社会保険適用拡大とは?2025年6月改正法成立後の動向や必要な対応を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

社会保険適用拡大とは?2025年6月改正法成立後の動向や必要な対応を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

社会保険適用拡大とは?2025年6月改正法成立後の動向や必要な対応を解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

社会保険適用拡大とは?2025年6月改正法成立後の動向や必要な対応を解説

社会保険の適用

2020年5月、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律(年金制度改正法)」が成立しました。厚生労働省からは、社会保険適用拡大に関する特設サイトやガイドブックを通じて周知が進められています。

2025年6月には新たな年金制度改正法が成立し、社会保険の適用対象が今後さらに拡大されることが決定しました。雇用主である企業には適切な対応が求められています。

この記事では、社会保険適用拡大の概要や今後の動向、企業の対応ポイントを解説します。特に中小企業が適用拡大に対応するには、早めの情報収集が重要です。企業の担当者は制度の概要をしっかりと確認しておきましょう。

▼社会保険の概要や加入条件、法改正の内容など、社会保険の基礎知識から詳しく知りたい方はこちら

関連記事:社会保険とは?企業や従業員の加入条件や手続き方法、適用拡大など注意点を解説


【完全版】社会保険手続きの教科書 入社から退職まで、これ一冊で。

従業員の入退社、多様な雇用形態、そして相次ぐ法改正。社会保険手続きは年々複雑になり、担当者の負担は増すばかりです。
「これで合っているだろうか?」と不安になる瞬間もあるのではないでしょうか。
とくに、加入条件の適用拡大は2027年以降も段階的に実施されます。

◆この資料でわかること

  • 最新の法改正に対応した、社会保険手続きのポイント
  • 従業員の入退社時に必要な手続きと書類の一覧
  • 複雑な加入条件をわかりやすく整理した解説
  • 年金制度改正法成立によって、社会保険の適用条件はどう変わる?

この一冊で、担当者が押さえておくべき最新情報を網羅的に確認できます。煩雑な業務の効率化にぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

1. 社会保険適用拡大とは?

従業員の管理

社会保険の適用拡大とは、少子高齢化の進行や多様化する働き方に対応し、より多くの従業員が医療保険や年金制度の保障を受けられる状態にするための制度改革です。

政府は段階的に対象範囲を広げており、企業の規模や働き方にかかわらず、一定の条件を満たす従業員が社会保険に加入できるよう制度を整備しています。

社会保険に加入すると、パートやアルバイトでも傷病手当金や出産手当金といった健康保険の保障が受けられるようになり、厚生年金への加入によって将来の年金額も増加します。今まで社会保険に加入できず、十分な保障を受けにくかった従業員にとって、適用拡大は大きなメリットになり得るでしょう。

参考:社会保険適用拡大 対象となる事業所・従業員について | 厚生労働省

2. 社会保険適用拡大が続く背景

書類にサインする

社会保険の適用拡大は近年、政府が力を入れている政策のひとつです。拡大が続く背景を3点ご紹介します。

2-1. 多様な働き方への対応

適用拡大の背景の1つ目は、多様な働き方への対応です。近年、女性や高齢者の社会進出や柔軟な働き方へのニーズ拡大が進み、パート・アルバイトなど短時間勤務の従業員や、勤務地限定・職種限定の正社員など、多様な働き方が増えつつあります。

労働条件によって社会保険への加入要否が変わると、希望する働き方を選ぶと不利になったり、従業員間での不公平が生じたりなど、不都合が生じがちです。

政府としては社会保険の適用拡大を通じて、従業員の働き方や雇用形態にかかわらず、社会保険への加入を必須とし、働きたい人が能力を発揮しやすい環境づくりを目指しています。

2-2. 社会保障の機能強化

2つ目が社会保障の機能強化です。機能強化には個人の給付を増やすだけでなく、社会保険制度の維持も含まれます。具体的な内容は次のとおりです。

2-2-1. 将来の「無年金・低年金」の防止

国民年金は被保険者が自分で保険料を納めなければなりません。未納期間があると将来の年金額が減るだけでなく、全く受け取れないケースもあります。

一方、厚生年金保険では保険料を給与から天引き(源泉徴収)するため、原則として未納が発生しません。社会保険適用拡大となり厚生年金に加入すれば、受給額も増やせます。

2-2-2. 年金財政の改善と所得再分配機能の維持

政府の試算によると、厚生年金保険の被保険者増加は、年金財政の改善につながります。年金財政が改善すれば、年金制度の持続性を高め、現役世代が将来受け取る年金の給付水準も維持しやすくなるでしょう。

所得再分配機能とは、社会全体のお金の配分を調整する政府の役割です。社会保険制度によって所得の再分配が適切に機能すれば、社会全体のセーフティーネットとしての機能が高まります。

2-3. 企業の人材確保支援

社会保険の適用拡大は、企業の人材確保にも役立つと考えられています。年収に関係なく社会保険に入る必要があれば、加入を避けて働き控えをする短時間労働者が減り、労働力が確保しやすくなるでしょう。

社会保険への加入を機に、労働時間の延長や正社員への転換を進めれば、従業員のキャリアアップにつながる提案もしやすくなります。

3. 今後の社会保険適用拡大の動向

手続き

すでに決定している今後の社会保険適用拡大の内容は次のとおりです。

項目

概要

施行時期

賃金要件の撤廃

報酬額が月額8.8万円以上の要件撤廃

2025年5月までの政令で定める日

企業規模要件の撤廃

被保険者数が常時51人以上の要件撤廃

2035年10月まで段階的に実施予定

個人事業所の適用対象の拡大

常時5人以上の従業員がいる個人事業所の加入対象を全業種に拡大

2029年10月

それぞれの内容を詳しく解説します。

参考:社会保険の加入対象の拡大について|厚生労働省

3-1. 賃金要件の撤廃

賃金要件の撤廃は、従業員の加入条件に関する改正です。現行の社会保険制度では、短時間労働者は次の4つすべてに該当する場合、社会保険に加入する義務があります。

  • 報酬額が月額8.8万円以上
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 雇用期間が2ヵ月を超える(見込みを含む)
  • 学生でない

賃金要件の撤廃は、4つの加入要件のうち「報酬額が月額8.8万円以上」の要件を撤廃する改正です。

月額8.8万円は年額にするとおよそ106万円です。社会保険に加入し、保険料が徴収されると手取りが減るため、短時間労働者の中には年収が106万円を超えない範囲で勤務調整をする人が多くいます。この仕組みは「106万円の壁」とよばれ、政府でも問題視されていました。

賃金要件が撤廃されると、ほかの要件を満たした短時間労働者は、年収に関係なく社会保険に加入しなければなりません。短時間労働者は勤務調整をする必要がなくなります。

関連記事:2025年最新・年収の壁を一覧!人事がおさえたい社会保険・税金の基準まとめ

関連記事:106万円の壁とは?対象者の条件や130万円の壁との違い、撤廃による影響・対策を解説

3-2. 企業規模要件の撤廃

2つ目の改正が企業規模要件の撤廃です。短時間労働者を社会保険に加入させなければならない企業は現在、社会保険の被保険者数が常時51人以上の場合に限られます。

企業規模要件の撤廃では、被保険者数の要件を段階的に引き下げ、最終的には1人でも被保険者がいる企業は加入が義務になる予定です。この撤廃は企業への影響が大きいため、次のスケジュールで段階的に実施される予定となっています。

  • 2027年10月~:従業員数36人以上
  • 2029年10月~:従業員数21人以上
  • 2032年10月~:従業員数11人以上
  • 2035年10月~:従業員数1人以上(完全撤廃)

なお、従業員50人以下の企業でも、労使が合意し所定の手続きをおこなえば、短時間労働者も社会保険に加入できる「任意特定適用事業所」という制度が存在します。企業規模要件の撤廃に伴い、任意特定適用事業所の制度も改正される可能性が高いと考えられます。

3-3. 個人事業所の適用対象の拡大

改正の3つ目は、個人事業所の適用対象の拡大です。現在、個人事業所(法人でない勤め先)の場合は法律で定められた17業種のみ、常時5人以上の従業員がいる場合に社会保険に加入する必要があります。

改正後は17業種の限定がなくなり、常時5人以上の従業員がいる場合は業種を問わず、社会保険への加入が義務付けられます。

本改正は2029年10月から施行される予定ですが、施行前から存在する事業所は当分の間、適用の対象外とする経過措置が設けられます。

4. 今後の社会保険適用拡大に向けた企業の対応

チェックをする人

社会保険の適用拡大に該当する見込みの企業は、制度変更の内容を正しく把握し、自社の対応方針の決定や社内周知を適切におこなう必要があります。

特に初めて社会保険の加入対象者が発生する中小企業では、混乱を避けるためにも事前準備が重要です。企業がおこなうべき社会保険の適用拡大への対応の流れを解説します。

4-1. 自社が関係する改正内容の確認

最初に、自社に関係のある改正内容を把握しましょう。改正内容ごとに次の項目を確認します。

  • 賃金要件の撤廃:次のすべてに該当し、社会保険に加入していない従業員が在籍しているか
    • 週所定労働時間20時間以上
    • 雇用契約が2ヵ月以上(見込みを含む)
    • 学生でない
  • 企業規模要件の撤廃
    • 現状の従業員数が50人以下か
    • 今後50人を超える見込みがあるか
  • 個人事業所の適用対象の拡大
    • 現在個人事業所か、今後法人化の予定はないか
    • 強制適用となる17業種に該当するか

該当する可能性のある改正内容が把握できれば、対応が必要な項目や時期、企業負担となる社会保険料の増加額などを事前に見積もることができ、今後のスケジュールや経営への影響の見通しを立てられます。

4-2. 自社における対応方針や影響の把握

関係する改正内容が判明したら、自社としての対応方針を整理します。具体的には、次のようなポイントを検討しましょう。

  • 加入対象となる従業員に対して、労働条件を変更するか
  • 採用数や法人化など、経営計画に影響はないか
  • 社会保険料がどの程度増加するか
  • 助成金を活用するか

必要に応じて、顧問社労士など外部の専門家への相談体制の構築も重要です。特に、人件費の見直しや予算調整が必要な場合は、経営陣と協議しましょう。

4-3. 今後の動向の確認と社内周知

対応方針が固まったあとは、改正の施行日や細かい要件、経過措置などが明らかになるまで、おこなうべきことは基本的にありません。厚生労働省のホームページや報道で新しい情報が出ていないか、日ごろから確認しましょう。

新たな情報が出たら、経営層や、改正の影響を受ける従業員への早めの共有が大切です。企業としての対応方針に見直しは必要ないか、従業員には契約終了や労働条件変更の希望がないかなどを確認しましょう。

4-4. 複数の事業所で働いている従業員は注意

複数の事業所で勤務している短時間労働者が、適用拡大により社会保険の加入対象となる見込みの場合は、特に注意が必要です。

社会保険の加入要件は各事業所ごとに判断され、すでにほかの企業でも加入している場合、要件を満たす事業所すべてで加入しなければなりません。

複数の事業所で社会保険の被保険者に該当すると、保険料は各企業の報酬を合算した額を基準に計算され、報酬割合に応じて按分して徴収します。従業員の社会保険料の負担は増える可能性が高いといえるでしょう。

また、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」も提出する必要があります。この届出は、複数の事業所で勤務している被保険者について、主たる勤務先を届け出て、社会保険料を按分するための制度です。

他社でも勤務している可能性がある従業員には、本人に勤務状況を確認し、必要に応じて二以上勤務(複数の事業所で社会保険の被保険者となっている状態)に該当した場合の影響や手続きの情報提供をおこなうと良いでしょう。

参考:複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き|日本年金機構

5. 今までの社会保険適用拡大

ガベルと書類

社会保険の適用拡大は、今まで2016年10月、2022年10月、2024年10月の3段階で実施されてきました。それぞれの改正内容を確認しましょう。

5-1. 2016年10月の社会保険適用拡大

初めて短時間労働者への社会保険適用が拡大されたのは、2016年10月です。常時501人以上の従業員がいる企業を対象に、社会保険への加入が義務化されました。

また、従業員が501人未満の企業であっても、従業員の同意を得て申し出をおこなえば「任意特定適用事業所」として社会保険の適用を受けられる仕組みも導入されました。

5-2. 2022年10月の社会保険適用拡大

次に改正がされたのは、2022年10月です。適用対象が「101人以上」の企業にまで拡大されました。従業員数のカウント方法や短時間労働者の加入要件は基本的に2016年と同じですが、より中堅規模の企業が新たに対応を迫られ、多くの企業で従業員への説明など対応が必要となりました。

5-3. 2024年10月の社会保険適用拡大

2024年10月には、短時間労働者への社会保険の適用がさらに拡大されました。

短時間労働者に社会保険の加入を義務付ける「特定適用事業所」の基準が、常時101人以上の被保険者がいる企業から「常時51人以上」に引き下げられました。

対象となる企業は2022年の改正時よりも大きく広がり、特にパートやアルバイトを多く雇用している飲食業や小売業、介護業などを中心に、多くの企業で社会保険の加入が必須となっています。

6. 社会保険の適用拡大によるメリット・デメリット

オフィス

社会保険の適用拡大は、従業員・企業それぞれにメリットがある一方で、保険料負担などのデメリットも存在します。ここでは、メリット・デメリットをそれぞれの立場から解説します。

6-1. 従業員のメリット

社会保険の適用拡大で、従業員が得られるメリットは次のとおりです。

  • 年金額が増える
  • 障害厚生年金や遺族厚生年金が支給される
  • 傷病手当金や出産手当金が支給される
  • 企業が保険料の半分を負担してくれる
6-1-1. 年金額が増える

厚生年金保険に加入すると、老後に受け取れる年金が増える可能性があります。加入前は国民年金のみですが、厚生年金に加入すると「2階建て」の年金制度となり、基礎年金+厚生年金を受給できます。将来受け取れる年金の額が増えれば、定年後の生活設計でも大きな支えとなるでしょう。なお、厚生年金保険への加入は、70歳までが上限です。

6-1-2. 障害厚生年金や遺族厚生年金が支給される

厚生年金保険に加入していれば、老後の年金だけでなく、病気やケガ、死亡といった万が一の場合にも保障が広がります。

  • 障害厚生年金:病気やケガで生活や仕事が困難になった場合、一定の障害等級に該当すれば、現役世代でも年金を受け取れます。
  • 遺族厚生年金:被保険者が亡くなった際、遺族(配偶者や子など)に年金が支給されます。

これらの保障は、社会保険への加入による重要なメリットです。

6-1-3. 傷病手当金や出産手当金が支給される

健康保険に加入すると、仕事を休まざるを得ない状況でも生活保障が受けられます。

  • 傷病手当金:業務外の病気やケガにより仕事を連続して4日以上休んだ場合に支給されます。
  • 出産手当金:産前産後休業中に、一定の要件を満たせば支給されます。

病気や出産時の経済的な不安を軽減できれば、短時間労働者にとっても大きな安心材料となるでしょう。

6-1-4. 企業が保険料の半分を負担してくれる

社会保険の保険料は、従業員と企業が半額ずつ負担する労使折半となっています。そのため、同等の保障を自費で用意するよりも、効率よく充実した保障を得ることが可能です。

6-2. 企業のメリット

社会保険加入は従業員だけでなく、次のように企業にもメリットをもたらします。

  • 社会保険完備をアピールできる
  • 社会保険の130万円の壁がなくなる
  • 助成金を受け取れる可能性がある
6-2-1. 社会保険完備をアピールできる

求人市場では、「社会保険完備」は求職者に向けたアピールポイントとなります。社会保険の適用拡大に対応することで、求職者に安心感や信頼感を与え、他社との差別化を図れるでしょう。

求職者だけでなく、社会保険完備は、既存の従業員定着にも寄与するでしょう。

6-2-2. 社会保険の130万円の壁がなくなる

配偶者の扶養内での勤務を前提に、年収130万円未満に抑えていたパート従業員が「130万円の壁」にとらわれず働けるようになることもメリットです。パート従業員も社会保険への加入が必須になれば、自分自身の名義で保障を受けられます。

働きたいと意欲をもっている人材が、労働時間を気にせず働けるようになれば、企業の労働力確保にもつながるでしょう。

関連記事:130万円の壁とは?企業がすべき配慮や超えた場合の手続きを解説

6-2-3. 助成金を受け取れる可能性がある

社会保険適用に伴い、従業員の収入を増やす処遇改善を図ると、「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)」を受給できる可能性があることもメリットです。

事業主が従業員を社会保険に加入させる際、社会保険適用促進手当などを支給して従業員の収入を増加させると、キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)を受け取れます。

手当支給・賃上げ・労働時間延長などにより、短時間労働者の収入を一定額以上引き上げ、社会保険の適用に結び付けた企業が対象です。社会保険導入の費用負担を軽減できる制度として、活用を検討する価値があるでしょう。

2025年7月1日からは「キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長支援コース)」も新設されました。週の所定労働時間の延長や賃金の増額をおこなった場合に、延長時間、増額幅、企業規模に応じて1人あたり最大50万円の助成が受けられます。

参考:年収の壁対策 労働者1人につき最大75万円助成します!|厚生労働省

6-3. 企業・従業員のデメリット

社会保険適用拡大の影響はメリットだけではありません。社会保険料の負担が増える点や事務負担の増加など、デメリットも確認しておきましょう。

6-3-1. 社会保険の負担額が増加する

社会保険に加入すると、企業・従業員双方に保険料負担が発生します。企業側は、対象となる短時間労働者の人数が多いほど保険料負担も増えるため、経営に与える影響は無視できません。

従業員側も手取り額が減り、「収入は増えたのに手取りが減った」と感じるケースもあります。「企業が意図的に控除額を増やした」と従業員が勘違いする場合もあるため、社会保険の仕組みや加入のメリットをきちんと説明し、トラブルに発展させないようにしましょう。

6-3-2. 制度改正を正しく把握する必要がある

社会保険適用拡大に対応する前提として、制度の改正内容を正しく把握する必要があります。

特に今回の改正は賃金要件、企業規模要件、業種要件の3点と多岐にわたり、施行日もそれぞれ異なると見込まれます。

人事担当者は改正内容や施行時期を十分に把握し、対応漏れや誤りを発生させないよう注意しましょう。

6-3-3. 従業員への説明や手続き対応が増える

人事担当者にとっては、従業員への説明や手続きの対応が増える点もデメリットです。次のポイントを押さえて、効率よく従業員への周知や手続きをおこなえるよう備えておくことが肝心です。

  • 従業員への説明

社会保険への加入の要否は、従業員の労働条件に大きな影響を与えます。加入が必要な理由や従業員が利用できる制度、社会保険料の負担などの説明を従業員へ十分におこなう必要があるでしょう。

  • 手続き対応

社会保険に加入する従業員が増えれば、人事担当者が対応する手続きの量も増えます。資格の取得や喪失の数だけでなく、標準報酬月額の見直し作業である随時改定(月額変更届)の手続きも増えるでしょう。

関連記事:社会保険の随時改定とは?標準報酬月額を改定する条件やタイミング、手続き方法を解説

7. 社会保険適用拡大の今後の動向をチェックしよう

チェックリスト

年金制度改正法により、社会保険は今後も適用範囲が拡大します。今まで改正されてきた企業規模要件だけでなく、従業員の賃金要件や個人事業所の適用業種要件も緩和され、ますます多くの従業員に社会保険への加入義務が発生する見込みです。

企業は改正内容を正しく理解し、対象となる従業員の確認や社内体制の整備など、改正に向けた準備を早めに進めましょう。

制度変更の内容や影響を、従業員に丁寧に伝えることも重要です。社会保険への加入で得られる保障やメリット、月々の保険料負担などをわかりやすく説明し、不安や誤解が生じないよう配慮することが、円滑な制度導入につながります。

改正内容の施行日は今のところ未定です。施行日が確定してから慌てないよう、早めの対応を心がけましょう。

関連記事:社会保険の加入条件とは?2022年の適用範囲の拡大や未加入時の罰則について解説!

【完全版】社会保険手続きの教科書 入社から退職まで、これ一冊で。

従業員の入退社、多様な雇用形態、そして相次ぐ法改正。社会保険手続きは年々複雑になり、担当者の負担は増すばかりです。
「これで合っているだろうか?」と不安になる瞬間もあるのではないでしょうか。
とくに、加入条件の適用拡大は2027年以降も段階的に実施されます。

◆この資料でわかること

  • 最新の法改正に対応した、社会保険手続きのポイント
  • 従業員の入退社時に必要な手続きと書類の一覧
  • 複雑な加入条件をわかりやすく整理した解説
  • 年金制度改正法成立によって、社会保険の適用条件はどう変わる?

この一冊で、担当者が押さえておくべき最新情報を網羅的に確認できます。煩雑な業務の効率化にぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。

jinjer Blog 編集部

jinjer Blog 編集部

jinjer Blogはバックオフィス担当者様を支援するため、勤怠管理・給与計算・人事労務管理・経費管理・契約業務・帳票管理などの基本的な業務の進め方から、最新のトレンド情報まで、バックオフィス業務に役立つ情報をお届けします。

人事・労務管理のピックアップ

新着記事