月60時間超残業の割増賃金率引き上げは中小企業も対象に!計算方法を解説
更新日: 2025.10.21 公開日: 2021.9.1 jinjer Blog 編集部

働き方改革の推進に伴い、残業削減に取り組む企業が増えています。残業を抑えることは、従業員の良好な労働環境を維持するだけでなく、人件費の削減にもつながり、企業の経営改善にも有効です。
とくに、月60時間を超える時間外労働が発生した場合には、法定の割増賃金率が25%から50%以上へ引き上げられるため、企業にとっては大きな負担となります。このルールは、大企業だけでなく中小企業にも適用されており、すべての企業が対応を求められます。
本記事では、月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金の計算方法、企業が直面するリスク、そして残業削減に向けた具体的な取り組みについて解説します。
目次
従業員の多様な働き方が進む中、割増賃金の計算はますます複雑化しています。しかし割増賃金の計算ミスは、未払い賃金の請求といった経営リスクに直結するため、労務担当者は注意が必要です。
そこで、当サイトではこれらの疑問を解決する資料を無料配布しており、複雑な割増率をケース別に図解しているほか 、深夜労働・時間外労働との組み合わせなど、複雑なパターンを図解で分かりやすく解説 しています。
実例を用いた計算方法も紹介しており 、これ一つで正確な割増賃金計算をマスターできます。参考にしたい方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 【中小企業も対象】2023年4月から60時間超残業の割増賃金率が50%に変更

2023年4月1日から、中小企業に対する月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率が50%以上に引き上げられています。ここでは、法改正の内容や、割増賃金の対象者の注意点について解説します。
1-1. 猶予期間が満了し中小企業にも割増賃金率50%が適用
2019年4月の法改正では、1ヵ月の時間外労働が60時間を超えた場合の割増賃金率が50%に引き上げられました。中小企業には経過措置として猶予期間が設けられていましたが、2023年3月31日で終了し、2023年4月1日からは大企業・中小企業問わずすべての企業に同様の割増率が適用されています。
一方、時間外労働が月60時間以内の場合は、これまで通り25%の割増率です。割増率が2倍になることで人件費の負担が増すため、企業は労働時間の管理に一層注意を払う必要があります。また、法改正により割増賃金の計算が複雑化しているので、正確な勤怠管理と賃金計算が不可欠です。
とくに時間外手当、深夜手当、休日手当などの支給条件を正しく把握し、従業員に対して公正な賃金を支払うことが求められます。法令遵守を徹底し、労働環境を整備することが、企業の持続的な成長につながるでしょう。
参考:2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます|厚生労働省
関連記事:時間外労働の割増率とは?計算方法と法改正で中小企業がとるべき対応を解説
1-2. 契約社員やアルバイトでも割増賃金は必要
契約社員やアルバイトであっても、労働基準法が適用されるため、割増賃金の支払いが必要です。つまり、契約社員やアルバイトに対しても、月60時間を超える時間外労働に対しては割増率を50%に引き上げて割増賃金を支払わなければなりません。
労働基準法は、雇用形態に関係なくすべての労働者に適用される法律です。パート・アルバイト、契約社員、派遣社員もその対象となります。一方、フリーランスや個人事業主のように「労働者」に該当しない場合は、労働基準法の適用外となり、割増賃金の支払い義務はありません。
また、みなし残業制度や歩合給制を導入している場合でも、実際の労働時間に基づいて法定を超える部分には割増賃金の支払いが必要です。適正な労務管理と法令遵守は、従業員の安心感と働く意欲を高めるだけでなく、企業の信頼性向上にもつながります。
関連記事:パート従業員の残業時間に上限はあるの?気になる法律上のルール
2. そもそも割増賃金が発生するケースとは

当然ではありますが、従業員が残業をした場合、その分の賃金については、基本給とは別に支払わなければなりません。なお、割増賃金が発生するのは、時間外労働をはじめとした、次の3つのケースです。
2-1. 時間外労働
時間外労働とは、労働基準法第32条で定められた法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超過した勤務を指します。
例えば、1日単位の勤務で考えた場合、「9時~18時(実働8時間・休憩1時間)」を所定労働時間としているのであれば、19時まで働いたら1時間の時間外労働をしたことになります。さらに労働基準法では、原則1日8時間勤務が上限です。そのため超過した1時間は法定外勤務となり、1.25倍以上の割増賃金の支払いが生じます。
また、仮に1日の所定労働時間を「9時~17時(実働7時間・休憩1時間)」とした場合、18時までの勤務は法定内労働となるため割増は発生しません。所定賃金の時間単価分のみを追加支給します。
なお、2023年4月の法改正により、中小企業においても月60時間を超える時間外労働に対しては割増賃金率が50%以上に引き上げられました。この変更により、企業はすべての雇用形態に対して正確な労働時間の管理と割増賃金の適切な支払いを徹底することが求められています。
関連記事:残業による割増率の考え方と残業代の計算方法をわかりやすく解説
2-2. 休日労働(法定休日)
休日労働とは、労働基準法第35条に定める法定休日(週1日以上もしくは4週4日以上)において勤務するケースを指します。
例えば、週40時間勤務・土日休みの週休2日制で、日曜を法定休日としている場合、仮に土曜に出勤した際には、休日労働の割増賃金(割増率35%以上)の支払いは不要です。ただし、法定労働時間を超えて働いた場合は、時間外労働の割増賃金(割増率25%以上※月60時間を超える場合は50%以上)が適用されます。
一方で、法定休日である日曜日に勤務した場合は、その労働時間すべてに対して、休日労働として35%以上の割増賃金が適用されます。なお、たとえその日に8時間を超えて働いたとしても、時間外労働としての割増は重複して適用されません。あくまでその労働は「休日労働」として扱われ、35%以上の割増率が一律で適用されることになります。
関連記事:休日手当とは?割増賃金率の種類や計算方法、休日出勤でも手当が発生しない場合を解説
関連記事:休日手当の計算方法とは?休日出勤した場合の割増賃金や間違えやすいポイントを解説
2-3. 深夜労働
深夜労働とは、労働基準法で定められた午後10時から午前5時までの時間帯におこなわれる労働を指します。この時間帯に勤務した場合、通常の賃金に加えて、25%以上の深夜労働の割増賃金を支払う必要があります。
また、深夜労働が時間外労働や休日労働と重なる場合には、それぞれの割増率が加算されるため注意が必要です。例えば、通常の法定労働時間を超えて22時以降に残業(深夜残業)をおこなった場合、時間外労働の25%と深夜労働の25%を合わせて、合計50%以上の割増賃金を支払う必要があります。
さらに、時間外労働が月60時間を超えた場合には、時間外割増率が50%に引き上げられるため、深夜労働と重なると、50%(時間外)+25%(深夜)=75%以上の割増賃金を支払う必要があるので注意しましょう。
3. 月60時間を超える時間外手当の計算方法

労働基準法では、原則として法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた労働を禁止しており、従業員に時間外労働をさせる場合には「36(サブロク)協定」の締結と労働基準監督署への届出が必要です。
この場合でも、時間外労働の上限は、原則「月45時間・年間360時間」です。ただし、臨時的かつ特別な事情がある場合に限り、以下の条件をすべて満たすことで、上限を超える時間外労働が認められます。
- 時間外労働の合計は年間720時間以内
- 時間外労働・休日労働の合計は月100時間未満
- 時間外労働・休日労働の合計平均は2~6ヵ月のすべてで月80時間以内
- 月45時間を超過した時間外労働は年間6ヵ月まで
このように、時間外労働には明確な上限とルールがあり、企業はこれを遵守しなければなりません。次に、月60時間を超える時間外労働が発生した場合の割増賃金の具体的な計算方法について説明します。
3-1. 月60時間超えの割増賃金の具体的な計算例
具体的な計算例として、仮にある従業員が月に70時間の時間外労働をした場合を考えてみましょう。時間単価が1,000円の場合、月60時間までは通常の25%、月60時間を超える10時間には50%の割増賃金が発生します。この場合の具体的な割増賃金の計算方法は、以下の通りです。
- 60時間 × 1,000円 × 1.25 = 75,000円
- 10時間 × 1,000円 × 1.50 = 15,000円
よって、時間外労働に対する割増賃金の合計は90,000円です。
3-2. 60時間超過の時間外労働と深夜労働が重なった場合
時間外労働は、深夜労働(22時〜翌5時)と重なる場合があります。例えば、ある従業員が月に70時間の時間外労働をすべて深夜帯におこなったとします。時間単価が1,000円の場合、以下のように割増賃金を計算します。
- 60時間 × 1,000円 × 1.50 = 90,000円
- 10時間 × 1,000円 × 1.75 = 17,500円
よって、割増賃金の合計は107,500円となります。なお、時間外労働に該当しない勤務(例えば法定労働時間内の深夜勤務)の場合でも、深夜割増(25%)は別途必要になるので注意が必要です。
3-3. 代替休暇を取得した場合
代替休暇とは、労働基準法に基づき、月の時間外労働が60時間を超えた場合に、その超過分に対する50%の割増賃金の支払いに代えて、休暇を付与することができる制度です。
この制度を導入するには、労使協定の締結が必要です。また、労働者は「代替休暇を取得する」か「割増賃金を受け取る」かを自ら選択できるため、会社側が一方的に代替休暇の取得を強制することはできません。代替休暇として付与できる時間は、以下の計算式で算出されます。
- (1ヵ月の時間外労働時間数 – 60時間)× 換算率0.25※
※換算率は労使協定で一定の条件に基づき定められるもので、上記は一例です。
例えば、1ヵ月に72時間の時間外労働があった場合、労働者は3時間(換算率0.25)の代替休暇を取得できます。ただし、代替休暇を取得した場合でも、25%分の割増賃金は必ず支払わなければなりません。つまり、月60時間を超える時間外労働については、「25%分の割増賃金を支払い、残りの25%相当分を代替休暇として付与する」という運用が可能です。
この他にも、2019年の働き方改革による法改正で有給休暇の取得義務化や時間外労働の上限規制などが設けられ、勤怠管理をするうえでは法改正の内容もしっかりと把握しておかなければなりません。当サイトでは法改正の内容とその対応法をまとめた資料を無料で配布しておりますので、法改正の内容があやふやな方は、ぜひこちらから「中小企業必見!働き方改革に対応した勤怠管理対策」をダウンロードしてご確認ください。
4. 月60時間超えの割増賃金の支払いに関連するリスク

月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率が50%以上に引き上げられたことで、企業には新たなコスト負担や法的リスクが生じています。ここでは、この法改正により発生しうる主なリスクについて詳しく解説します。
4-1. 人件費が圧迫する
月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率が25%以上から50%以上へと引き上げられたことで、1ヵ月の時間外労働が60時間を超えた場合、従来よりも高い賃金を支払わなければなりません。
その結果、長時間労働が常態化している職場では人件費が大幅に増加し、企業の収益を圧迫するリスクが高まります。とくに中小企業にとっては、限られた予算や利益構造への影響が大きく、経営の安定性に直結する課題となりえます。
4-2. 正しく勤怠管理しなければ未払い賃金を請求されるリスクがある
時間外労働が適切に記録・管理されていない場合、本来支払うべき割増賃金が未払いとなり、従業員から遡って請求されるリスクがあります。
とくに、月60時間を超えた部分に対して50%の割増率が適用されていなかった場合には、労働トラブルや訴訟に発展する恐れもあります。そのため、正確な勤怠管理と給与計算がより重要になります。
関連記事:労働時間を1分単位で計算する原則はいつから?労働時間の把握の義務化を解説
4-3. 法令違反により労働基準監督署から是正勧告を受ける
適正な割増賃金の支払いがおこなわれていない場合、労働基準監督署の調査により是正勧告を受ける可能性があります。
是正勧告を受けた企業は、速やかに違反を是正しなければならず、改善措置や従業員への未払い分の精算などの対応が必要です。これにより、企業の信頼性や社会的評価が損なわれるリスクも生じます。
4-4. 労働基準法に基づき罰金や拘禁刑の罰則が課せられる
労働基準監督署による是正勧告に従わず、違反状態が継続した場合、労働基準法に基づき企業や経営者が刑事責任を問われる可能性があります。
例えば、月60時間を超える時間外労働に対して、法定の50%以上の割増賃金を支払わなかった場合は、労働基準法第37条に違反し、同法第119条により「6ヵ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金」という罰則が課されるリスクがあります。
関連記事:従業員の労働時間の上限超過で企業が受ける罰則とその悪影響とは?
5. 60時間超残業における割増賃金率の法改正で企業がおこなうべき対応

割増賃金率の変更に合わせて、企業がおこなうべき対応はいくつかあります。労使間のトラブル防止や残業時間の削減ができるように、可能な範囲で対応していきましょう。
5-1. 就業規則の見直しと周知
給与規定については、評価基準をはじめ、社内制度全体を見直すことが重要です。とくに残業時間の取り扱いや社内規定については、重点的に確認する必要があります。
現行のルールに問題がないかどうかを判断する際には、厚生労働省のモデルケースを参考にするとよいでしょう。就業規則を変更する場合には、労働基準監督署への届出が必要となります。また、変更内容については従業員に対して十分に周知をおこなうことも大切です。
5-2. 残業時間の可視化
月60時間を超える時間外労働を発生させないためには、従業員ごとの残業時間を正確に把握することが重要です。そのためには、勤怠管理システムなどを活用したシステムによる管理の導入や、残業状況を適切にチェックできる体制の整備が求められます。
また、残業時間の目標値を設定し、その集計結果を社内で共有することも有効です。これにより、全社的に残業削減への意識が高まり、目標達成に向けた取り組みが促進されます。
5-3. 残業削減に向けた業務効率化
残業は少ないほど従業員の負担が軽減され、企業側も人件費を抑えることができます。月60時間を超える時間外労働は、従業員と企業の双方にとって大きなデメリットとなるため、残業時間の削減につながる業務の効率化を早急に進める必要があります。
そのためには、業務マニュアルの整備や、新しいツール・作業環境の導入を通じて、業務をより効率的に進められる体制を構築することが重要です。また、残業の状況を適切に管理するための新たな評価制度を導入し、従業員の時間管理に対する意識を高めることも有効です。
このような取り組みにより、働き方改革に沿った企業文化の醸成や法令遵守の推進が期待でき、従業員がより良い職場環境で働けるようになります。結果として、企業全体の生産性向上にもつながり、持続可能な成長の実現に寄与します。
5-4. 代替休暇制度の導入
代替休暇制度を導入することで、従業員にとっては心身の回復につながり、企業にとっては人件費の抑制が可能となるなど、双方にメリットがあります。一方で、休暇取得によって一時的に人手が不足する懸念もあるため、導入にあたっては業務体制とのバランスを十分に考慮する必要があります。
また、制度を円滑に運用するためには、休暇取得に関するルールを事前に明確に定めることが不可欠です。労使協定を締結したうえで、取得方法や申請期限などの詳細を就業規則に明記することで、従業員が安心して制度を利用できる環境が整います。
参考:代替休暇制度を導入するための労使協定を締結する場合のポイント|厚生労働省
5-5. 働き方改革推進支援助成金の活用
割増賃金率の引き上げに伴う法改正へ対応するために、勤怠管理システムを導入したり、人材確保の取り組みを進めたりするには、一定のコストが発生します。このような費用負担を軽減する手段として、「働き方改革推進支援助成金」の活用を検討することをおすすめします。
働き方改革推進支援助成金は、時間外労働の削減など労働環境の改善に取り組む中小企業を対象とした制度です。この助成金を活用することで、資金的な負担を抑えながら、残業時間削減や業務効率化といった施策を推進することが可能になります。
なお、令和7年度における交付申請の受付期間は、令和7年(2025年)11月28日までとされています。制度の詳細や申請手続きについては、早めに確認しておくとよいでしょう。
参考:働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)|厚生労働省
6. 月60時間を超える時間外労働をなくすための対策

そもそも、労働基準法の規定を超える時間外労働をおこなう場合には、労使間で36協定を締結しなければなりません。ただし、36協定を締結している場合でも、無制限に時間外労働が許容されるわけではなく、時間外労働は必要最小限に留めるべきです。
とくに月60時間を超える時間外労働は、従業員・企業双方にとって大きな負担となるため、できる限り削減することが推奨されています。そこで、時間外労働の削減に向けた具体的な取り組みについても確認していきましょう。
以下では、厚生労働省による中小企業における長時間労働見直し支援事業検討委員会が発表した「運送業・食料品製造業・宿泊業・飲食業・印刷業を例に時間外労働削減の好事例集」を参考にした対策例を紹介します。次に取り上げているのは、とくに人件費削減の効果が高かったケースです。
6-1. 時間管理に関連した評価制度の導入
なかでも、コスト削減に対する効果的な取り組みとして成果が見られたのが、時間外労働に関する評価項目を人事制度に組み込んだ事例です。例えば、リーダークラスの社員に対する評価制度において、部下の残業時間に応じて報酬が変動する仕組みを導入したケースがあります。
管理職自身の時間管理意識を高めることで、部下の働き方への関心や介入が促進され、結果として各従業員の業務状況を的確に把握することが可能になります。このような取り組みは、より強固なマネジメント体制の構築にもつながると期待されています。
6-2. トップダウンによる残業削減計画の推進
経営陣が主導して、時間外労働の削減に向けたプロジェクトを推進することも、効果的な手段の一つです。とくに高い効果が見られたのが「残業の事前申請制度」の導入です。
あらかじめ上司の許可を得る仕組みを設けることで、業務の見直しや割り振りの調整、あるいは作業の翌日への持ち越しなど、柔軟な対応が可能となります。このような仕組みにより、現場レベルでの無駄な残業を防止するとともに、組織全体での時間管理意識を高めることが期待されます。
関連記事:残業申請制とは?申請ルールの作り方やその例、運用方法も紹介
6-3. 労働時間の是正を目的とした教育の実施
具体的な取り組みの一例として挙げられるのが、従業員のマルチスキル化の推進です。例えば、担当業務をローテーション制にする、あるいは専門資格の取得を広く支援するなど、業務の偏りを解消するための教育やサポートをおこなうことが有効です。
同等のレベルで業務を遂行できる人材が増えることで、チーム内での柔軟な協力体制が築かれ、現場全体の連携強化にもつながります。
関連記事:残業削減のためのアイデア7選!残業の原因を分析して効果的な対策を打とう
6-4. 効果的な勤怠管理システムの導入
勤怠管理システムの導入により、従業員の労働時間を可視化でき、時間外労働の抑制につながります。出退勤や残業時間などのデータは自動で集計され、リアルタイムでの労働時間の把握が可能になります。
また、先進的なシステムでは、従業員ごとの勤務状況を一覧で確認できるダッシュボード機能を備えていることが一般的です。これにより、部門ごとや個人単位での時間外労働の発生状況を常に把握でき、早期対応やマネジメントの最適化にも役立ちます。
7. 時間外労働の割増賃金を正しく支給し、残業時間は可能な限り減らそう

労働基準法における時間外労働の上限は、原則として「月45時間・年間360時間」と定められています。これを超える残業は、基本的に特別な事情がある場合に限り認められていますが、その「特別な事情」とは、あくまで臨時的なものに限られ、例えば決算期の業務や突発的なトラブル対応などが該当します。
とくに月60時間を超える時間外労働は例外的なケースとされており、通常よりも高い割増賃金率が適用されるのはそのためです。企業としては、まずは時間外労働に依存しない労務管理を目指す姿勢が重要だといえます。やむを得ず長時間の残業が発生する場合でも、割増賃金を適切に計算し、正確に支給することが重要です。
関連記事:割増賃金とは?種類別の割増率や計算方法・企業が講じるべき対策を解説
従業員の多様な働き方が進む中、割増賃金の計算はますます複雑化しています。しかし割増賃金の計算ミスは、未払い賃金の請求といった経営リスクに直結するため、労務担当者は注意が必要です。
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