社会保険料の計算方法とは?計算例を交えて給与計算の注意点や条件を解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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社会保険料の計算方法とは?計算例を交えて給与計算の注意点や条件を解説

電卓で計算する

給与計算をする際は、従業員の社会保険料を正しく把握し、給与から天引きをする必要があります。社会保険料には、所定労働時間などによる加入・非加入の要件があり、さらに加入する健康保険組合や従業員の年齢によって保険料率も異なるため、計算が複雑になりがちです。

本記事では、社会保険料の基本的な仕組みや計算方法、給与計算時に留意するポイントなどをわかりやすく解説します。

保険料計算の手間とミス。 この問題から解放されたい方へ

給与計算業務でミスが起きやすい社会保険料。保険料率の見直しが毎年あるため、更新をし損ねてしまうと支払いの過不足が生じ、従業員の信頼を損なうことにもつながります。
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1. 社会保険料とは

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社会保険料とは、健康保険料と厚生年金保険料の総称です。会社員の場合は、事業主が従業員の給与から天引きをすることで徴収し、被保険者負担分と事業主負担分を合算した金額を事業主が納付します。どちらも、自身が受け取る報酬に応じた保険料を支払う仕組みです。

健康保険は、病気やけがの医療費負担を軽減し、休業時の生活を支える公的医療保険制度で、厚生年金は、退職後の生活を保障する公的年金制度です。どちらの制度も、従業員と事業主が保険料を負担しあうことで、保険給付の財源を支えています。

また、社会保険料という言葉には、広い意味で、労働保険(雇用保険・労災保険)も含まれる場合がありますが、本記事では、健康保険料および厚生年金保険料について解説します。

2. 社会保険料の計算方法

電卓で計算する男性

社会保険料は、各従業員の報酬に基づいて決定される標準報酬月額に保険料率を乗じて算出されます。標準報酬月額は、いつどのように決定されるのか、具体的にみていきましょう。

2-1. 標準報酬月額とは

標準報酬月額とは、各従業員が会社から受け取る給与の金額に応じて、等級ごとに区分された保険料算出の基準額です。

次のように、従業員が会社から受け取る給与の額(報酬月額)に応じて、標準報酬月額の等級が決定されます。

保険料額表

引用:令和7年度保険料額表(令和7年3月分から)|全国健康保険協会

仮に会社から支払われる報酬が245,000円の場合、報酬月額の表にあてはめると19等級(厚生年金保険は16等級)となるため、標準報酬月額は240,000円となります。

上記は、全国健康保険協会加入で、東京に事業所がある場合の保険料額表です。加入している健康保険組合や、事業所の場所によって保険料率は異なります。等級表や保険料率については、加入している健保組合などに確認をしましょう。

関連記事:標準報酬月額とは?調べ方や社会保険料の算出方法について解説

2-2. 標準報酬月額を決定するタイミング

標準報酬月額が決定されるタイミングは、次の4パターンがあります。

①入社時(資格取得時決定)

新たに従業員を雇用した場合に、健康保険と厚生年金保険の資格取得手続きが必要です。資格取得届を提出する際に、入社時点で支払う予定の報酬を記載します。その金額をもとに、標準報酬月額が決定されます。

入社日(加入日)が、1月1日~5月31日までの場合は、当年の8月まで、資格取得時の標準報酬月額が適用されます。入社日(加入日)が6月1日~12月31日までの場合は、翌年の8月まで適用です。

関連記事:新入社員の社会保険料が発生するタイミングと計算方法を解説

②定時決定(算定基礎届)

定時決定とは、年に1回おこなわれる標準報酬月額の見直しのことです。定時決定は、算定基礎届を提出することで決定され、9月から適用がされます。算定基礎届は、7月1日時点の被保険者全員について、その年の4月~6月の3ヵ月間に支払った報酬を記載します。

標準報酬月額の計算のしかた

引用:定時決定(算定基礎届)|日本年金機構

原則として、4月~6月に支払った報酬を、3で割ったものが報酬月額となります。ただし、支払基礎日数が17日以上(特定事業所に勤務する短時間労働者は11日以上、短時間就労者は15日以上)ある月数で割るため、出勤日数や有給取得日数の確認が必要です。

また、次のいずれかに該当する場合は、定時決定(算定基礎届)の対象外となります。

  • 6月1日以降に資格取得をしたもの
  • 6月30日までに退職をし、7月1日時点で被保険者でないもの
  • 7月に随時改定(月額変更届)をしたもの、また8月および9月に月額変更届を提出予定であるもの

③随時改定(月額変更届)

随時改定とは、固定的賃金に大幅な変動が生じた場合に、臨時的に標準報酬月額を見直すことです。月額変更届を提出することにより標準報酬月額が決定されます。

固定的賃金の変更後に支払われた3ヵ月間の報酬をもとに、4ヵ月目から標準報酬月額が改定されます。

固定的賃金とは、毎月一定額が支払われ金額の変動がない賃金です。基本給、役職手当、通勤手当などが代表的な固定的賃金です。一方で、残業手当や皆勤手当のように月によって金額が変動するものは、非固定的賃金と呼ばれ、随時改定をするかどうかの判定には影響しません。ただし、随時改定をする場合の、報酬月額には非固定的賃金も含めます。

関連記事:固定的賃金とは?非固定的賃金との違いや変更手続きの方法を詳しく解説

随時改定の対象となるのは、次のすべてに当てはまる場合です。

  • 固定的賃金に変動があったこと(昇給・降給など)
  • 固定的賃金の変更後、3ヵ月間の報酬の平均額により算出される標準報酬月額に2等級以上の差があること
  • 固定的賃金の変更後、3ヵ月間の支払基礎日数が17日以上あること(特定事業所に勤務する短時間労働者は11日以上) 

また次の場合は、随時改定の対象にはなりません。

  • 固定的賃金は上がったが、残業手当等の非固定的賃金が減ったため、変動月以後引き続く3ヵ月の報酬の平均額により算出した標準報酬月額が従前より下がり、2等級以上の差が生じた場合。
  • 固定的賃金は下がったが、非固定的賃金が増加したため、変動月以後引き続く3ヵ月の報酬の平均額により算出した標準報酬月額が従前より上がり、2等級以上の差が生じた場合。

参考:随時改定(月額変更届)|日本年金機構

固定的賃金と非固定的賃金の変動と標準報酬月額変更の関係性を表したのが次の表です。

固定的賃金と非固定的賃金の変動と標準報酬月額変更の関係性を表した表

引用:月額変更について|関東ITソフトウエア健康保険組合

④育児休業終了時(育児休業終了時報酬月額変更届)

育児休業から復帰する際は、育児短時間勤務を選択する従業員も多いでしょう。育児短時間勤務を選択すると、報酬が下がるケースが多いです。そのため、次の要件にすべてに当てはまる場合は、随時改定に該当しなくても標準報酬月額の改定が可能となっています。

  • 育児休業から復帰し、満3歳未満の子を養育していること
  • 従前の標準報酬月額と復帰後の標準報酬月額に1等級以上の差があること
  • 育児休業終了日の翌日が属する月以後3ヵ月のうち、少なくとも1ヵ月における支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上であること

育児休業終了日の翌日が属する月以後3ヵ月間に受けた報酬の平均額に基づき、4ヵ月目の標準報酬月額から改定することができます。

育児休業終了時改定は、随時改定とは異なり、本人からの希望があった場合に届出をおこないます。標準報酬月額が下がると、健康保険関係の給付(出産手当金・傷病手当金)を受ける際に、手当金の額が減ってしまうなどのデメリットもあるため、メリットとデメリットを従業員に説明し、希望するかどうかの確認をしましょう。

参考:育児休業等終了時報酬月額変更届の提出|日本年金機構

関連記事:育児休業等終了時報酬月額変更届とは?提出方法やデメリットをわかりやすく紹介

2-3. 標準賞与額とは

標準賞与額とは、支給された賞与額から1,000円未満を切り捨てた金額で、賞与にかかる社会保険料を計算する基礎となる額のことです。賞与の社会保険料は、この標準賞与額をもとに算出されます。

賞与にかかる社会保険料は、次の式で求められます。

標準賞与額 × 保険料率

厚生年金保険については、1回の支払につき150万円が上限です。(同月内に複数回の支払があるときは合算した額)そのため、賞与額が150万円を超える場合でも、標準賞与額は150万円として計算されます。

健康保険には1回あたりの上限はありませんが、年間(4月1日~翌3月31日)で573万円が標準賞与額の上限として設定されています。年間累計が573万円を超える場合、それ以上は保険料計算の対象外です。

賞与にかかる保険料を計算する際は、健康保険、厚生年金保険でそれぞれ上限があるため、既に支払った賞与についても確認し、間違わないように注意しましょう。

関連記事:社会保険料は賞与(ボーナス)から控除される?保険料の計算方法や注意点を解説

2-4. 年俸制の社会保険料の計算方法

年俸制とは、1年単位で決められた給与(年俸額)をもとに、毎月の給与が支払われる給与体系のことです。年収には、賞与が含まれている場合とそうでない場合があります。

社会保険料の計算においては、年俸額を月額に換算した金額を報酬月額として、その報酬月額を基に標準報酬月額が決定されます。

①賞与なしの場合の計算例

年俸額:450万円

450万円 ÷ 12ヵ月 = 375,000円(月額支給額)

375,000円が報酬月額となり、保険料額表にあてはめると、標準報酬月額は 380,000円 となります。

②賞与2ヵ月分を含む場合の計算例

年俸額:450万円(うち賞与相当2ヵ月分含む)

450万円 ÷ 16ヵ月 = 281,250円(月額支給額)

281,250円が報酬月額となり、保険料額表にあてはめると、標準報酬月額は280,000円となります。

賞与相当分が含まれていても、標準賞与額として別に計算するのではなく、あくまで報酬月額に含めて月々の支払額から社会保険料を天引きします。

関連記事:年俸制の社会保険料の計算方法を解説!ボーナスや残業代の扱いは?

3. 給与計算における社会保険料控除額の計算方法

電卓で計算する

社会保険料とは、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料のことです。介護保険料は、健康保険料の一部で、40歳以上の場合に徴収します。

保険料は、標準報酬月額に、保険料率を乗じることで算出できます。健康保険の保険料率は、加入している健保組合によって異なるため、加入している健保組合の保険料額表を確認しましょう。

また、保険料は事業主と従業員が折半して負担することになっています。標準報酬月額に保険料率をかけて算出される保険料を2で割ったものが、それぞれが負担する保険料です。どのように計算するのかを、具体的にみていきましょう。なお、各保険料率は全国健康保険協会東京支部の2025年11月時点のものを想定しています。

参考:令和7年度保険料額表(令和7年3月分から)|全国健康保険協会

3-1. 健康保険料の計算例

健康保険料は、次の計算式で求められます。

■全国健康保険協会東京支部加入、標準報酬月額が280,000円の場合

※2025年11月時点の保険料率

標準報酬月額280,000円×健康保険料率(9.91%)=27,748円

事業主と従業員負担分は折半のため、そのうちの半分である13,874円が従業員の給与から天引きする健康保険料です。

関連記事:健康保険料はいくら?仕組みや計算方法をくわしく解説!

3-2. 厚生年金保険料の計算例

厚生年金保険料は、次の計算式で求められます。

■全国健康保険協会東京支部加入、標準報酬月額が280,000円の場合

※2025年11月時点の保険料率

標準報酬月額280,000円×厚生年金保険料率(18.300%)=51,240円

事業主と従業員負担分は折半のため、そのうちの半分である25,620円が従業員の給与から天引きする厚生年金保険料です。

関連記事:厚生年金保険料とは?保険料率や計算方法などわかりやすく解説

3-3. 介護保険料の計算例

40歳以上の場合は、健康保険料に加え、介護保険料がかかります。40歳に到達した月から、介護保険料がかかるため、40歳に到達した従業員がいるかを毎月確認しましょう。

介護保険料は、次の計算式で求められます。

■全国健康保険協会東京支部加入、標準報酬月額が280,000円の場合

※2025年11月時点の保険料率

標準報酬月額280,000円×介護保険料率(1.59%)=4,452円

事業主と従業員負担分は折半のため、そのうちの半分である2,226円が従業員の給与から天引きする介護保険料です。

4. 社会保険料の徴収対象者になる条件とは

はてなと吹き出し

社会保険料の徴収対象者となる条件は、適用事業所に雇用されていて、かつ4つの条件に当てはまる従業員です。

社会保険は、事業所単位で加入をします。法人であれば、従業員を1名以上雇用していれば、適用事業所となります。また個人事業所の場合でも、従業員を5名以上雇用していて、一定の業種に当てはまる場合は、適用事業所となり加入が必要です。

参考:適用事業所と被保険者|日本年金機構

この適用事業に雇用されている従業員で、次の4つの条件にあてはまる場合は、社会保険加入となるため、徴収対象者となります。

4-1. 条件1:週の所定労働時間が20時間以上

週の所定労働時間が20時間以上あるかどうかは、労働契約書や就業規則で定められている労働時間を1週間の労働時間に換算し、判断します。

平成28年10月に短時間労働者という被保険者の区分が新しく創設されました。短時間労働者とは、通常の労働者に比べて、所定労働時間が短い労働者のことです。平成28年9月以前は、フルタイムの労働者と比較して所定労働時間が4分の3以上の労働者が社会保険の加入対象者でした。

短時間労働者が社会保険の加入対象となる事業所を「特定適用事業所」といいます。令和6年10月以降は、厚生年金保険の被保険者が51人以上の適用事業所が特定適用事業所となり、週の所定労働時間が20時間以上ある労働者は社会保険の加入対象です。

  • 特定適用事業所(被保険者51人以上):週の所定労働時間が20時間以上で、条件2~4に全て当てはまる場合は加入
  • 特定適用事業所でない場合(被保険者50人以下):週の所定労働時間が、フルタイム労働者の4分の3以上である場合は加入

4-2. 条件2:月給88,000円以上

月給で88,000円以上かどうかの判定には、残業代や賞与などの臨時的に支払われるものや、通勤手当は含みません。時給制の場合は、労働契約で定められている労働時間や労働日数をもとに、月給に換算して判断します。

4-3. 条件3:学生ではない

学生の場合は、他の条件を満たしていても加入対象外となります。ここでいう学生とは、次のようなケースです。

  • 高等学校に通う学生
  • 大学または短期大学に通う学生
  • 専修学校に通う学生

4-4. 条件4:雇用期間が2ヵ月以上見込まれること

雇用期間が2ヵ月以上の場合は、他の要件も満たしていれば加入対象となります。雇用期間が2ヵ月未満であったとしても、次の場合は、2ヵ月以上の雇用期間が見込まれると判断されます。

  • 労働契約書などに「更新される旨」「更新する可能性がある旨」が記載されている
  • 同一の事業所で、同様の仕事をしている労働者について、これまで労働契約が更新された実績がある

4-5. 介護保険料は40歳以上

介護保険料は、満40歳に到達した月から徴収します。満40歳に到達した日とは、民法の解釈にもとづいて、誕生日の前日です。そのため、1日生まれの方は、誕生日月の前月から徴収開始となります。

  • 5月1日生まれ→4月分から徴収開始
  • 5月2日生まれ→5月分から徴収開始

満40歳に到達すると、健康保険料に加え、介護保険料が上乗せされた保険料を天引きします。

関連記事:介護保険料はいつから支払う?開始時期や保険料について解説

5. 社会保険料の計算で注意したい3つのポイント

ポイントのブロック

これまで解説してきたように、社会保険料を正確に把握するためには、加入要件を満たしているか、従業員の年齢、標準報酬月額の改定などさまざまなポイントがあります。どのような点に注意すればよいのかをみていきましょう。

5-1. 加入条件に注意

新しく従業員を雇用した際は、事業所の規模、従業員の契約内容、年齢などをチェックし、加入要件に当てはまる場合は資格取得の手続きをしましょう。資格取得の手続きをすると、日本年金機構や加入している健保組合から資格決定通知書が届きます。

決定通知書に記載されている、標準報酬月額に基づき、各従業員の給与から保険料を天引きします。

加入要件にあてはまっているかどうかは、本記事の4章に記載されている要件をチェックリスト化しておき、順番に確認すると漏れがなく安心です。

5-2. 昇給・降給や手当が発生したときに注意

昇給・降給や手当を新たに追加支給されるケースなど、固定的賃金に変更が生じた場合は、随時改定の対象にあてはまるかの確認が必要です。本記事の2章で解説したように、随時改定は、固定的賃金が変更されてから3ヵ月間の支払額で対象になるかの判定をします。

変更後すぐではないので、賃金の変動があった場合は3ヵ月後の確認を忘れないようにしましょう。

5-3. 社会保険料率の改定に注意

社会保険料率は、定期的に見直しがおこなわれているため、料率の変更がされると天引きされる保険料が全員変更になります。

健康保険料は、毎年3月に見直しがされることがあります。3月分から料率の変更があった場合は、4月支払の給与から健康保険料を変更する必要があります。加入している健保組合から届くお知らせや、ホームページでの案内を確認し、忘れずに反映しましょう。

また、厚生年金保険料率は、現時点では18.300%で固定されています。健康保険料は、加入している健保組合や事業所の場所によって異なりますが、厚生年金保険料は、全国一律です。

6. 社会保険料計算を正確かつ効率的におこなう方法

電卓で計算する

これまで解説したように、社会保険料の計算にはさまざまな要件の確認が必要なため、正確におこなうためには事務的な負荷がかかります。そこで、正確かつ効率的におこなう方法をいくつかご紹介します。

6-1. 社会保険労務士への委託

社会保険労務士は、社会保険だけでなく、雇用保険や労働保険の専門家でもあり、法改正の情報にも精通しています。給与計算だけでなく、労務相談や、社会保険・労働保険の届出も一貫して委託できることがメリットです。

費用は、社会保険労務士事務所によってばらつきがあり、従業員の人数や依頼内容によっては、費用が高額となる場合もあります。業種や規模によって、強みのある社会保険労務士を見極めることが重要です。自社に合った専門家を選ぶことで、給与計算や労務管理の正確性が高まり、社内の人事業務全体の効率化と安心感につながります。

関連記事:社労士に給与計算を依頼するメリットは?相場や税理士との違い・依頼の流れを解説

6-2. システムの活用

自社で、給与計算システムを導入し、計算業務をおこなう方法があります。システムを使わず手計算をおこなうと、どうしても入力ミスなどが発生してしまいます。給与計算システムは自動で計算をしてくれるため、大幅な業務効率化と計算ミスの減少が実現できます。また、多くのシステムは法改正に対応しているため、担当者が自ら情報収集をおこなう手間も省けます。

懸念点は、初期設定に一定の時間と工数がかかることです。また自動化されている反面、操作を間違うと致命的な計算ミスにつながるので、操作マニュアルなどの整備も欠かせません。

運用が軌道に乗れば、社内で給与計算のノウハウが蓄積されるほか、自社で計算していることで従業員からの問い合わせにも迅速に対応できます。この点は、外部委託にはない大きなメリットです。

6-3. アウトソーシングの活用

給与計算専門会社にアウトソーシングするのもひとつの方法です。アウトソーシングは、定型業務を効率的に大量に処理できることが強みです。社内で給与計算の基本的な仕組みが整っている場合や、従業員数が多い場合には、アウトソーシング会社に委託することで大幅な業務効率化が期待できます。

一方で、委託には重要な個人情報を外部に提供する必要があるため、情報漏洩のリスクがあります。また、特殊な計算方法や独自の勤務体系がある場合には、追加料金が発生する可能性がある点も留意が必要です。

7. 社会保険料の計算は慎重かつ丁寧におこなおう

笑顔の女性

給与計算において、社会保険料の正確な把握は会社にとって非常に重要です。健康保険料や厚生年金保険料は、従業員の年齢や労働時間、報酬の額、加入している健康保険組合などによって保険料率や計算方法が異なり、複雑な計算を要します。

さらに、入社時や昇給・降給時、賞与支給時、育児休業後など、さまざまなタイミングで標準報酬月額や標準賞与額の見直しが必要です。その都度正確に計算し、必要な情報を把握しなければなりません。

社会保険料の計算ミスは、従業員の給与支払額や健康保険関係の給付額、将来の年金額に直接影響します。本記事の内容を参考に、自社の規模や従業員数に合った給与計算方法を選び、正確な給与計算と業務効率化を実現しましょう。

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