきりさせたうえで、複数の税理士から見積もりを取ることが望ましいでしょう。

また、社内担当者と税理士との間でデータのやり取りや確認作業に時間がかかることもあり、作業期間が想定以上に長くなる可能性があります。これを防ぐためには、必要なデータを余裕をもって提供したり、e-Taxやクラウドシステムといった電子的な提出手段を活用したりするなど、事前の準備や対策が重要です。

関連記事:年末調整を税理士に依頼するメリットや依頼方法を解説

5-3. 給与所得の源泉徴収票はeLTAXによる提出を活用する

従業員に給与を支払う際は、税務署へ提出する給与所得の源泉徴収票だけでなく、市区町村に提出する給与支払報告書も作成する必要があります。この2つの書類は記載内容がほぼ同じため、別々に作成するよりも、どちらか一方のデータを作成して転記することで作業を効率化できます。

さらに、地方税ポータルシステム「eLTAX」を利用すれば、給与支払報告書のデータを作成する際に、給与所得の源泉徴収票のデータも同時に作成できます。作成したデータはそのままeLTAX経由で提出可能で、給与支払報告書は各市区町村に、源泉徴収票は税務署にそれぞれ送付されます。

このように、eLTAXを活用することで、源泉徴収票と給与支払報告書の作成・提出作業を一元化でき、業務の効率化が図れます。

参考:給与・公的年金等の支払報告書及び源泉徴収票のeLTAXでの一括作成・提出(電子的提出の一元化)について|国税庁

関連記事:給与支払報告書を電子申請する方法をわかりやすく解説

6. 法定調書は必ず提出期限内に提出しよう

書類と虫眼鏡

企業は、税務署に対して法定調書を提出する義務があります。法定調書は、原則として支払いが確定した年の翌年1月31日までに提出する必要があります。提出期限を守らない場合、拘禁刑や罰金などの刑事罰の対象となる可能性があります。また、不備や虚偽がある場合は訂正や再提出が必要となり、余計な手間や時間がかかってしまいます。
そのため、事前に法定調書の内容や必要書類、作成に必要な情報を整理しておくことが重要です。さらに、e-Taxやクラウドなどインターネットを利用した提出方法を活用すれば、時間を気にせずスムーズに提出できます。

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