今から始める、経費精算のペーパーレス化!やり方と導入方法を徹底解説
更新日: 2024.10.10
公開日: 2020.10.7
jinjer Blog 編集部
経費処理をペーパーレス化すると、経費精算の作業量が少なくなり経理担当者の負担も軽くなります。
ほかにも多くのメリットがあるため、経費処理のペーパーレス化を検討している企業も少なくありません。
ここでは、経費処理のペーパーレス化の現状を解説いたします。
目次
「経理担当者になってまだ日が浅いため、基本知識をしっかりつけたい!」
「法改正に関する情報収集が大変で、しっかりと対応できているか不安・・・」
「仕訳や勘定科目など、基本的なこともついうっかり間違えてしまうことがある」などなど日々の経理業務に関して不安になることはありませんか?
特に経費精算は毎月頻繁に発生する経理業務ですが、細かいルールや規定があり、注意が必要です。また直近の電子帳簿保存法やインボイス制度など毎年のように行われる法改正に対して、情報を収集し適切に理解する必要があります。
そこで今回は、仕訳や勘定科目などの基礎知識から、経理担当者なら知っておきたい法律知識などを網羅的にまとめた資料をご用意しました。
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1. 経費処理のペーパーレスはここまで進んでいる
1990年代、パソコンが企業や一般家庭に広く普及しました。それに伴い、今まで紙と手計算が中心だった経理業務も、電子データでの書類のやり取りや計算ソフトの活用が増えていきます。このような技術の進歩と業務の見直しに対応すべく、1998年に電子帳簿保存法が制定されました。
制定から約25年、複数回の改正を経て、経理書類のペーパーレス化をすすめるハードルは下がっています。
電子帳簿保存法改正前は、ペーパーレス化できなかった3万円以上の領収書や契約書も対象書類となり、現在ではすべての領収書・契約書を電子化することが認められるようになりました。
加えて電子署名が不要となり、スマートフォンやデジカメで撮影した領収書でも保存可能となっています。
こうして、より多くの企業が経費処理のペーパーレス化を進めるための土壌が整ってきたのです。
関連記事:交通費精算のDXとは?注意点や導入時のポイントを解説
1-1. ペーパーレス化した際の経費精算はどのようにおこなわれるのか
ペーパーレス化した経費処理の流れを見ていきましょう。
基本的な流れは以下のとおりです。
- オンラインで申請書を作成する
- 部門長へ確認・承認依頼の通知が飛ぶ
- 回覧後、経理担当者に情報が送られる
- 経費処理が完了した申請書を保管する
それぞれ、詳しく解説します。
①オンラインで申請書を作成する
クラウドにある経費精算システムにアクセスし、領収書をアップロードするとともに経費の申請書の作成をおこないます。
この時点で入力内容に誤りがあると、手続きを進めることができないので誤入力に気づくことができるでしょう。
②部門長へ確認・承認依頼の通知が飛ぶ
社員は上司の承認印をもらうために帰社する必要がなく、どこからでも経費精算申請の承認依頼をおこなうことができます。
同様に上司はどこにいても経費精算の申請を承認することができます。
③回覧後、経理担当者に情報が送られる
承認された経費精算の申請を受けた経理担当者は、電子化された領収書と申請内容に誤りがないかをチェックし、自動で仕訳やFBデータの作成をシステム内でおこないます。
経費処理をペーパーレスにすると、経費精算の申請書、領収書をすべて電子化できます。そのため、社員・上司・経理担当者それぞれの負担を大幅に削減できるでしょう。
④経費処理が完了した申請書を保管する
経費精算の処理が完了した申請書は、電子データでシステムやダウンロードファイルなどで保管します。書類の保管期間は原則7年間です。該当年度に欠損金(赤字)が生じた場合は10年に延長されるため、誤って削除しないように注意しましょう。
電子化して管理することで申請時のミスや不正も軽減され、経費精算の業務負担を大きく改善できます。当サイトでは、「実際のシステム導入イメージをみてみたい」という方に向けた資料も用意しているので、気になる方はこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。
2. 紙ベースの経費精算で生じる課題
経理担当者が「面倒」と感じる業務は、紙ベースでの管理が原因で発生していることが多いです。
ここでは、経理担当者が面倒に感じる理由や業務上の課題について解説します。
2-1. 書類の印刷費や管理コストがかかる
紙で経費精算をおこなうことで、申請書類の印刷費が発生します。
特に、営業職が多い会社は毎月多くの交通費申請をおこなうため、その都度申請書類を印刷していたら、印刷費は高くなってしまいます。
また、経費精算関連書類は保管義務があるため、保管するスペースやコストもかかります。領収書や請求書の保管や管理が面倒だと感じたことのある経理担当者も多いのではないでしょうか。
交通費精算で必要な書類やルールは下記の記事で解説しています。詳しく確認したい方は合わせてご確認ください。
関連記事:交通費精算とは?精算書の書き方やルールをくわしく解説
2-2. ミスが多くなる
紙ベースでの申請では、申請者が申請書に手作業で記入するため、ミスが起きやすいです。
結果的に承認者の確認に時間がかかったり、何度も差し戻しが発生したりと、ミスが多くなることでさまざまな業務に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
2-3. 経費処理に遅れが発生しやすい
紙で経費精算をおこなうと、交通費を調べたり、申請書に手書きで記入したりと、手間のかかる作業が多くなります。
すると、従業員は経費精算に対してあまり良い印象を抱かなくなり、経費精算を後回しにしてしまう可能性が出てきます。
また、承認者も確認項目が多く、通常業務の合間を縫って承認作業をおこなわなければならないため、ついつい後回しになってしまうでしょう。
このように、紙での経費精算は経費精算業務を面倒にするいくつかの原因となっているのです。
関連記事:経費精算がめんどくさい!経費精算の課題と具体的な解決策とは
3. 経費処理をペーパーレス化するメリットと注意点
経費処理をペーパーレス化することは、申請者・承認者・管理者それぞれに多くのメリットがあります。その反面、ペーパーレス化を急いで進めてしまうと、かえって業務効率を下げてしまう可能性もあります。
ここでは、紙ベースの経費精算の課題に沿ってメリットと注意点を解説します。
3-1. ペーパーレス化のメリット
ペーパーレス化を進める主なメリットは以下の3点です
- 印刷費や管理コストの削減
- 入力や計算のミスを減らせる
- オンラインで全ての業務を完結できる
それぞれ詳しく解説します。
3-1-1. コストの削減
経費管理をペーパーレス化することで、今までかかっていた印刷費を削減することができます。
また、領収書や申請書などを管理するスペースも必要がなくなります。
ペーパーレス化することによって、経理担当者の業務が効率化するだけでなく、大幅にコストカットをすることも可能なのです。
3-1-2. 入力や計算ミスを減らせる
経費精算システムで申請書の作成から処理までの一連の流れをシステム化することで、書類内容のミスを大幅に削減することができます。
申請書には必須項目を設定することができるため、記入漏れを防止することができます。
また、交通費を自動で計算してくれたり、定期区間金額を自動で控除してくれたりと、経費精算システムにはミスが起きない環境を整えるために必要な機能が搭載されております。
ミスが起きない環境であれば、承認者の確認作業に時間はかかりませんし、差し戻しも最低限に抑えることができるでしょう。
3-1-3. オンラインで全て完結できる
経費精算システムで経費処理をペーパーレス化することで、申請者は場所を選ばず申請書を作成して承認依頼をすることができます。
承認者も同様に、外出先や空いた時間にボタン一つで承認作業をおこなうことができるため、歩留まりが解消されます。
経理担当者は経費申請の遅れがなくなることによって、より円滑に経費精算業務をおこなえるようになるでしょう。
関連記事:経費処理の重要性や効率的におこなうための5つのポイント
3-2. ペーパーレス化を進める注意点
経費処理をペーパーレス化することには多くのメリットがありますが、注意点もいくつかあります。
ここでは以下の3つの注意点を解説いたします。
- 社員の教育が必要
- セキュリティ対策を万全にする
- 保存要件を満たす必要がある
3-2-1. 社員の教育が必要
経費処理のペーパーレス化にすぐ対応できる社員がいる一方、なかなか慣れない社員がいることも予想できます。
そのため、経費精算システム導入の直後は、社員に使い方を教える必要があります。
スマートフォンやタブレットにある程度慣れている世代もあれば、パソコンを使うのが得意ではないという世代の社員もいます。世代や電子機器に対する理解度に合わせた教育が必要です。
ただシステムを導入するだけでなく、ルールの周知や使い方の指導などをきちんとおこなえば、最大限の効果を得られるでしょう。
3-2-2. セキュリティ対策を万全にする
経費処理をペーパーレス化すると、課題として浮かび上がるのがセキュリティの問題です。クラウド型の経費精算システムを導入したり、電子データをクラウド上に保存したりしている場合には、情報漏洩の恐れがあります。
とくに個人名や企業名、住所、電話番号といった個人情報の漏洩は企業の信頼を失墜させる恐れがあるため、なんとしても避けなければなりません。
経費処理のペーパーレス化を進める段階で、どのようなセキュリティ対策をおこなうかを含めて、社内で話し合う必要があるでしょう。もちろんセキュリティ対策に関しては、経費精算を申請する営業部や開発部、経費処理をおこなう経理部以外の協力も必要となります。
システムの担当やセキュリティ担当などを含めたプロジェクトチームを作る、外部にセキュリティ対策を委託するなどの方法を検討できるかもしれません。
3-2-3. 保存要件を満たす必要がある
業務で使用する書類の保管方法は「e-文書法」「電子帳簿保存法」などで定められています。業務を大幅に効率化させることができたとしても、法令違反をしていれば、罰則を科せられたり、信用低下に繋がったりする恐れがあります。
特に電子帳簿保存法は、国税関係帳簿や書類を電子保存するための要件をまとめているため、確認するようにしましょう。
当サイトでは「領収書の電子化ガイドブック」という資料を無料配布しております。本資料では、ペーパーレス化するにあたって領収書を電子化する際の手順や注意点はもちろん、電子帳簿保存法などの法改正に関しても詳細に紹介しており、問題なくペーパーレス化を進めたいと考えている担当者にとっては大変参考になる内容となっています。興味のある方はこちらから無料でダウンロードしてご覧ください。
4. 経費処理のペーパーレス化を進める方法
経理処理のペーパーレス化を進めるためには、いくつかのステップを踏まなければなりません。
多くの企業で経費処理のペーパーレス化が試みられていますが、すべての企業が成功しているわけではありません。
ペーパーレス化するメリットを最大限に得るためには、必要な準備をどれだけしっかりおこなうかが重要となります。
では経費処理をペーパーレスにする方法を見ていきましょう。
経理処理に必須となる領収書を電子化する方法は、下記の記事でも解説しています。より詳しく知りたい方はご覧ください。
関連記事:経費精算で領収書を電子化する方法は?法律や疑問点をくわしく解説
4-1. 経費精算システムを導入
まず経費処理のペーパーレス化の第一段階は、経費精算システムを導入することです。経費精算システムを導入すれば、かなりの業務をペーパーレスにできるでしょう。
社員はわざわざ会社に戻って書類を作る必要がなくなるので、より重要な業務に注意を集中することができるでしょう。
一方で、経理担当者はシステムに入力された情報と領収書に誤りがないかをチェックするだけなので、こちらも負担が軽くなります。
申請に間違いがあっても、わざわざ出向いて修正をお願いする必要はありません。
経費精算の処理がスピードアップするのも経費精算システム導入のよい点です。
システム導入にはかなりの費用がかかる場合もありますが、得られる効果も大きいため検討に値するといえるでしょう。
関連記事:経費精算システムのメリット・デメリット・選び方をまとめて解説!
4-2. 電子帳簿保存法に対応することでよりペーパーレスを進める
経費精算システムだけでなく、電子帳簿保存法に対応することでさらなるペーパーレス化を進めることができます。
ただし、電子帳簿保存法に対応するためには、管轄税務署長の承認が必要となります。
まずどのような書類をペーパーレスにするのかを社内でしっかり検討し、社内ルール作りをおこないます。
特に、ペーパーレスにすることで経費精算の方法が変わる場合には、ルール作りと徹底周知を欠かさないようにしましょう。
ルール作りが終わったら、経費処理に用いるシステムが法令に則っているかを確認します。改善が必要な場合には、税務署に申請する前に問題を解決しておく必要があります。
「真実性の確保」と「可視性の確保」が重要なポイントです。
不明な点がある場合には、税理士や弁護士といった専門家に尋ねるとよいでしょう。
その後、申請書類と添付書類を税務署に提出し、承認が得られれば経費処理のペーパーレス化が可能となります。
スムーズにペーパーレス化を進めるためには、少なくとも電子化する3ヵ月前までには申請しておくべきです。
経費処理の電子化を検討しているのであれば、余裕を持った申請をおこないましょう。
関連記事:経費処理時の領収書を電子化しよう!法律・メリット・方法を解説
参考記事:【2023年版】電子帳簿保存法とは?概要と改正内容をわかりやすく解説
関連記事:中小企業向け経費精算システムとは?選び方や課題別おすすめ機能を紹介
5. 経理処理のペーパーレス化をすすめて、効率的に業務をおこなおう
経費処理は社内でもかなり多くの人員と時間を割かなければならない業務の一つです。
経費処理をペーパーレス化できれば、そのぶんの人員をほかの部署に回すことができ、より業績を伸ばすことができるでしょう。
今後ペーパーレス化はいよいよ進んでいくことが予想されるので、今のうちに対応し、効率的な企業経営をおこないましょう。
「経理担当者になってまだ日が浅いため、基本知識をしっかりつけたい!」
「法改正に関する情報収集が大変で、しっかりと対応できているか不安・・・」
「仕訳や勘定科目など、基本的なこともついうっかり間違えてしまうことがある」などなど日々の経理業務に関して不安になることはありませんか?
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