健康保険料はいくら?会社員やパートの計算・控除方法や手続きを解説! - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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健康保険料はいくら?会社員やパートの計算・控除方法や手続きを解説!

医者が豚の貯金箱を持っている

健康保険料がいくらになるかは、加入する健康保険制度や収入、居住する地域などによって異なります。会社員やパートが加入する健康保険では標準報酬月額と保険料率をもとに保険料を計算します。

本記事では、健康保険料の仕組みや具体的な計算方法をわかりやすく解説します。あわせて、給与計算で健康保険料を扱う際の注意点や、退職後の健康保険への切り替えに関するポイントも紹介します。

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1. 健康保険料はいくら?

スマホを片手に首をかしげている男性

多くの人は会社の健康保険または国民健康保険に加入しています。しかし、健康保険料は収入や加入している健康保険制度、住んでいる地域などによって異なります。

そのため「健康保険料は一律でいくら」と決まっているわけではありません。ただし、加入する制度ごとに計算方法や保険料率などが定められているので、条件がわかれば健康保険料をシミュレーションできます。

1-1. 社会保険加入者(会社員・パート・アルバイトなど)

会社員やパート・アルバイトなどが勤務先を通じて加入する健康保険では、健康保険料は次の計算式で算出します。

健康保険料 = 標準報酬月額 × 健康保険料率

標準報酬月額とは、基本給だけでなく、残業手当や通勤手当などの報酬を合計した「報酬月額」を区分して決めた金額です。

健康保険料率は加入している健康保険によって異なります。協会けんぽの場合は都道府県ごとに保険料率が設定されており、健康保険組合の場合は各組合が定めた保険料率が適用されます。

また、健康保険料は原則として事業主と従業員が折半して負担します。そのため、従業員が負担する健康保険料は、全体の保険料の2分の1が基本です。

【具体例】

月収30万円(※報酬月額も30万円)で協会けんぽ(東京都)に加入している会社員Aさん(30歳)の令和8年度の健康保険料がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。

この場合、標準報酬月額は30万円です。令和8年度の東京都における協会けんぽの健康保険料率は9.85%であるため、健康保険料の総額は次のように計算します。

30万円 × 9.85% = 29,550円

このうち、従業員の負担分は次のとおりです。

29,550円 ÷ 2 = 14,775円

したがって、従業員が毎月負担する健康保険料は14,775円、年間では177,300円(14,775円×12ヵ月)となります。

参考:令和8年度保険料額表|全国健康保険協会

なお、令和8年度からは、健康保険料とあわせて子ども・子育て支援金も徴収・納付する必要があります。子ども・子育て支援金制度の詳細については次の記事をご覧ください。

関連記事:子ども・子育て支援金制度とは?料率と計算方法、対象者をわかりやすく解説

1-2. 社会保険の被扶養者(主婦・学生など)

会社員などの健康保険に加入している人に扶養されている家族は、収入や親族などの基準を満たせば「被扶養者」として健康保険に加入できます。

被扶養者になった家族については、原則として健康保険料の追加負担はありません。つまり、被保険者本人が支払う健康保険料だけで、被扶養者も健康保険の給付を受けられます。

1-3. 国民健康保険加入者(個人事業主・フリーランス・無職の人など)

勤務先の健康保険などの公的医療保険に加入しておらず、他の医療保険の被扶養者にもなっていない人は、原則として国民健康保険に加入します。

国民健康保険料は、自治体によって計算の仕組みや保険料率が異なります。一般的には、前年の所得に応じて計算する「所得割」と、加入者数に応じて計算する「均等割」などを組み合わせて保険料を算定します。

そのため、同じ所得であっても、住んでいる自治体や世帯の加入者数などによって、国民健康保険料は異なる場合があります。

【具体例】

令和7年中の総所得金額等が300万円で、東京都新宿区に住んでいる個人事業主Bさん(30歳・1人世帯)について、令和8年度の国民健康保険料がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。

Bさんの総所得金額等は300万円なので、算定基礎額は次のように計算します。

300万円 - 基礎控除:43万円 = 257万円

この場合、Bさんの令和8年度の国民健康保険料は次のように計算できます。なお、Bさんは30歳のため介護分の対象にはなりません。

医療分 支援金分 子ども・子育て支援金分
均等割額 47,600円 17,600円 1,873円
所得割額 257万円 × 7.51% = 193,007円 257万円 × 2.80% = 71,960円 257万円 × 0.27% = 6,939円
合計 240,607円 89,560円 8,812円

したがって、年間の国民健康保険料は次のとおりです。

医療分:240,607円 + 支援金分:89,560円 + 子ども・子育て支援金分:8,812円 = 338,979円

したがって、Bさんの令和8年度の国民健康保険料は338,979円となります。

※総所得金額等とは、事業所得や給与所得、不動産所得、雑所得などの所得を合計した金額(繰越控除後)を指します。例えば、事業収入が400万円、必要経費が100万円で、ほかに所得がない場合は、基本的に事業所得である300万円が総所得金額等となります。

参考:保険料の計算方法について|新宿区

1-3-1. 国民健康保険組合とは?

国民健康保険組合とは、医師や建設業など、同種の事業や業務に従事する人を対象として設立された医療保険者です。

市区町村が運営する国民健康保険とは別の制度であり、保険料の金額や算定方法も国民健康保険組合ごとに異なります。例えば、所得割を設けず、均等割のみとしている組合もあります。

そのため、個人事業主やフリーランスであっても、業種などの加入条件を満たして国民健康保険組合に加入している場合は、市区町村の国民健康保険とは異なる保険料が適用されます。

1-4. 後期高齢者医療制度の加入者(主に75歳以上の人)

原則として75歳になると、それまで加入していた健康保険から後期高齢者医療制度へ移行します。また、65歳以上75歳未満の人でも、一定の障害について認定を受けた場合は、後期高齢者医療制度の対象となることがあります。

後期高齢者医療制度の保険料は、原則として被保険者一人ひとりについて計算され、所得に応じて負担する「所得割額」と、加入者が定額で負担する「均等割額」を合計して算定します。

保険料率や均等割額は都道府県単位の後期高齢者医療広域連合ごとに定められるため、住んでいる地域によって金額が異なります。

【具体例】

令和7年中の総所得金額等が300万円で、東京都後期高齢者医療広域連合に加入するCさん(75歳)について、令和8年度の保険料がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。

Cさんの総所得金額等は300万円なので、保険料計算のもととなる所得金額は次のように計算します。

300万円 − 基礎控除:43万円 = 257万円

東京都の令和8年度の保険料率などをもとにすると、保険料は次のように計算できます。

医療分 子ども・子育て支援金分
均等割額 53,300円 1,300円
所得割額 257万円 × 9.88% = 253,916円 257万円 × 0.26% = 6,682円
計算上の合計 307,216円 7,982円
100円未満切捨て後 307,200円 7,900円

医療分:307,200円 + 子ども・子育て支援金分7,900円 = 315,100円

したがって、Cさんの令和8年度の年間保険料は315,100円です。

参考:保険料の決め方・賦課|東京都後期高齢者医療広域連合

2. 会社の健康保険料(社会保険料)に関する手続きのポイント

お金を数える人

会社が健康保険料(社会保険料)を適切に処理するには、資格取得・喪失の届出や標準報酬月額の変更などの手続きが欠かせません。ここでは、会社が社会保険料を取り扱う際のポイントを解説します。

2-1. 社会保険の加入・資格喪失手続きが必要

会社は、従業員が社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入要件を満たした場合、資格取得の手続きをおこなう必要があります。

なお、パート・アルバイトなどの短時間労働者については、社会保険の加入要件のうち、賃金要件が2026年10月に撤廃される予定です。また、企業規模要件も段階的に縮小され、社会保険の適用対象となる範囲が拡大されます。

一方、労働条件の変更や退職などによって社会保険の加入要件を満たさなくなった場合は、資格喪失手続きもおこなう必要があります。

このような手続きを適切におこなわないと、社会保険料の徴収額や従業員の年金・医療保険の資格にも影響するため、入社・退職などの際は速やかに対応することが重要です。

参考:社会保険加入の要件|厚生労働省

関連記事:【社会保険の加入手続き】事業所・従業員の加入要件、必要書類、電子申請の流れを解説

2-2. 前月分の保険料を給与から控除して翌月末日までに納付する

社会保険料は、原則として前月分の保険料を翌月に支給する給与から控除する「翌月徴収」が一般的です。また、事業主は従業員負担分と事業主負担分を合わせた社会保険料を、原則として翌月末日までに納付します。

例えば、4月分の社会保険料は5月に支給する給与から控除し、事業主が5月末日までに納付します。ただし、給与からの控除時期は会社の給与規程などによって異なることもあるので、控除月と納付期限を確認しておきましょう。

関連記事:社会保険料の納付方法は?仕組みや納付期限、納付書について解説

2-3. 標準報酬月額の改定手続きが必要

標準報酬月額は、毎年7月におこなわれる「定時決定」によって見直されます。定時決定では、原則として4月・5月・6月に支払った報酬をもとに標準報酬月額を決定し、9月から翌年8月まで適用します。

また、昇給や降給などにより固定的賃金が大きく変動し、その後3ヵ月間の報酬をもとに算定した標準報酬月額が現在のものと2等級以上変わるなど、所定の要件を満たした場合は、月額変更届を提出して標準報酬月額を改定します。これを「随時改定」といいます。

標準報酬月額の改定を適切におこなわないと、健康保険料を過大または過少に算定するおそれがあります。そのため、定時決定や随時改定の対象者を正しく把握し、必要な手続きを適切におこなうことが重要です。

関連記事:社会保険料の定時決定(算定基礎届)とは?対象者や算出方法、手続きの流れを解説

関連記事:社会保険の随時改定とは?条件やタイミング、手続きの注意点をわかりやすく解説

2-4. 40歳以上65歳未満は介護保険料の徴収・納付が必要

40歳以上65歳未満の健康保険の被保険者は、介護保険の第2号被保険者となり、健康保険料とあわせて介護保険料を負担します。会社は、対象となる従業員の給与から介護保険料の本人負担分を控除し、健康保険料などとあわせて納付します。

一方、65歳になると介護保険の第1号被保険者となり、健康保険の介護保険料として給与から控除する仕組みではなくなります。そのため、従業員が40歳または65歳になる際には、介護保険料の徴収開始・終了の時期を確認し、給与計算に適切に反映することが重要です。

関連記事:介護保険料はいつから支払う?計算・納付方法や給与天引きのポイントも解説

2-5. 社会保険料の免除手続きが必要となる場合がある

産前産後休業中や育児休業中は、労使ともに社会保険料の免除が受けられる可能性があります。ただし、会社が日本年金機構(または健康保険組合)に申請手続きをおこなわなければなりません。

このほか、産休・育休から復帰した後に報酬が低下した場合には、標準報酬月額を改定できる制度もあります。さらに、子どもの養育期間中に標準報酬月額が低下した場合、将来の年金額への影響を抑えるための特例も設けられています。

会社は従業員の休業・復職状況や報酬の変動を把握し、社会保険料の免除や標準報酬月額の変更に関する手続きが必要か確認することが重要です。

関連記事:産休中の社会保険免除はいつからいつまで?申請方法から具体例まで解説

関連記事:育児休業中の社会保険料はいつまで免除される?免除期間や申請方法を解説

3. 従業員が退職する際の健康保険料に関する手続きのポイント

必要なお金を計算する

従業員が退職すると、原則として退職日の翌日に勤務先の健康保険の資格を喪失します。

退職後も健康保険の資格を切れ目なく確保するため、退職日の翌日から加入する健康保険について手続きをおこなう必要があります。主な選択肢は次の3つです。

  • 国民健康保険へ加入する
  • 健康保険の任意継続被保険者制度を利用する
  • 家族の健康保険の被扶養者になる

会社は、退職する従業員に対して、退職後に加入できる健康保険の種類や保険料の目安などを案内するとともに、資格喪失に必要な手続きを適切におこなうことが重要です。

3-1. 国民健康保険へ切り替える場合

退職後に他の健康保険へ加入しない場合は、原則として国民健康保険に加入します。加入手続きは、退職後の住所地を管轄する市区町村の窓口などで従業員本人がおこないます。

会社は速やかに健康保険の資格喪失手続きをおこない、従業員から求められた場合は、健康保険資格喪失証明書など、国民健康保険への加入に必要な書類を準備することが重要です。

関連記事:社会保険と国民健康保険の切り替え手続きとは?タイミングや注意点を解説

3-2. 任意継続被保険者制度を利用する場合

退職前に加入していた健康保険を、退職後も継続して利用できる制度が「任意継続被保険者制度」です。

任意継続を利用するには、資格喪失日の前日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あることが必要です。また、退職後は従業員本人が手続きをおこない、資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に申出をする必要があります。

在職中の健康保険料は事業主と従業員が折半して負担するのが原則ですが、任意継続では事業主の負担がなくなり、保険料を本人が全額負担します。そのため、在職中よりも本人の負担額が大きくなる点をあらかじめ退職する従業員に伝えておきましょう。

参考:任意継続の加入条件について|全国健康保険協会

3-3. 家族の健康保険の扶養に入る場合

退職後は、家族が加入している健康保険の被扶養者になる方法もあります。被扶養者として認定されれば、本人が健康保険料を負担する必要がないため保険料の負担を抑えられます。

ただし、被扶養者として認定されるには、年間収入や親族の範囲、生計維持関係など、健康保険上の要件を満たす必要があります。また、認定を受けるためには、原則として被保険者が勤務先を通じて「健康保険被扶養者(異動)届」を提出するなどの手続きが必要です。

参考:従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き|日本年金機構

関連記事:社会保険の扶養の条件や手続きを解説!扶養内におさめる金額や130万円の壁とは

4. 従業員の健康保険料がいくらかを把握して給与計算をしよう

盾のブロック

従業員の健康保険料は、標準報酬月額や加入している健康保険、都道府県などによって異なります。会社は従業員の標準報酬月額と適用される保険料率を確認し、健康保険料を正しく計算したうえで、本人負担分を給与から控除する必要があります。

また、健康保険料は原則として事業主と従業員が折半して負担します。給与計算では、それぞれの負担額を区別して適切に処理することが重要です。

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