雇用契約書に記載すべき内容は?記載すべき項目や内容変更時の注意点を解説
更新日: 2026.2.26 公開日: 2020.11.19 jinjer Blog 編集部

雇用契約書は雇用主と労働者が雇用契約を結ぶ際に交わされる書類です。労使双方が契約に合意したことを示す重要な書類で、トラブルが発生した際の証拠にもなる法的効力をもっています。
必要な記載事項は雇用形態や契約期間の有無などによって変化するため、十分に理解して漏れなく作成しなければなりません。
ここでは、雇用契約書に記載すべき内容や記載内容の変更の可否などについて解説します。
関連記事:雇用契約の定義や労働契約との違いなど基礎知識を解説
関連記事:雇用契約書とは?法的要件や雇用形態別に作成時の注意点を解説!
目次
従業員を雇い入れる際は、雇用(労働)契約を締結し、労働条件通知書を交付する必要がありますが、法規定に沿って正しく進めなくてはなりません。
当サイトでは、雇用契約の手順や労働条件通知書に必要な項目などをまとめた資料「雇用契約手続きマニュアル」を無料で配布しておりますので、「雇用契約のルールをいつでも確認できるようにしたい」「適切に雇用契約の対応を進めたい」という方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご活用ください。
1. 雇用契約とは?


雇用契約とは、企業と労働者が「労働の提供」と「賃金の支払い」を相互に約束する契約を指します。
労働基準法第9条では、労働者の定義が示されており、指揮命令下で労務を提供し、その対価として賃金を受け取る関係が成立した時点で、書面の有無にかかわらず雇用契約は成立します。そのため、「口頭での合意だから契約ではない」「書面を交わしていないから拘束力がない」という認識は誤りです。
実務では、採用内定通知や初出勤をもって雇用契約が成立しているケースも多く、契約内容が不明確なまま就労が始まることが、後の労使トラブルにつながります。
担当者は、雇用契約が持つ法的な位置付けを正しく理解し、条件の明確化と証拠化を意識した対応が求められます。
2. 雇用契約書とは?


雇用契約書とは、雇用契約の内容を文書として明文化し、企業と労働者双方が合意した証拠として残すための書面です。法律上、雇用契約書の作成自体は義務ではありませんが、労働基準法第15条では労働条件の明示が義務付けられており、その実務的な手段として雇用契約書が広く用いられています。
ここでは、雇用契約書の概要や労働条件通知書との違いについて解説します。
2-1. 労働条件や賃金などを明示した法的文書
雇用契約書は、従業員と使用者との間で結ばれる法的文書であり、契約の具体的な条件を明示します。これにより、労働条件や賃金、勤務時間、就業場所、業務内容、昇給、退職などの詳細が法的に保証されます。
企業側と従業員双方が確認した後、両者が署名押印して締結します。雇用契約書は、企業側と従業員双方にとってのルールブックとなり、不明確な点が発生した場合や紛争が生じた場合における解決の基準となります。そのため、雇用契約書の内容は明確かつ具体的であることが求められます。
法律上では、雇用契約書の作成義務はありません。しかし、作成した雇用契約書は法的文書となるため、法的効力があることを覚えておいてください。
覚えておきましょう。
また、民法上は当事者の合意があれば口頭での契約も成立しますが、労働契約法上は「文書として作成するのが望ましい」とされています。トラブル防止のためにも、雇用契約書は作成されることが一般的です。
2-2. 雇用契約書と労働条件通知書の違い
雇用契約書と労働条件通知書は、記載事項が非常に似ているため混同されやすいです。しかし、2つの文書は全く違うものであり、以下のような違いがあります。
|
項目 |
雇用契約書 |
労働条件通知書 |
|
法律上の作成義務 |
なし |
あり |
|
記載事項 |
定めがない |
必須記載事項あり |
|
署名押印 |
必要(電子署名可) |
不要 |
雇用契約書と労働条件通知書には、作成義務・記載事項・署名押印の必要性で違いがあります。
法律上の作成義務と必須記載事項は必ず守らなければならず、交付義務を怠った場合は労働基準法に基づき30万円以下の罰金が科される可能性もあります。違いを十分に理解し、雇用契約書と労働条件通知書を正しく作成しましょう。
また、条件を満たせば「労働条件通知書兼雇用契約書」としてひとつの書類にまとめることも可能です。
関連記事:雇用契約書と労働条件通知書の兼用が可能?メリットや作成方法を解説
関連記事:雇用契約書と労働条件通知書の違いとは?兼用はできる?作成方法も解説
3. 雇用契約書を作成しないリスクとは


雇用契約書を作成せずに労働契約を運用すると、労働条件の認識の違いから重大な労使トラブルに発展するリスクが高まります。
労働基準法第15条は労働条件の明示を義務付けていますが、文書化がないまま労働が開始されると、賃金、労働時間、休暇などの条件について労使間で解釈や認識がわかれる可能性があります。
また、近年の明示ルール改正により、労働条件通知書では「就業場所・業務の変更の範囲」、つまり転勤や配置転換の可能性とその範囲を含めて明示することがさだめられました。これが雇用契約書に反映されていないと、配置転換命令が無効とされる可能性や、労働者から不利益取扱いとして争われるリスクが増大します。
そもそも、口頭合意だけでは労働条件の証拠性が乏しく、未払残業代請求や解雇無効・雇止め不当といったトラブルに発展しやすくなります。雇用契約書を作成・交付しないことはリスク管理の観点から極めて危険であり、文書による明確な合意が不可欠なのです。
4. 雇用契約書へ記載すべき内容

雇用契約書は法律上の作成義務がなく、作成する場合も記載事項に明確な決まりはありません。しかし、作成義務がある「雇用条件通知書」を兼ねた「雇用条件通知書兼雇用契約書」を作成する場合は、記載事項にルールがあります。
ここでは、記載が必須な絶対的明示事項や、契約内容によって変化する記載事項を解説していきます。
4-1. 記載が必須の絶対的明示事項
雇用契約書と労働条件通知書を兼用する場合は、労働条件通知書に定められている「絶対的明示事項」を網羅しなくてはなりません。必ず記載しなければならないのは以下の内容です。
|
契約期間 |
重要なポイントとなるのが契約期間です。契約は有期なのか無期なのか、有期であればどのように契約が更新されるのかを明示します。 また、労働条件通知書に求められている契約更新の判断基準も明記するとよいでしょう。 |
|
就業場所 |
会社の住所を記載することで就業場所を労働者に知らせることができます。将来的に異動の可能性がある場合は、明記しておくことによってトラブルを防げるでしょう。 また、労働条件明示ルールの変更により、2024年4月以降は労働条件通知書に「変更の範囲」についても明示が必要となります。 |
|
業務内容 |
業務内容についても雇用契約書に記載しておくとよいでしょう。業務が複数ある場合は、複数記載しても問題ありません。 こちらも、2024年4月以降に締結した雇用契約においては、労働条件通知書に記載されていない労働を課すことはできなくなります。雇用契約書が労働条件通知書を兼ねる場合、2024年4月以降は「就業場所・業務の変更の範囲」を必ず明示しなければなりません。部署異動や転勤の可能性がある場合はその範囲を、限定がない場合はその旨を具体的に記載する必要があります。 |
|
始業・終業時間 |
労働者の始業・終業時間が決まっている場合には、その時間を記載します。 変形労働時間制、フレックスタイム制などの場合にも、どのような勤務パターンとなるのかを記載しておくとよいでしょう。 |
|
休憩・休日・休暇 |
労働基準法では、労働者の休憩時間、休日、休暇についても定められています。 1週間のうちどのくらい休日になるか、有給休暇の取得に関しても労働基準法に則った運用をしていることを記載すべきです。 労働者を2組以上に分けて業務に就かせる場合は、就業時点転換に関する事項も記載しなければなりません。 |
|
賃金 |
重要な別のポイントが賃金です。雇用契約書では、賃金の決定・計算・支払い方法についてはっきりと明示します。 社会保険料や税金などの詳細についても雇用契約書に記載しておくことで、トラブルを防止できるでしょう。 |
|
退職 |
雇用契約書には、定年退職の年齢、自己都合退職の場合に何日前の通告が必要となるか、解雇になる事由を記載します。 特に有期雇用の社員と結ぶ場合には、解雇や雇い止めのルールを明確にしておいた方がよいでしょう。労働契約法の改正により、以前と比べて、解雇や雇い止めに関して明確な基準が設けられたためです。 さらに、有期雇用と無期雇用の間に不合理な労働条件の相違があることは禁止されているため、雇用契約書を作成するときには、法的に問題がないか十分に注意する必要があります。 当サイトでは、人事担当者様向けに、有期雇用契約の基礎知識や労働条件、雇止め法理などを解説した資料が無料でダウンロード可能です。有期雇用労働者との雇用契約書に関して不安な点がある方は、こちらから「有期雇用契約の説明書」の資料をダウンロードしてご覧ください。 |
|
就業場所・業務の変更の範囲 (2024年4月に追加) |
2024年4月からは、雇い入れ直後の就業場所や業務内容だけでなく、これらが変更される範囲についても明示が必要になっています。 今後の見込みも含めて、就業場所や従事する業務がどの範囲で変更される可能性があるのか、企業側は従業員に明示しなければなりません。 |
これらの内容は雇用形態や雇用期間を問わず、労働条件通知書に記載しなければならない事項です。
労働条件通知書兼雇用契約書を作成する際は、漏れがないように記載しましょう。自社で作成してもよいですが、厚生労働省などが配布している様式を元にすると網羅しやすいです。また、当サイトでも社労士監修のテンプレートを用意しているため、ぜひこちらからダウンロードの上、お役立てください。
関連記事:【図解】雇用契約ガイド!労働契約との違いや基礎知識をわかりやすく解説
参考:令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます|厚生労働省
参考:採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。|厚生労働省
参考:様式集|厚生労働省
有期雇用者の場合に必要な項目
2024年4月1日からは労働条件の絶対的明示事項として、明示すべき事項が追加されました。そのため、従業員を契約社員などの有期雇用で契約している場合には忘れずに次のような事項も記載するようにしましょう。
- 更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容
- 無期転換申込機会の明示
- 無期転換後の労働条件の明示
このような明示事項が追加された理由のひとつとして、有期雇用従業員の処遇改善が挙げられます。有期契約労働者を無期契約に転換できることを明示することで、雇い止めをはじめとした待遇の是正が期待されています。
参考:令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます|厚生労働省
短時間労働者の場合に必要な項目
パートタイムやアルバイトのような短時間労働者の雇用条件通知書兼雇用契約書には、絶対的明示事項に以下のものが追加されます。
- 昇給の有無
- 退職の有無
- 賞与の有無
短時間労働者に対してはこの3点も明示する必要があり、違反した場合は行政指導が入ります。それでも改善しない場合は該当労働者1人につき10万円以下の過料に処される可能性があります。
なお、昇給や賞与に関しては、有りの場合は支給される条件(所定の年数など)や、支給されないケースがあることなども明記(「業績により不支給の場合あり」や「勤続○年未満は不支給」など)しなければなりません。
4-2. 必要に応じて記載する相対的記載事項
相対的記載事項は、該当する制度がある場合には記載が必須になる事項です。以下のような制度がある場合は忘れずに記載しましょう。
- 昇級に関連する事項
- 退職手当が適用される範囲、計算方法、支払時期など
- 臨時に支払われる賃金
- 最低賃金額に関連する事項
- 労働者が負担する費用(食費・作業用品費など)
- 安全・衛生に関連する事項
- 職業訓練に関連する事項
- 表彰・制裁に関連する事項
- 災害補償・業務外の傷病扶助に関連する事項
- 休職に関連する事項
これらに該当する制度がない場合は記載は不要ですが、ある場合は明示することが企業の義務とされています。自社の制度を改めて確認し、漏れや勘違いが起きないように明示内容を確認しましょう。
5. 雇用契約書作成時のポイント


雇用契約書は作成義務がないものの、法的効果のある重要な書類です。従業員と企業との間で雇用条件に関する勘違いが発生しないように、以下の点に注意して作成しましょう。
- 記載すべき項目を網羅する
- 労働時間を検討する
- 転勤や人事異動があることを明示する
- 試用期間を明示する
- 退職に関する事項を明示する
ここでは、これらの注意点を解説します。
5-1. 記載すべき項目を網羅する
雇用契約書を作成する際は記載すべき事項を網羅することが大切です。特に労働条件通知書を兼ねる場合は、雇用期間や就業場所、休憩時間などの絶対的記載事項を網羅しないと法的な義務を果たせません。
有期雇用や短時間労働者の場合は追加で必要な記載事項もあるため、正社員とそれ以外の雇用契約の違いを理解し、記載事項を網羅しましょう。
正社員の場合
正社員の場合、雇用契約書には特に重要な記載項目が求められます。正社員は無期雇用契約に基づくため、在職中に転勤や人事異動、業務内容の変更が発生することがあります。
このため、採用時にこれらの可能性を労働者に説明し、了承を得ておくことが不可欠です。具体的には、地方や海外への転勤の可能性や、配置転換によって他の業務を担当する可能性について明示することが重要です。これにより、労使間の理解を深め、後々のトラブルを防ぐことができます。
契約社員の場合
契約社員の場合、雇用契約書にはいくつかの必須項目をしっかり記載することが重要です。
まず、「契約期間」と「更新の有無」を明確に示す必要があります。更新する場合はその条件も詳細に記載しましょう。もし更新の予定がない場合は、その旨を明記しておくことで、労働者に対して誤解を招かないようにします。
また、契約が更新された際には、新たに雇用契約書を作成することが必要です。このように、契約社員としての雇用契約をスムーズに進めるためには、これらの項目を網羅することが大切です。
短時間労働者の場合
パートタイムやアルバイト労働者の場合は、昇給の有無・退職金の有無・賞与の有無を明確にし、条件がある場合はそれも明記しなければなりません。
正社員や契約社員とは異なる条件で雇用されることが多いため、それらの条件を事前に明示しておかなければトラブルが発生しやすいです。他の雇用方法の内容を流用するだけでなく、忘れずに記載するようにしましょう。
5-2. 労働時間を検討する
正社員用の雇用契約書を作成する場合は、労働時間の設定が非常に重要です。
雇用契約書には就業時間・休日・休暇・休憩など、従業員の働き方に大きく影響する部分を記載することになります。所定時間外の労働(残業)の有無は、従業員の労働時間と賃金に大きな影響を出します。また、不満の温床にもなりやすい部分であるため、十分に記載内容を検討し、誤解がないようにしなければなりません。
フレックスタイム制やリモートワークなどに関する労働時間の定めがある場合も、細かく記載しておきましょう。
5-3. 転勤や人事異動があることを明示する
雇用契約書では転勤や人事異動の可能性があることも明示します。就職をするうえで従業員にとって転勤や人事異動の有無は重要な条件です。
とくに結婚や出産・子育てを控えている世代は、想定外の転勤や人事異動による大きな環境の変化があると、プライベートにも非常に大きな影響が出ます。この点への配慮をし、可能性がある場合はそのことも記載しましょう。
転勤や人事異動があるにも関わらず、雇用契約書に記載がないと深刻なトラブルに発展しかねません。そのため、可能性のある転勤先や異動先などまでできるかぎり具体的に記載しましょう。
5-4. 試用期間を明示する
試用期間に関連するルールも雇用契約書で明示しましょう。企業のなかには本採用の前に一定期間の試用期間を設けているケースがあります。試用期間を明示せずに本採用を拒否してしまうと、正当な解雇と認められない可能性があるためです。
しかし、従業員にとって試用期間は給与が低かったり、解雇の可能性があったり、不安を抱えやすい時期です。ルールが曖昧なまま試用期間を適用してしまうと、従業員から不信感をもたれ、トラブルになる可能性があります。
試用期間がある場合は、その期間や期間中の待遇の変化、解雇の有無や試用期間の目的などを記載するようにしましょう。
5-5. 退職に関する事項を明示する
退職に関する事項は、雇用契約終了時のトラブルを防ぐため、雇用契約書で明確にしておく必要があります。具体的には、自己都合退職の場合の申出期限、退職の意思表示の方法、解雇事由および解雇予告の取扱いなどが該当します。
退職に関することを記載していない場合、突然の退職による業務混乱や解雇の有効性を巡るトラブルに発展する可能性があります。
特に解雇については、就業規則との整合性が重要になるので、雇用契約書では「就業規則に定める解雇事由に該当した場合」といった形で整理するのが一般的です。また、退職時の引継ぎや返却物に関する取扱いを明示しておくことで、円満な雇用関係の終了と実務負担の軽減につながります。
6. 雇用契約書の内容変更はできる?


雇用契約書を交わし、雇用契約をした後に何らかの事情によって契約内容の変更が必要になることがあります。そのような場合は、労働者との間に合意があれば契約内容の変更が可能です。ただし、労働者に対して不利な変更になる場合は難しいことがあります。
ここでは、雇用契約書の内容を変更するときの注意点を解説します。
6-1. 労使双方の合意によって変更は可能
雇用契約書の内容は、雇用主と労働者の双方が合意すれば変更可能です。労働契約法第8条には、合意によって労働条件を変更できる旨が記載されています。
雇用主が雇用契約書の内容を変更したいのであれば、従業員一人ひとりから個別に同意を得るか、労働者が知っている就業規則を変更するという方法があります。
労働者にとって有利な変更であれば、問題になることはほとんどありません。しかし、たとえ労働者に有利な変更であったとしても、すべての労働者が雇用契約書の内容が変更されたことを理解できるよう、変更後の記載事項に関する周知を徹底しましょう。
6-2. 労働者に不利益な変更はできない
労働者に有利な変更であればとくに問題ありませんが、合意なく労働者に不利な変更をすることはできません。ただし、合理性があると認められる場合は、個別に就業規則の変更が考慮されます。「合理性」は、契約内容の変更が社会的に妥当で、労働者の利益を侵害しないということです。
客観的な判断が重要なので、労働組合との交渉の過程や会社・労働者が被る不利益、同業他社の状況などを加味して、雇用契約書の内容の変更が可能か検討する必要があるでしょう。
また、もし変更が可能な場合だとしても、雇用契約の内容が就業規則を下回ってはいけないため、従業員にとって少しでも不利な変更をする際には注意が必要になります。
当サイトでは、本章で解説したような雇用契約書の変更の可否についてや、毎年結ぶ必要があるのかといったような雇用契約の疑問についてまとめた資料を無料で配布しております。その他にも、そもそもとなる雇用契約の基礎知識や結び方なども解説しているため、雇用契約について網羅的に確認したいというご担当者様は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
関連記事:雇用契約の条件は途中変更できる?契約期間内に変更する方法をご紹介
7. 雇用契約書の内容を変更する方法

雇用契約書の内容を変更する手順は、下記の2ステップです。
- 雇用契約の内容を確認する
- 覚書を作成する
ここでは、これらのステップを解説します。
7-1. 雇用契約の内容を確認する
雇用契約書に内容の変更方法について書かれている場合は、その方法に従って内容の変更をしなければなりません。雇用契約書を改めて確認し、記載があればその内容に則って進めていきましょう。
特に記載がない場合は、雇用主側と労働者側双方が変更点について確認し、合意を取ります。
変更内容が、労働者にとって有利となる内容であれば、念のため従業員に通達してから雇用契約書を変更してください。
労働者にとって不利益な変更は原則禁止されていますが、変更内容が「合理的である」と判断された場合は、労働者の合意を得てから変更する方法が認められています。
基本的には労使双方の合意が必要であるため、雇用主側が勝手に雇用契約書の内容を変更しないよう注意が必要です。
関連記事:雇用契約とは?法的な位置付けと雇用契約書を作成すべき理由を解説
関連記事:就業規則の不利益変更とは?実施する際の4つの注意事項
7-2. 覚書を作成する
変更内容について合意がとれたら、覚書を作成してを書面に残します。新しい雇用契約書を作って内容を変更するという方法も考えられますが、部分的な変更なのに新たな雇用契約書を1から作成するのはそれなりの労力が必要です。このような場合に、担当者の業務負担を軽減できるのが「覚書」という書類です。
覚書とは契約書の補助的な役割を持っており、すでに存在する雇用契約書の補足や変更をする際に作成します。適切に作成すれば、契約書と同じ効力があります。
覚書であっても、作成日や変更前の契約書の特定、変更箇所、変更の効力が発生する日、労使双方の署名捺印が必要なので漏れのないように作成しましょう。
雇用契約書を新たに作り直すよりも、覚書を作成する方が簡単な場合にはそちらを採用することができます。
関連記事:アルバイト採用でも雇用契約書は必要?作成するための4つのポイント
8. 雇用契約書と就業規則の内容はどちらが優先される?


「雇用契約書」が労使間で雇用条件を定めた取り決めであるのに対し、「就業規則」は会社全体で定められている、労働者が就業する上で守るべき規律を定めた規則のことを指します。
それぞれの内容は同一ではないものの、双方で矛盾する点がないように決めることが一般的です。しかし、なかには雇用契約書と就業規則の内容に一貫性がない場合があります。
このような場合、会社が勝手に内容の優先順位を定めることはできず、基本的に従業員にとって有利な内容を優先するべきとされています。
ただし、就業規則の作成は従業員数が10名以下の企業では義務とはされていません。そのため、就業規則がない、あっても曖昧な内容になっているケースがあります。その場合は雇用契約書の内容と会社が提示するルールに矛盾が生じ、労使間のトラブルになることがあります。
トラブルを防止するためには雇用契約書だけでなく、就業規則を明確に定めて一貫性を持たせることが重要です。
関連記事:労働基準法第89条で定められた就業規則の作成と届出の義務
9. 雇用契約書は電子化できる


雇用契約書はすでに電子化が可能になっており、2025年現在は労働条件通知書と労働条件通知書兼雇用契約書も電子化が可能です。
労働者が希望した場合は、電子メールやファックスなどによる交付ができ、書類の作成や受け渡しの手間を省くことができます。また、電子化によって、面接から雇用契約までをオンラインでおこなうことができるようになりました。そのため、遠方に住んでいる新規雇用者に対しても、スムーズに雇用契約を結ぶことができます。
雇用契約書だけでなく、すべての雇用に関する業務をオンラインでできるようになったことで、採用業務の効率を大きく上げることができます。ぜひ積極的に電子化を進め、場所に拘らない採用や採用業務の負担軽減をしていきましょう。
9-1. 雇用契約書を電子化する際の注意点
雇用契約書を電子化する場合は、以下の注意点を守るようにしましょう。
まず、雇用契約書とは別に労働条件通知書を従業員に交付する場合、雇用契約書の電子化は自由にすることができます。しかし、雇用契約書が労働条件通知書を兼ねる場合、その電子化には「従業員側が希望していること」が条件となります。採用時に口頭で同意を得たとしても、後で「希望していない」といわれるとトラブルになるリスクがあるため、注意が必要です。
このようなトラブルを避けるためには、証拠を残すことが不可欠です。例えば、「雇用契約書が労働基準法15条1項・労働基準法施行規則5条4項に定める労働条件の明示書面(労働条件通知書)を兼ねることを確認した上で、本契約書兼同明示書面の交付をメール送信にて受けることを希望します」という内容の条項を雇用契約書に盛り込むことが推奨されます。
これにより、従業員の希望を明確にした上で電子化を進めることができ、後々のトラブル防止にもつながります。
関連記事:雇用契約書・労働条件通知書を電子化する方法や課題点とは?
10. 雇用契約書は記載内容を網羅して適切に交付・管理しよう

雇用契約書の内容の変更は雇用主側にも労働者側にも大きな影響を与えるため、内容は必要な記載事項を網羅し、わかりやすいものでなければなりません。企業としての義務を果たすためにも、必要な明示事項には抜けがないようにしましょう。
また、労働条件通知書(またはこれを兼ねる雇用契約書)は電子化が可能です。新入社員が多い、従業員の出入りが激しいなどで手続きに手間を感じている方は、システム上で確認してもらう方が効率的でしょう。
もし変更をおこなうと決定した場合にも、労働者側の同意を得る努力を怠らず、トラブルにならないよう手続きを進めていきましょう。
関連記事:雇用契約書・労働条件通知書を電子化する方法や課題点とは?



従業員を雇い入れる際は、雇用(労働)契約を締結し、労働条件通知書を交付する必要がありますが、法規定に沿って正しく進めなくてはなりません。
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