タイムカードを紛失した場合の対策とは?罰則や勤怠記録の残し方も解説
更新日: 2024.11.20
公開日: 2022.2.6
OHSUGI
タイムカードの作成は義務ではありませんが、労働時間の把握は労働基準法108条で義務付けられています。仮に違反した場合は、労働基準法120条によって30万円の罰金が科されるため注意が必要です。
今回は、タイムカードを紛失した場合の対策や罰則に繋がるケースを詳しくご紹介します。また、タイムカードの紛失に備えて勤怠記録の残し方、相談先について解説しています。タイムカードに代わる勤怠記録の残し方を検討中の方もぜひご覧ください。
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タイムカードや出勤簿を使って手作業で労働時間を集計している場合、記入漏れや打刻ミスの確認に時間がかかったり、計算ミスやExcelへの転記ミスが発生したりと、工数がかかる上にミスが発生しやすいなどお悩みはありませんか?
そこで、解決策の一つとして注目されているのが勤怠管理システムです。 勤怠管理システムの導入を検討することで、 ・自社にあった打刻方法を選択でき、打刻漏れを減らせる ・締め作業はワンクリックで、自動集計されるので労働時間の計算工数がゼロに ・ワンクリックで給与計算ソフトに連携できる など、人事担当者様の工数削減につながります。
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目次
1. タイムカードを紛失した場合の対策とは?
タイムカードを紛失した場合は賃金を計算する方法がなくなると考えますが、労働時間を証明するものはタイムカード以外にもあります。まずは、タイムカードを紛失した場合の対策方法をご紹介します。
1-1. タイムカードの代わりになるものを探す
タイムカードの代わりとして、以下のもので代用できます。
- Excelで管理している勤怠記録
- 入退館記録
- シフト表
- パソコンの起動時間
- メールやチャットの送信履歴
- 残業指示書
- 家族や他の従業員からの証言
手続きで労働時間を証明する必要がある場合でも、理由を説明し、真摯に対応すれば応じてもらえる場合があります。タイムカードを紛失した場合には、以上の代わりになる物を応用し、普段から勤務に関する記録はこまめに記録・保存するように心がけるのが大切です。
1-2. 従業員にペナルティを科す
タイムカードを紛失してしまった従業員にペナルティを科して、再発防止を促すことも効果的です。なお、タイムカードを紛失したことへのペナルティは始末書程度に留めましょう。
2. タイムカードを紛失が罰則に繋がるケースもある
タイムカードを紛失してしまい、労働時間を把握できるものがなくなってしまうと、労働安全衛生法66条8の3「労働時間の把握義務」に反してしまいます。この法律に罰則はありませんが、労働基準法第109条ではタイムカードを含めた労働に関する重要な書類を5年保存(当分の間は3年)することを定めており、違反すると30万円以下の罰金刑となります。
さらに、タイムカードは従業員の労働時間を正確に記録し、相応の賃金を支払うためのものなので、タイムカードを紛失すると賃金台帳を調製できなかったり、賃金が正しく支払われなかったとして裁判に発展したりする可能性もあります。
賃金台帳の調製も労働基準法第108条に定められた義務であり、違反すると30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
また、実際に賃金の支払いについて裁判で争った例では、タイムカードに打刻された時刻を出勤・退勤の記録として、有力な証拠になるとしています。
「残業代を支払いたくない」「賃金が支払えないからタイムカードを紛失した」など故意の理由でなくても、働いた時間分の賃金が貰えなかったとしてトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
3. タイムカードを紛失しないための保管方法
タイムカードは保管が義務付けられていて、紛失した場合は罰金を科せられるかもしれません。
そのため、次のようなポイントを押さえて、適切に保管しましょう。
- 年月ごとにまとめておく
- 専用の保管ボックスにしまっておく
3-1. 年月ごとにまとめておく
タイムカードは年月ごとにまとめて保管しておきましょう。タイムカードは労働基準監督署による監査の際に提出を求められることがあります。この際は年月ごとに提出するのが一般的です。そのため、日ごろからタイムカードは年月ごとにまとめて保管しておきましょう。
もしも労働基準監督署にタイムカードの提出を求められた際、慌てて年月ごとに整理すると紛失につながる可能性があります。
3-2. 専用の保管ボックスにしまっておく
タイムカードを保管する際は専用のボックスを活用しましょう。タイムカードは日焼けやインクの薄れなど、保管状態によって劣化します。少しでも劣化を抑えるために、専用の保管ボックスにしまっておくのがおすすめです。
なかにはタイムカードを輪ゴムやクリップなどでまとめてるケースがあります。しかし、輪ゴムやクリップはタイムカードを痛めてしまう可能性があるため、保管の際に使用するのは控えましょう。
4. タイムカードに代わる勤怠記録の残し方
先ほども少し触れたとおり、全ての企業がタイムカードによって労働時間を管理しなければならないわけではありません。従って、労働時間を正しく管理できればタイムカード以外の方法でも使用可能。ただし、労働基準法109条に則って、労働時間を記録する賃金台帳も5年間保存(当分の間は3年)する必要があるため、保存できるツールでの管理がポイントです。
具体的には
- パソコンのログイン・ログアウト記録
- ICカードによる入退館履歴
- 勤怠管理アプリ
などがあります。
厚生労働省が定める労働時間の適正な把握に関するガイドラインには、「使用者が、自ら現認することにより確認すること」「タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適切に記録すること」と記載があります。
一方で、自己申告で管理をおこなう方法もありますが、ガイドラインにはやむを得ずと記載があるので、できるだけ避けましょう。万が一自己申告をおこなう場合は、パソコンの使用履歴や入退館履歴と照らし合わせ、正しく申告されているか確認しなければなりません。
また、賃金台帳は労働者ごとに、
- 労働日数
- 労働時間数
- 休日労働時間数
- 時間外労働時間数
- 深夜労働時間数
を項目ごとに分けて記入しなければなりません。
ICカードで管理をおこなった場合、休日分野残業代は分けて記録する必要があるため、労働時間を管理する従業員の負担が増加する可能性があります。
参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|厚生労働省
関連記事:タイムカードからICカード打刻による勤怠管理にかえるメリットとは?
5. タイムカード以外で勤怠記録を残すなら勤怠管理システムの導入がおすすめ
勤怠管理システムなら大元のデータを紛失しなければ、労働時間の記録を失うことがありません。しかも、最近ではクラウドを使って障害対策をおこなっていることが多いため、不測の事態にも備えられます。
また、勤怠管理システムなら労働者ごとに記録をまとめたり、項目ごとにデータを整理したり、ファイルを管理したり、労働時間を管理する手間が軽減できます。さらに、システムによっては残業時間を計算して労働時間の超過を通知する機能も搭載されています。
労働時間の管理に手間取っている方は、人間の入力ミスによる間違いが発生しにくく、紛失する可能性も少ない勤務管理システムの導入を検討するのがおすすめです。
関連記事:タイムカードはもう不要?GPSで打刻できる勤怠管理システムとは
5-1. 勤怠管理システムはリアルタイムで従業員の勤怠情報を確認可能
勤怠管理システムは従業員の勤怠情報が自動で更新されます。そのため、リアルタイムで従業員の勤怠情報を確認可能です。例えば従業員のうち誰が
時間外労働の原則上限である月45時間、年360時間に達しそうかを逐一確認できます。従業員の時間外労働の時間をリアルタイムで把握できれば、過度な残業を是正するマネジメントにつなげられます。
5-2. 有給休暇取得義務への対応
従業員のなかでも年に10日以上の有給休暇が付与されている場合は、5日の有給休暇取得が義務付けられています。タイムカードでの勤怠管理は、誰が有給休暇を5日取得しているかが分かりにくい傾向にあります。
一方、勤怠管理システムのなかには有給休暇の管理も可能なシステムがあります。有給休暇の管理もできるシステムであれば、取得義務を満たしていない従業員はもちろん、管理者にもシステム上でアラートを発することが可能です。
6. タイムカードを紛失した場合は入退館記録やパソコンの起動記録でも代替可能!紛失に備えて勤怠管理システムの導入がおすすめ
タイムカードは労働時間を管理し、適切な賃金を支払うためには欠かせません。しかし、紙でタイムカードを打刻し、管理している場合はタイムカードごと紛失してしまう可能性があります。タイムカードがないこと自体は法律違反ではありませんが、労働時間を正しく記録できていないことに対しては30万円以下の罰金が科されます。
また、タイムカード以外にもICカードの入退館記録やパソコンの起動履歴から労働時間を確認する方法もありますが、残業時間や休日労働時間を別で管理しにくいため、勤怠管理システムの導入がおすすめです。
勤怠管理システムの機能によっては労働時間を管理するだけでなく、整理整頓を自動でこなし、法定の残業時間超過を通知する機能もあります。また、バックアップすることでデータの紛失に備えているため、紛失しにくいのもポイントです。ぜひ検討してみてください。
関連記事:勤怠管理システムを導入する目的とは?メリット・デメリットも確認
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