休日出勤させて代休なしは違法?割増賃金や振替休日についても解説
更新日: 2026.2.26 公開日: 2021.9.3 jinjer Blog 編集部

急な業務の繁忙やトラブル対応などが発生した場合、やむを得ず休日出勤となるケースは少なくないでしょう。通常なら休みである日に勤務となった際には、当然ながら何かしらの埋め合わせが必要です。
そうした場合に使用者が与えられるのは賃金や代わりの休暇ですが、支給方法については労働基準法で細かく設定されています。規定に沿った正しい運用をしていなければ違法となってしまうため、休日出勤の取り扱いには十分に注意しなければなりません。
そこで今回は、休日出勤をカバーするにあたって代休を取ってもらうケースに注目し、基本として押さえておきたいポイントをご紹介していきます。
人事担当者の皆さまは、労働基準法における休日・休暇のルールを詳細に理解していますか?
従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。
そこで当サイトでは、労働基準法にて定められている内容をもとに、振休や代休など休日を取得させる際のルールを徹底解説した資料を無料で配布しております。
「休日出勤させた際の対応を知りたい」「代休・振休の付与ルールを確認したい」という人事担当者の方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 休日出勤の代休を与えないのは違法?


休日出勤をしても代休を与えない場合、法的な義務があるかどうかが問題になります。ここでは会社の義務や就業規則でどのようにルールが設定されているのかという点をポイントに解説します。
1-1. 代休を取得させなければいけない法律上の義務はない
法律上では企業が従業員に代休を取得させる義務はありません。
ただし、休日出勤をした従業員に代休を取得させることを就業規則や労働契約で取り決めていた場合は、その通りに処理をする必要があります。決まりがない場合は代休を取らせる必要はありませんが、休日出勤は従業員にとって大きな負担になることを考えた配慮が求められます。
トラブルや労使間の軋轢を回避するには、企業は就業規則や社内規定を整備し、代休取得に関するルールを明確にすることが重要です。
1-2. 就業規則で代休取得の権利が認められている場合は違法になる
代休の取得に関してルールが決まっている場合は、その通りに処理をしなければいけないとお話をしました。労働契約または就業規則に代休取得の権利が明示されている場合、これを無視することは従業員とのトラブルに発展する可能性があることを覚えておきましょう。
例えば、従業員の申請があれば代休取得を認める規定がある場合、会社はその申請を不合理に拒否できません。このため、企業の人事担当者やマネージャーは、就業規則や労働契約の内容を細かく確認し、従業員の権利を尊重する運用することが求められます。
1-3. 代休の取得期限はいつまで?
代休の取得期限に法律上の定めはありません。そのため、企業が任意で設定可能です。一般的には休日出勤の翌週や休日出勤から1ヶ月以内といったように、できるだけ早期の取得をルールとしています。
取得期限が長いと労務管理が煩雑になることに加え、従業員の健康にも負担が生まれかねません。これらの観点から、取得期限はできるだけ短く、就業規則に明記して運用するのが望ましいでしょう。
2. そもそも代休とは

代休とは、休日出勤をした代償に以後の労働日を休日出勤の日数分休みにする制度です。
休日出勤をした日より後に取得するものが代休になり、休日出勤よりも前に休みを取得した場合は代休としては取り扱うことができません。例えば、本来は休みである日曜日に出勤し、翌日の月曜日を休みにした場合は月曜日が代休になります。
これを日曜日の前日である土曜日に取得した場合は代休ではありません。「休日出勤分を別日に休む」というだけでは代休に該当するとは限らず、割増賃金の計算にも影響してくるため、正確に理解しておきましょう。
3. 法定休日の労働には休日出勤手当が発生する

一般的に休日出勤とは、法定休日(週1日)に労働することを指します。対して、就業規則などで独自に定めた所定休日の労働を時間外労働とするのが一般的です。もちろん会社としての所定日やシフト休に勤務する場合でも、便宜上、休日出勤と呼ぶこともあるでしょう。
しかし法的観点からは、厳密には法定休日でない日(所定休日)の労働は「時間外労働」として取り扱います。休日出勤や時間外労働が生じた際には、その分については割増賃金を手当として支給しなければなりません。
その一方、場合によっては、休日出勤しても割増賃金が発生しない場合もあります。割増賃金の支払いはトラブルを招きやすいため、正確に把握しておきましょう。
関連記事:休日出勤手当はもらえない場合も?条件や割増率の計算をわかりやすく解説
3-1. 法定休日と所定休日で割増が異なる
休日出勤の割増分を計算する際に気を付けなければならないのが、休日出勤した日が「法定休日」なのか「所定休日」なのかという点です。
なぜならば、それぞれの場合ごとに割増率が異なるためです。区別して把握しておかないと賃金の金額に誤りが生まれて、最悪の場合トラブルの原因になる可能性があります。
なお、時間外労働や休日労働で発生する割増率は以下の通りとなっています。
| 法定時間外労働 | 1.25倍以上 |
| 法定休日労働 | 1.35倍以上 |
| 深夜労働 | 1.25倍以上 |
| 法廷時間外労働+深夜労働 | 1.5倍以上 |
| 休日労働+深夜労働 | 1.6倍以上 |
| 月60時間超の法定時間外労働 | 1.5倍以上 |
| 所定休日労働 | 割増賃金は必要なし |
実働8時間×5日の週休2日制で、土曜を所定休日、日曜を法定休日としている企業を例にとって考えていきましょう。
割増が発生しない例
【パターン1】
平日に6時間×5日労働し、土曜に8時間勤務しました。この週の労働時間は30時間+8時間で38時間となり、所定労働時間を超過していません。
土曜日は所定休日であり、所定休日には割増賃金が発生しないため、休日出勤における割増賃金は適用されません。
時間外労働の割増が発生する例
【パターン2】
平日に8時間×5日労働し、土曜に8時間勤務しました。
この場合も休日出勤は所定休日におこなっているため、割増賃金は適用されません。しかし、金曜の段階で週の労働時間が40時間を超えているため、土曜日の8時間に対して時間外労働における1.25倍の割増賃金が生じます。
休日出勤の割増が発生する例
【パターン3】
平日に6時間×5日労働し、日曜に8時間勤務しました。
日曜日は法定休日に該当し、法定休日に労働をした場合は1.35倍以上の割増賃金が必要になります。つまり、日曜日の8時間の労働に対して休日出勤の割増賃金である1.35倍の支払いが必要です。
時間外労働・休日出勤共に割増が発生する例
【パターン4】
平日に8時間×5日労働し、土曜・日曜の両日にそれぞれ6時間勤務しました。
この場合は、土曜の6時間は労働基準法の法定外労働(週40時間超過)分となるため、追加支給するのは時間外労働における1.25倍の割増賃金です。加えて日曜分は、休日出勤における割増賃金1.35倍の割増賃金が生じます。
4. 休日出勤を代休や振替休日で相殺できる?


休日出勤をした場合でも、その後に休みを取らせれば従業員が取得できる休日の日数には違いがありません。相殺する形で代休や振替休日を取得させた場合は、割増賃金はどうなるのか考えていきましょう。
4-1. 割増賃金は支払わなくてはならない
基本的に代休とは休日出勤が生じた「事後」に与える休日を指し、なおかつ割増賃金の手当も支払わなければならない休日の取り方です。
要するに急な休日出勤をさせてから、後日に「代休を与えたから手当は支給しない」といった手続きはできません。そのため、代休の場合は相殺することはできず、割増賃金の支払いが必要です。
4-2. 労働日のみの相殺は可能
代休では相殺ができないとお話をしました。しかし、代休の場合でも勤務するはずだった労働日分は相殺となり、割増分のみ支払うことは認められています。労働日を入れ替えて、本来の法定休日であった日の労働時間に対して割増賃金のみを支払うという形です。この方法であれば、従業員は休日労働の割り増し分を受け取れるため、違法にもなりません。
なお、振替休日にする場合は、振替休日の代わりに働く日は法定休日から労働日に変化します。
4-3. 振替休日は割増賃金が発生しない
ここまで代休の話を中心にしてきましたが、振替休日の場合は取り扱いが異なります。振替休日の場合は割増賃金が発生しません。
振替休日を取ったうえで休日に働いた場合は、労働した日の賃金は発生しますが、振替休日とされた日に支給する賃金を控除できます。そのため、実質的には相殺することも可能になります。
代休と休日出勤の違いを改めて確認しておきましょう。
休日出勤より事前に休みが決まっているか否かで異なる
両者の違いは、該当の休日出勤日までに休みの日が決まっているか、決まっていないか、という点にあります。
休みの日が休日出勤する日までに決まっている場合は振替休日となり、休みの日が休日出勤する日までに決まっていない日が代休になります。このように事後と事前ではルールが大きく異なるため、注意しておきましょう。
当サイトでは、休日労働させた場合の割増賃金の計算方法をまとめた資料を無料で配布しております。また、定義や使い分けなども解説しているため、代休と振替休日について不安なことがある担当者様は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
【関連記事】代休の定義や振休との違い・運用のポイントを詳しく解説
代休は時間単位での取得が可能
代休は1日単位でなく、時間単位や半日単位で取得できるよう就業規則で定めることで可能です。
一方で、振替休日は労働契約上特定されている休日を他の日に変更する方法で、時間単位や半日単位での付与では休日を与えたことにならないため時間単位での取得は認められていません。
休日出勤をした従業員が1日代休を取るのが難しい場合、半日ずつにわけて取得させても問題ありません。
また、休日出勤した日の労働時間が8時間に満たなかった場合、代休は取れるのでしょうか?ミーティングのみ参加のような短時間の休日出勤をした場合、その時間分の代休を付与することも可能で、違法性もありません。
5. 休日出勤や代休の管理おいて法律違反になるケース


正しく休日出勤や代休の運用をし、法令を遵守するためには法律違反になるケースを理解しておく必要があります。該当する部分がないか、チェックしておきましょう。
5-1. 割増賃金が正しく支払われていない
休日出勤に対する割増賃金が正しく支払われていない場合、労働基準法違反となります。特に法定休日に労働した際には、通常の賃金の35%以上の割増賃金が求められます。
この割増賃金が未払いであると、従業員は会社に対して未払い賃金の支払いを請求する権利があります。適正な管理と賃金の支払いは、法的リスクを避け、社員との信頼関係を築くことに繋がるため適切に対応しましょう。
5-2. 36協定の締結範囲を超えた休日出勤命令
36協定で定められた範囲を超えて休日出勤を命じることは、労働基準法違反となります(労働基準法第36条)。法定休日における労働は原則禁止されており、6ヵ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科される可能性があります。過剰な休日出勤は従業員の健康に悪影響を及ぼすため、36協定の内容を厳守することが重要です。
例外として、36協定が締結されている場合、定められた範囲内での休日出勤は認められますが、このルールを超えた命令は違法です。したがって、企業は厳密な休日出勤管理と代休付与を徹底し、法令遵守を図る必要があります。
5-3. ルールを設定せず代休の取得を強制する
就業規則や労働契約に代休の取得を強制するルールがない場合、企業が従業員に強制的に代休を取得させる行為は法律違反となる可能性が高いです。
企業の人事担当者やマネージャーは、これを防ぐために、就業規則や労働契約に明確なルールを設定し、従業員に周知徹底することが求められます。これにより、法的リスクを避けるだけでなく、従業員の信頼と働きやすい環境を築くことができます。
5-4. 就業規則への記載なしに代休を有給休暇に変更する
代休を有給休暇に変更したり、有給休暇を代休に変更したりする行為は、それ自体に違法性はありません。
しかし、企業における休日出勤や代休の管理に関する重要事項として、就業規則に明示されていない代休を有給休暇に変更することは、法的に問題があります。原則として就業規則に明示せず、企業が労働者の有給休暇を使用する行為は権利侵害にあたり、違法行為となるため、変更は慎重におこなう必要があります。有給休暇の取得を拒否し、強制的に代休とする行為も同様に違法です。
5-5. 休日出勤手当を払えば代休なしでも違法ではない?
休日出勤手当を支払った場合、代休の取得を希望しない従業員がいた場合、許可していいのでしょうか?
代休を取得することに関しては法律上で定めがないため、取得しなくても違法にはなりません。
ただし代休を取得しなかったことで、労働基準法第35条で定められている「毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日」に反してしまった場合は違法性を問われる可能性があります。
もし労働者が代休の取得を拒否してきた場合は、労働基準法第35条に違反していないか確認しましょう。労働基準法第35条に違反している場合は、法定休日を確保するための措置を検討する必要があります。
関連記事:労働基準法に定められた休日とは?そのルールを分かりやすく解説
5-6. 36協定がない状態で休日出勤を命じるのは違法?
36協定(時間外・休日労働に関する協定)を締結していない状態で、法定休日に労働を命じることは違法です。これは労働基準法第35条で定められた「週1日の休日」の原則に反するためです。
36協定は、企業が従業員に時間外労働や休日労働をさせる際に、労働組合または労働者の過半数代表者との間で締結し、労働基準監督署に届け出る義務があります。
6. 休日出勤手当の計算方法

先ほども出てきたように、通常は代休を取得してもらったとしても、休日出勤分の手当は必ず支給する必要があります。
では実際に休日出勤手当を支払う場合における、具体的な金額の計算方法を見ていきましょう。
6-1. 所定賃金を計算する
割増賃金は時間単位で計算する必要があります。そのため、まずは該当する従業員の時間単価の所定賃金を算出しましょう。
例えば月給制の社員であれば、1ヶ月の所定労働時間(年間平均)で割った金額です。仮に月給25万2000円・1ヶ月の所定労働時間168時間だとすると、1時間あたりの所定賃金は1,500円です。
休日出勤手当や時間外手当を計算する際は、この所定賃金を元に以下の計算を続けていきます。
6-2. 労働時間を集計し乗じる
この社員が法定休日であるはずの日に8時間労働すれば、1,500円×8時間に休日出勤分の手当(1.35倍以上)を乗じた金額が休日出勤手当になります。
1,500円×8時間×1.35=1万6,200円
となり、1万6,200円以上を休日出勤手当として支給しなければなりません。
なお代休を取得させた場合には通常勤務分は相殺できるため、割増分の4,200円以上の支払いをする形になります。
6-3. 時間外労働に該当するか確認する
当該社員が振替休日を取得し、法定休日に8時間労働して週40時間を超えた勤務になった場合、休日出勤手当は発生しません。しかし、時間外労働の割増分のみは支払い義務があるため、1,500円×0.25倍×超過時間分の賃金が発生します。
しかし、どのような状況下でも深夜労働に対する手当は発生するため、法定休日で深夜に労働した際には、休日出勤の割増率に上乗せします。
それぞれ法定基準の最小ラインで設定しているのであれば、休日出勤+深夜勤務になったら「×1.6」が割増率です。
【関連記事】割増賃金の基礎となる賃金とは?計算方法など基本を解説
6-4. 具体的なケースで学ぶ休日出勤手当の計算例
休日出勤手当は、労働基準法に基づき、通常賃金の35%以上の割増率で計算されます。この手当は、時給制か月給制かによって計算の仕方が少し異なります。
時給制の労働者が法定休日に働いた場合、計算はシンプルです。例えば、時給2,000円の従業員が休日に8時間労働したとします。この場合、時給に割増率(35%)と労働時間を掛けて計算します。
- 計算式: 時給 × 1.35 × 労働時間
- 計算例: 2,000円 × 1.35 × 8時間 = 21,600円
一方、月給制の場合、まず月給を時給に換算する必要があります。一般的に、月給をその月の平均所定労働時間で割って時給を算出します。仮に月給30万円、月平均所定労働時間を160時間として計算してみましょう。
- 時給換算: 300,000円 ÷ 160時間 = 1,875円
- 手当計算: 1,875円 × 1.35 × 8時間 = 20,250円
このように、月給制の場合でも、時給に換算してから同じ計算式を適用することで、休日出勤手当の額を正確に算出することができます。
7. 月60時間を超える残業は例外的に休暇とすることが可能

原則として時間外労働の割増率は1.25倍の規定がありますが、月60時間を超えた分は、例外的に1.5倍に引き上げられます。
これに伴って月60時間を超過した分の時間外労働については、一部割増賃金の代わりに有給休暇とすることが可能で、代替休暇と呼ばれる制度です。
休暇に換算できる時間は、以下の計算で算出します。
(月60時間を超えた時間数)×(換算率)
換算率は、「60時間超の割増率」から「本来支払うべき割増率(1.25倍など)」を差し引いた数字です。 つまり、1.5倍(月60時間を超えた場合の割増率)から1.25倍(時間外労働の割増率)を引いた0.25が換算率です。
例えば、月80時間の残業(60時間超過分が20時間)が発生し、換算率が0.25の場合、「20時間×0.25=5時間」分の休暇を付与でき、その分の割増賃金の支払いは不要となります。
関連記事:休日出勤を振替休日ではなく有給取得に変更できるケースとは
参考:月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません|厚生労働省
8. 休日出勤や代休を運用する際の注意点

休日出勤や代休には数々の細かな規定がありますが、的確な方法で運用していかないと従業員とのトラブルが起きる可能性もあります。
では実際にどのような部分に注意しておくべきなのか、以下から詳しくみていきましょう。
8-1. 休日出勤や代休のルールは従業員に広く周知する
従業員が休日出勤や代休のルールを把握していないと、認識の齟齬によってトラブルになるケースが考えられます。
特に代休と振替休日との違いや法定休日と所定休日の取り扱いなど、法律としての規定が非常にややこしい部分も少なくありません。
振替休日は就業規則に記入しないといけないという決まりもあるため、従業員の入社時や更新時など、振替休日と代休の違いは定期的に伝えるようにしましょう。
当サイトでは、振替休日と代休の違いについてまとめた資料を無料で配布しております。休日と休暇の違いから解説しておりますので、従業員に説明する際のわかりやすい資料をお探しの方や、休日出勤時の対応について正しく理解したい方は、こちらから「休日・休暇ルールBOOK」をダウンロードしてご覧ください。
8-2. 36協定を締結する
休日労働や時間外労働をする場合、まず36協定を締結することが必要です。これにより、法的に許容される範囲内での労働が可能となります。しかし、36協定の上限を超えて会社が従業員に休日出勤を命じることは労働基準法違反となります。
過剰な休日出勤は従業員の健康に悪影響を与えかねないため、適切な管理が求められます。企業の人事担当者やマネージャーは、休暇の適切な代替措置を講じることで、従業員の労働環境を守り、法令遵守を徹底する必要があります。
参考:36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針|厚生労働省
8-3. 従業員に強制してはならない
36協定の締結や就業規則等に規定がある場合、会社側から休日出勤や残業を命じることは可能です。しかし、従うかどうかは従業員が決める部分であり、会社側が強制するものではありません。
同様に月60時間超過分の代替休暇についても、労働者の意思にもとづいて決定するものです。
割増賃金によって支給してほしいとの意向があれば、それを汲んだ対応をする必要があります。当然ながら、いずれも拒否したからといってペナルティを科すなどの行為は禁止です。
8-4. 管理職は代休取得に注意
労働基準法第41条では、管理監督者の休日について以下のように定めています。
第41条
この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
引用:e-Gov|労働基準法
この規定により、管理監督者は労働基準法第35条に規定されている「法定休日」の適用が除外されます。
第35条
使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
引用:労働基準法|e-Gov
つまり、上記の2つの法律を要約すると、管理監督者にあたる従業員は業務の遂行に支障がない範囲であれば自身の裁量で休日取得ができるため、法定休日を取得しなくても問題ない、と捉えられます。
管理監督者に該当する要件がいくつかあります。
法律上の定めでは管理職が代休を取得できなくても違法にはならず、休日出勤の手当を支払う必要もありません。とはいえ、働きやすさや健康を配慮し、適切に休暇をとらせた方がいいでしょう。
また、あらかじめ就業規則上で管理職の代休取得について定めている場合もあるため、まずは就業規則を確認しましょう。
関連記事:労働基準法第41条に基づく適用除外の項目と該当者について解説
9. 休日出勤・代休には正しい割増賃金の支払を!

代休は振替休日とは異なり、法定休日における出勤でも所定休日での勤務でも、必ず割増賃金は手当として支払わなければなりません。代休は休日出勤手当の代わりにはできないので、まずはこの点を覚えておくと良いでしょう。
また例外的に、一部の時間外労働については代替休暇とすることも可能です。いずれにしてもこれらの規定は労働者の権利であり、各従業員にもしっかりと把握してもらう必要があります。
ぜひ一度、本記事を参考に、就業規則を見直してみてください。
【関連記事】休日出勤は残業に含まれる?残業時間の数え方と賃金計算方法
【関連記事】休日出勤の振替休日は強制できない?割増賃金が必要?運用ルールの注意点



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