勤怠管理とは?意味・必要性・管理方法を人事総務向けにわかりやすく解説
更新日: 2026.6.2 公開日: 2020.1.29 jinjer Blog 編集部

人事や労務、総務の担当者となれば触れる機会も多いのが勤怠管理です。しかし、すべての企業に絶対的に合う勤怠管理はなく、企業ごとに適切な勤怠管理の手法が異なります。
勤怠管理の手法を変更、導入する際には、自社の規模や働き方の傾向を理解し、自社にあった勤怠管理をおこなうことが重要となります。
本記事では、冒頭で勤怠管理の重要性を明確にしたうえで、勤怠管理を怠ると起きやすいトラブル、労働基準法で定められている義務などを解説します。
目次
人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
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1. 勤怠管理とは


勤怠管理は、企業が適切な労務管理をおこなううえで欠かせない基本的な業務の一つです。
近年は働き方の多様化や労働時間に関する法規制の強化により、従業員の勤務状況を正確に管理する重要性がこれまで以上に高まっています。また、長時間労働の是正や適正な賃金支払いを実現するためにも、勤怠管理の仕組みを正しく理解しておくことが求められます。
担当者は、単に勤怠を記録するだけではなく、その役割や意義を理解したうえで運用することが重要です。ここでは、勤怠管理の意味とその目的について解説します。
関連記事:勤怠管理とは?目的や方法、管理すべき項目・対象者など網羅的に解説!
1-1. 勤怠管理の意味
勤怠管理とは、従業員の出勤・退勤時刻や労働時間、休憩時間、休日、残業時間などの勤務状況を記録し、適切に把握・管理することを指します。
企業が従業員に対して適正な賃金を支払い、労働時間を正確に管理するための基本となる業務であり、労務管理の中でも重要な役割を担います。単に出退勤を記録するだけでなく、実際に働いた時間を基準として時間外労働や休日労働の有無を確認し、法令に基づいた運用をおこなわなければなりません。
また、勤怠管理によって収集されたデータは、給与計算や社会保険手続き、労働時間の分析などにも活用されます。このように勤怠管理は、企業運営における基盤となる業務であり、正確性と継続的な管理が不可欠です。
1-2. 勤怠管理の目的
勤怠管理は、従業員の労働時間を正確に把握し、適正な労務管理をおこなうことを目的としています。
勤怠管理にまつわる社会の問題として、「過剰な時間外労働などといった長時間労働の問題」「有給休暇の低取得率」「リモートワーク下における不正打刻やオーバーワーク」などが挙げられます。企業によって状況は異なりますが、これらの問題が今起きているかの現状把握や、起きてしまっている場合どのような解決方法をとるか検討しなければなりません。
勤怠管理をおこなえば、時間外労働の上限規制や36協定の遵守状況を確認できます。また、勤怠データを活用することで、従業員の働き方の傾向を把握し、過重労働の防止や生産性の向上にも役立てられるでしょう。
同法では、使用者に対して労働時間、休憩、休日の適正な管理を義務付けており、勤務実態を正確に記録することが求められます。適切な勤怠管理は、このような法令を遵守するためにも不可欠なのです。
関連記事:タイムカードのない会社は違法?正しい勤怠管理について解説
2. 勤怠管理の必要性とは?重要な理由


従業員数に関わらず、企業は全従業員の労働時間を把握することが法律によって義務付けられています。加えて、労働時間には労働基準法で一日8時間、週40時間と定められていることから、企業は労働時間の把握と労働時間の調整をしなければなりません。
しかし、勤怠管理が必要となるのは、下記のような理由もあります。
- 正しい給与計算と賃金支払いのため
- 従業員の健康管理のため
- 労働基準法遵守のため
- 働き方改革に対応するため
ここでは、これらの理由を踏まえ勤怠管理の重要性を解説します。
2-1. 正しい給与計算と賃金支払いのため
勤怠管理の最大の目的の一つは、正確な給与計算をおこなうことです。
労働時間、残業、休日労働、深夜労働などの勤務実績は、賃金支払いの根拠となります。労働基準法第24条では「賃金の全額払いの原則」が定められており、勤怠情報に誤りがあると未払い賃金や過払いが発生するおそれがあります。さらに、勤務記録の不備が長期的に続くと、労働基準監督署から是正勧告を受ける場合もあります。正確な勤怠データに基づいた給与計算は、従業員の信頼を得るうえでも欠かせません。
賃金は従業員の労働実績に基づいて支払われるものですが、残業や深夜労働など割増賃金が必要な時間などをきちんと管理して記録しておかなければ、正しい金額の賃金を求めることができません。
正確な給与計算ができず残業代未払いなどが問題になると、訴訟に発展するリスクや社会的信用を損なってしまう可能性もあるため、正確な勤怠管理が求められます。
関連記事:勤怠の締め作業の重要性とは?重要性や効率的に管理する方法をご紹介!
2-2. 従業員の健康管理のため
勤怠管理が必要な理由として、もう一つおさえておきたいのが従業員の健康管理です。近年では、過度な残業による過労死や精神不調が社会問題となっており、長時間労働を防いで従業員の心身の健康を守るためにも勤怠管理は重要です。
また、労働時間の過剰や休憩の不足は、従業員の劣悪な労働環境をもたらし、結果的に企業全体の生産性にも影響を与えるため、正確な勤怠管理を通じて安定した労働条件を整備することが不可欠です。さらに、企業が健全な労働環境を提供することは、従業員のモチベーション向上や離職率の低下につながり、継続的な成長を促す要因となります。このように、勤怠管理は企業の経営戦略の一環としても、重要な役割を担っています。
2-3. 労働基準法遵守のため
勤怠管理は、企業が労働基準法を遵守するための基本的な仕組みです。労働時間、休憩、休日に関する規定は、すべての使用者が守らなければならない最低基準として定められています。
労働基準法では、労働時間を「1日8時間、週40時間」までとしています。また、1日8時間・週40時間を超える労働をおこなう場合には、36協定の締結と届出が必要です。勤怠記録が不十分なまま長時間労働が常態化すると、法令違反や行政指導の対象となるおそれがあります。
2019年4月には働き方改革の一環として、残業時間に上限規制が罰則付きで設けられ、従業員の過重労働に対する取り締まりが一層厳しくなっています。法律を遵守した経営を実現するためにも、より厳密な労働時間管理が求められています。
関連記事:法律改正で変わる勤怠管理 | 2019年4月より改正された労働基準法を徹底解説
関連記事:勤怠管理で気をつけるべきルールとは?見落とせない法律も解説
2-4. 働き方改革に対応するため
近年、政府主導で進められている働き方改革の流れにより、勤怠管理の重要性は一層高まっています。
総務省統計局「労働力調査」では、働き方が多様化していることがわかります。非正規雇用も正規雇用も微増していますが、今後もこの割合が続くと考えられるでしょう。
また、子育てのしやすい環境作り、通勤ラッシュを避けるなどの目的のために、勤務時間・勤務場所に一定の自由度が必要になりました。そこで、フレックスタイムやリモートワークなど働き方の多様化への対応が求められています。周りの企業が働き方に多様性を持たせる中で、柔軟な対応が、今後の人材確保や企業競争力を維持する鍵となります。。働き方の多様化によって、各従業員の働き方に合わせた勤怠管理が、より必要不可欠なものになっているのです。
さらに、働き方改革にともなう労働基準法の改正によって新たに管理が義務化された内容や罰則が設けられた内容もあるため、勤怠管理はますます重要度が高まっています。
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関連記事:労働時間の労働基準法違反で企業が受ける罰則と違反しないための対策とは
3. 勤怠管理を怠ることで起きやすいトラブル


勤怠管理は単に出勤・退勤を記録するだけの業務ではなく、労働時間を適切に把握し、賃金支払いや労働環境の適正化につなげるための重要な労務管理です。
勤怠管理が正しくおこなわれていない場合、未払い残業や長時間労働の見落としなど、企業にとって大きな労務リスクにつながる可能性があります。また、労働時間の把握義務を果たしていないと判断されれば、行政指導や是正勧告の対象となるため注意しましょう。
ここでは、勤怠管理怠っている企業で起きやすい主なトラブルについて解説します。
3-1. 未払い残業(サービス残業)が発生する
勤怠管理を適切におこなっていない企業では、未払い残業、いわゆるサービス残業が発生するリスクが高くなります。例えば、打刻時間と実際の労働時間が一致していない場合や、残業を事前申請制のみにしている場合、実際には働いている時間が勤怠記録に反映されないケースが生じるかもしれません。
このような状況では、従業員が時間外労働をおこなっていても、残業時間として正しく計上されず、結果として残業代が支払われない状態となります。労働基準法では、企業は労働者が実際に働いた時間に応じて賃金を支払うことを定めています。
そのため、未払い残業が発生した場合には、過去にさかのぼって残業代の支払いを求められる可能性もあるのです。さらに、従業員との労務トラブルや訴訟に発展するケースもあるため、正確な労働時間の把握と適切な勤怠管理が不可欠です。
3-2. 労働時間の把握義務違反になる
企業には、従業員の労働時間を適切に把握する義務があります。これは労働基準法に基づく労務管理の基本的な責任であり、厚生労働省が公表している「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」においても明確に示されています。
例えば、労働時間を従業員の自己申告のみに任せている場合や、実際の勤務状況と異なる時間が記録されている場合は、適切な労働時間管理がおこなわれていないと判断されることがあります。
また、上司の指示による始業前作業や終業後の業務が勤怠に反映されていない場合も、実態としては労働時間であるため注意が必要です。労働時間の把握が不十分な状態は、未払い残業の発生や長時間労働を見逃すリスクが高くなります。そのため、企業は客観的な方法で労働時間を把握し、実態に即した勤怠管理をおこなう必要があるのです。
3-3. 長時間労働による健康問題が発生する
勤怠管理を怠っている場合、長時間労働が把握できず、従業員の健康リスクが高まる可能性があります。
労働時間が正確に管理されていないと、特定の従業員に業務負担が集中していても企業側が気づきにくくなります。その結果、慢性的な長時間労働が続き、過重労働による健康障害につながってしまうのです。
長時間労働は、脳・心臓疾患などの重大な健康問題の要因となることがあり、労働災害として認定される可能性もあります。企業には従業員の安全と健康を守る責任があり、そのためには労働時間の状況を継続的に把握し、長時間労働を防止する仕組みを整えることが重要です。
適切な勤怠管理は、単なる労務管理のためだけではなく、従業員の健康管理や安全配慮の観点からも重要な役割を果たします。
3-4. 労働基準監督署の是正指導を受ける可能性がある
勤怠管理が適切におこなわれていない場合、労働基準監督署の調査で問題が指摘される可能性があります。
労働基準監督署は、企業が労働基準法などの法令を守っているかを確認するために立入調査を実施することがあります。その際、労働時間の記録や賃金台帳、出勤簿などの資料が確認されます。その際、労働時間の管理が不十分であったり未払い残業が疑われたりした場合には、是正勧告や改善指導がおこなわれるので注意しましょう。
是正勧告を受けた場合、企業は問題を改善し、その結果を報告する必要があります。また、重大な違反がある場合には罰則が適用される可能性もあります。
このような事態を防ぐためには、日常的に正確な勤怠記録をおこない、労働時間を適切に管理する体制を整備しておくことが重要です。
4. 労働基準法で定められている勤怠管理の義務


勤怠管理は企業の任意の業務ではなく、労働基準法などの法令に基づいておこなう必要があります。企業は従業員の労働時間を正しく把握し、その記録を保存しなければなりません。
また、長時間労働を防止するための管理体制を整えることも求められています。これらの義務は、従業員の健康や安全を守るとともに、適正な賃金支払いを実現するための重要な仕組みです。
企業が正確な労務管理をおこなうためには、まず法令上どのような義務があるのかを理解しておくことが重要です。ここでは、労働基準法などに基づく勤怠管理の主な義務について解説します。
4-1. 労働時間を把握する義務
企業には、従業員が実際に働いた労働時間を適切に把握する義務があります。
残業代を正確に支払うためには、実際の労働時間を正確に把握することが前提となります。厚生労働省のガイドラインでも、企業は従業員の始業時刻と終業時刻を確認し、労働時間を把握することが求められています。
労働時間を把握していない場合、未払い残業の発生や長時間労働の見逃しにつながるおそれがあるため注意が必要です。また、労働時間の管理が不十分な場合には、労働基準監督署から指導を受ける可能性もあります。
こういったリスクを回避するためにも、企業は従業員の勤務状況を適切に確認し、実際の労働時間に基づいた勤怠管理をおこないましょう。
4-2. 労働時間を客観的に記録する原則
労働時間の把握においては、できるだけ客観的な方法で記録することが重要です。
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のためのガイドライン」では、タイムカードやICカード、パソコンのログ記録など、客観的な記録によって労働時間を把握することが原則とされています。自己申告制による管理も認められていますが、その場合でも企業は申告内容が実態と一致しているかを確認する必要があります。例えば、上司が申告時間を一方的に修正するような運用は適切とはいえません。
また、始業前の準備作業や終業後の業務など、実際に業務をおこなっている時間が記録に反映されていない場合には、労働時間の把握が不十分と判断される可能性があります。客観的な方法で労働時間を記録することは、適正な勤怠管理をおこなううえで重要な基本原則です。
4-3. 労働時間記録の保存義務
企業は、労働時間に関する記録を一定期間保存する義務があります。
労働基準法では、賃金台帳や出勤簿などの労務管理に関する書類を保存することが定められています。これらの記録は、賃金の支払い状況や労働時間の管理状況を確認するための重要な資料となります。
保存期間については、法令に基づいて適切に管理しなければなりません。労働時間の記録が残っていない場合、未払い残業の確認や労務トラブルの解決が難しくなる可能性があります。また、労働基準監督署の調査がおこなわれた際には、労働時間の記録や賃金台帳などの資料の提出を求められることもあります。そのため、企業は日常的に勤怠データを適切に管理し、必要な期間保存する体制を整備しておくことが重要です。
4-4. 長時間労働を防止する管理義務
企業には、従業員の長時間労働を防止するための管理体制を整える義務があります。
長時間労働は、従業員の健康に重大な影響を与える可能性があるため、国も働き方改革の一環として是正を進めています。企業が労働時間を適切に把握していない場合、長時間労働の状況を把握することができません。その結果、過重労働を見逃してしまうおそれがあります。
そのため、勤怠管理を通じて従業員の労働時間を継続的に確認し、一定時間を超える残業が発生している場合には業務の見直しや人員配置の調整などの対策を講じることが重要となるのです。適切な勤怠管理は、従業員の健康を守るための重要な取り組みの一つでもあるので義務を遵守しましょう。
5. 勤怠管理の対象となる従業員


2017年に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が策定され、2019年の労働安全衛生法の改正により客観的な記録を用いて従業員の労働時間を把握することが義務化されました。
このガイドラインには勤怠管理の対象となる人の条件が書かれており、裁量労働制の適用者や管理監督者を含む全ての労働者(高度プロフェッショナル制度対象労働者は除く)と記載されています。
勤怠管理は、すべての従業員に対しておこなわれるべきですが、特定の条件や職務において例外が存在します。対象となる範囲とならない範囲を明確に理解することは、効果的な勤怠管理の実施に繋がるため、ポイントを押さえておきましょう。
関連情報:客観的な記録による労働時間の把握が法的義務になりました|出雲労働基準監督署
5-1. 原則としてすべての従業員が対象
勤怠管理は、原則としてすべての従業員を対象におこなう必要があります。
正社員だけでなく、契約社員、パートタイム労働者、アルバイト、派遣社員など、雇用形態にかかわらず労働契約に基づいて業務をおこなう従業員については、労働時間を適切に把握することが求められます。
これは、労働基準法に基づき、企業が労働時間や賃金を適正に管理する責任を負っているためです。また、短時間勤務の従業員やシフト勤務の従業員についても同様に、始業時刻や終業時刻、休憩時間などを正確に記録しなければなりません。
勤怠管理の対象を一部の従業員に限定してしまうと、未払い残業や労働時間の把握漏れが発生するおそれがあります。そのため、企業は雇用形態や勤務形態に関係なく、すべての従業員について適切な勤怠管理を実施する体制を整備することが重要です。
5-2. 例外的な勤怠管理の対象
労働時間の制約や労働条件は労働基準法によって規制されています。過労や健康への影響を防ぎ、労働者を保護するために労働時間の制約がありますが、いくつか例外的な業種や労働形態が存在します。例えば以下のような業種です。
- 医療や介護の現場では、24時間体制でのサービス提供が必要となるため労働時間の制約が緩和されることがある
- 運送業では、長時間の運転や乗務が必要な特性があるため、労働時間の制限が特例的に適用されることがある
- 砂糖製造業は収穫や精糖などの作業に季節的な変動があるため、労働基準法では季節労働者制度が適用され、従業員の労働時間や休憩時間の制約が緩和されることがある
- 農業や水産業は季節や天候の変動により、作業の特性や需要に応じて労働時間が変動することがある
建設事業、自動車運転の業務、医師、鹿児島県および沖縄県の砂糖製造業については、2024年3月31日をもって労働時間の上限規制に対する猶予期間が終了しました。同年4月1日からは、これらの業種にも上限規制が適用されているため、より厳格な管理が求められます。
6. 勤怠管理で記録・把握すべき項目


厚生労働省が発表している「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、使用者は各労働者の労働日ごとの始業と終業の時間を勤怠管理として確認・記録しなくてはならないとしています。
この他にも、賃金台帳には給与計算の基礎となる項目別に従業員の労働時間等を記入する必要があるため、勤怠管理で確認・記録すべき内容について再度確認しておきましょう。
| 出退勤の時間 | 実際に労働が始まった時間と終わった時間 |
| 労働時間 | 労働者が使用者の指揮命令下にある時間 |
| 休憩時間 | 労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間の休憩時間を従業員にとらせなくてはならない |
| 時間外労働時間 | 「1日8時間、週40時間」の法定労働時間を超えて労働させた場合の時間 |
| 深夜労働時間 | 22時~5時の深夜時間での労働 |
| 休日労働時間 | 法定休日におこなった労働時間 |
| 欠勤日数 | 休暇・休業ではなく体調不良などで仕事を休んだ日 |
| 年次有給休暇の取得状況・残数 | 年次有給休暇の管理 |
関連記事:勤怠管理は何をチェックするべき?用意すべき法定三帳簿とは?
7. 勤怠管理の種類とそのメリット・デメリットとは


株式会社ネオキャリアが実施したアンケート調査によれば、勤怠管理をおこなっている企業では主にタイムカードやエクセル、社内システム、クラウドサービスが利用されていることがわかります。
勤怠管理には様々な方法がありますが、ここではそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
7-1. タイムカード打刻
紙のタイムカードをタイムレコーダーと呼ばれる始業時刻・終業時刻を印字する機器に差し込んで、打刻・管理するのが「タイムカード打刻」という管理方法です。
<メリット>
紙を機器に差し込むだけで記録が可能な利便性があげられます。また、最近はICカード(suica・pasumoなど)への対応したタイプもあり、さらに利便性が高まっています。日々使うICカード(Suica・Pasmoなど)に対応したタイプであれば、紙のタイムカードに比べ、なりすまし打刻の抑止につながる可能性があります。
<デメリット>
集計作業に時間がかかることや、なりすまし打刻ができてしまうこと、法律による保管義務によってタイムカードを5年間(当分の間は3年間)保存しなければならない点があげられます。保管は義務なので、違反した場合には30万円以下の罰金が科せられることになります。
また、タイムカードでの打刻では出退勤のみの記録だけで、各種申請に関しては自己申告となるため、管理者は承認業務の工数がかかるというのもデメリットです。
7-2. エクセル手入力
エクセル手入力による勤怠管理は、表計算ソフトを使用して出勤時刻や退勤時刻、休憩時間などを手動で入力し、労働時間を集計する方法です。
専用のシステムを導入する必要がないため、既存のパソコン環境を活用して比較的容易に運用を開始できる点が特徴です。
<メリット>
エクセル手入力のメリットは、専用のシステムを導入する必要がなく、既存の環境を活用して運用できる点です。
多くの企業では表計算ソフトがすでに導入されているため、新たな設備投資をしなくても勤怠管理を始めることが可能です。また、企業の業務内容や勤務形態に応じて自由にフォーマットを作成できます。
関数や計算式を設定することで、労働時間や残業時間の計算を自動化することもでき、一定程度の効率化が図れるというメリットもあります。
初期費用を抑えつつ柔軟に運用できる点が、エクセル管理の大きな利点といえます。
<デメリット>
誰でも虚偽の申告ができてしまう点や、エクセルの改ざんが可能であり、正確性や客観性に欠ける部分がデメリットになります。この点から、厚生労働省によるガイドラインで提示されているように、エクセルでの勤怠の記録は推奨されていません。
また、エクセルへの入力は手動でおこなうため、ヒューマンエラーのリスクがあります。間違えないようにするためには慎重に入力するだけでなく、何回も確認作業をおこなわなければなりません。これが、担当者にとって大きな負担になることもデメリットと言えます。
関連記事:エクセルで出勤簿を作成するときのポイントや注意点を解説
7-3. 社内システム利用
社内システムによる勤怠管理は、自社で構築または導入した専用のシステムを利用して労働時間を管理する方法です。企業の業務内容や勤務形態に合わせて独自の機能を設計できるため、既存の業務フローに適合した運用が可能となる点が特徴です。
一般的に大企業と呼ばれるような規模感のある企業でおこなわれている勤怠管理になります。
<メリット>
社内システム利用のメリットは、自社の業務内容や就業規則に合わせた機能を実装できる点にあります。既存の人事給与システムや業務システムと連携させる機能が搭載されていれば、データの一元管理が可能となり、手作業による入力や転記の手間を削減できるのもメリットです。
また、社内のルールに応じた承認フローや集計方法を設定できるため、業務効率の向上につながります。独自のシステムなので、複雑な就業規則を採用している企業や、システムエンジニアを有している企業などには費用対効果が高い勤怠管理方法です。
<デメリット>
初期費用が高く、導入までにも時間がかかってしまうのがデメリットです。システムの開発や導入には時間と費用が必要となり、企業の規模によっては大きな投資となります。
また、運用開始後もシステムの保守や更新、法改正への対応などをおこなう必要があり、専門的な知識を持つ担当者が求められることがあります。さらに、運用管理を自社でおこなう必要があるため、維持費用が高額になってしまうこともあります。ランニングコストとしてはサーバー利用料があり、そのほかにサーバー交換費用やシステム変更費用、法改正への対応費などもかかります。
7-4. 勤怠管理システム利用(クラウドサービス)
クラウド型の勤怠管理システムは、インターネットを通じて提供されるサービスを利用し、出退勤時刻や労働時間を管理する方法です。近年では、テレワークや多様な働き方の普及に伴い、多くの企業で導入が進んでいます。
また、パソコンやスマートフォンから打刻が可能なので、リアルタイムで労働時間を確認できる点が特徴です。法改正への対応や機能の更新がサービス提供側によっておこなわれる場合が多く、最新の制度に対応しやすい点も注目されています。
<メリット>
時間外労働や有休の管理、休日出勤等も一括で管理できるのがメリットです。また、システムによってはさまざまなデバイスへの対応が可能で、外回りが多い営業職の従業員やリモートワークが多い従業員の勤怠管理も可能となります。このようにシステムによって把握することで勤怠情報を正確に管理できます。
法改正にもシステム提供会社が対応してくれるため、利用者には負担がかかりません。さらに、クラウド型の勤怠管理システムは、データがクラウド上で一元管理されます。そのため、リアルタイムで情報にアクセス可能となり、企業の迅速な意思決定に役立てることができます。管理者が各部門の勤怠情報を一目で把握できるダッシュボードを提供するシステムも多く、業務の効率化に直結します。
<デメリット>
自社の勤務形態に合う勤怠管理システムの導入ができないと、金銭的なコストの増加や、従業員の使用が定着しないことによる人事・労務担当者の工数を増加させてしまう可能性があります。また、クラウドサービスへの依存度が高いため、サービス提供会社のトラブルやシステムのダウンが発生した場合、業務に大きな支障をきたすリスクがあるのもデメリットです。
さらに、高度な機能が多いため、システムの利用に慣れるまでの教育やトレーニングにも時間とリソースが必要となります。しかし、ヒューマンエラー防止や業務負担を減らすなどのメリットが大きいので、費用対効果は大きい方法といえるでしょう。
関連記事:勤怠管理システムとは?はじめての導入にはクラウド型がおすすめ
8. 勤怠管理の方法を選ぶ際のポイントとシステム導入事例


勤怠管理をおこなうにあたって一番重視すべき点は「正確性」と「運用コスト」です。正確性に関してはなりすましや、勤務情報の改ざんの困難さからも社内システムが秀でているでしょう。一方で、運用コストに関しては、金銭面、管理工数の面から勤怠管理システムに軍配が上がります。
そこで、勤怠管理システムに乗り換える具体的なイメージを持てるよう、タイムカードや紙管理から勤怠管理システムへの乗り換えた事例を2つ紹介します。
関連記事:勤怠管理をペーパーレス化するには?電子化のメリット・デメリットも解説
8-1. タイムカードから勤怠管理システムへ
世界に37拠点を持つ「ビュルケルトジャパン株式会社(製造業)」の事例です。
<導入前の課題>
- 集計作業を手作業でおこなっており、時間と手間がかかっていた
- 勤怠管理に時間がかかり、兼業している経理や採用などに時間を割くことができなかった
- 年次有給休暇の管理を紙管理でおこなっており、非常に手間だった
<導入後の結果>
- 集計作業の自動化や年次有給休暇の管理方法見直しによって、勤怠管理業務にかける時間が削減した
- 今まで勤怠管理業務に充てていた時間を採用活動などの本来おこないたい業務に時間を使うことができるようになった
- 残業時間などのデータを活用できるようになり、従業員の正確な残業時間の把握とその対処が迅速におこなえるようになった
8-2. 紙管理から勤怠管理システムへ
幅広い輸入品を取り扱う「株式会社新井清太郎商店(商社)」の事例です。
<導入前の課題>
- タイムカードで管理していたため、目視よる勤怠の締め作業が担当者の負担になっており、業務効率の改善が求められた
- 休暇や残業などの各種申請に紙書類やエクセルを使用しており、国内外の出張が多い従業員の申請手続きや書類の確認に時間を要していた
<導入後の結果>
- 勤怠情報をリアルタイムに把握できるようになり、給与計算とのシステム連動によって、勤怠管理から給与計算までの業務時間を約半分に削減することに成功した
- システム上で申請から承認までのフローが一元化されたことで、手続きの流れが改善され、従業員のストレスも大幅に削減できた
9. 勤怠管理システムを選ぶポイント


社内システムでは運用に金銭的なコストがかかったり専門的な知識が必要となったりする一方で、勤怠管理システムでは比較的運用に関するコストを抑えることが可能です。
現状の課題が前述の事例に被るようであれば、勤怠管理システムを導入する方が費用対効果は期待できるでしょう。ここでは、勤怠管理システムを選ぶ際のポイントについて解説します。
9-1. 従業員が使いやすい
システムは導入して終わりではなく、従業員が積極的に利用しなければ導入した意味がありません。そのため、従業員が日常的に使う勤怠システムは、操作性が鍵となります。
従業員の使いやすさを重視する場合、直感的なUI設計、申請・承認フローの簡潔さ、打刻方法の柔軟性といった要素が重要です。例えば、PC打刻やスマホ打刻・ICカード打刻、チャット連携など複数手段を提供するシステムは、従業員の業務形態に合わせやすく、打刻忘れの抑止につながります。
また、リアルタイムで勤務時間が確認できたり、アラート通知で残業が近づいた従業員に知らせられたりする機能があると、勤怠管理の効率化も可能です。
従業員に使いやすさを確認してもらうためには、まず1つの部署だけで導入を試すか、トライアルを実施しているサービスであれば何名かの従業員に操作してもらうなどの対応をおこないましょう。
9-2. 既存システムと連携できる
使いやすさの次に重要なのが、「既存システムと連動できるか」ということです。
新たなシステムと既存システムとの互換性が無いと、従業員のマスターデータをそれぞれ個別に管理する必要が生じるため、結果としてシステム導入前と作業効率があまり変わらないという事態が生じかねません。
例えば、勤怠データがシームレスに給与計算に反映されないと、集計ミスや二重入力のリスクが発生します。給与計算を間違えてしまうと、修正作業をおこなうことになるので、逆に作業効率が下がってしまいます。
そのため、給与計算など別のシステムを導入している場合は、新たなシステムとの互換性を確認しましょう。
また、将来的に導入を検討しているシステム(勤怠以外の人事・労務・会計システムなど)がある場合は、API連携やCSV出力など、外部連携の方式を事前に確認しておくのもポイントです。
9-3. サポートが充実しているか確認する
勤怠管理システムを扱う企業は昔と比べ増加しており、提供元ごとにサポートの内容も異なります。自社が必要とするサポートが含まれているか、導入前に確認することが大切です。無料体験を実施している所であれば、性能だけでなくサポートの質も確認できるので、積極的に活用してみましょう。
また、勤怠管理システムの変更は従業員への教育コストや適応期間が高くつくため、一度変更した後に再変更するのはなかなか難しいものになります。納得が行くまで念入りな確認をおこなうことをおすすめします。
勤怠管理システムの導入によって業務効率が上がれば、担当者を別の業務に回せるようになり、人材の有効活用にもつながります。業務のDX化という観点でも、勤怠管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。当サイトでは、2019年の働き方改革による法改正のそもそもとなる概要や起きがちな課題、その解決方法を解説した資料を無料で配布しております。働き方改革の各項目についてしっかり解説しているため、法改正の内容に不安な点がある方やシステムを活用した働き方改革の事例が気になる方は、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。
10. 勤怠管理システムの必要性


勤怠管理システムは、従業員の出退勤や休暇情報を正確に記録・集計できるツールです。
従来の紙やエクセルによる管理では、打刻漏れや集計ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすく、給与計算や労働時間の把握に時間がかかるという課題がありました。しかし、勤怠管理システムでは勤怠データが自動で集計されるため、手作業による確認や修正の手間を大幅に削減できます。
また、製品によっては残業時間や有給休暇の取得状況などをリアルタイムで把握できるため、労働時間を的確に管理することも可能です。法改正への対応機能が備わっているシステムであれば、労働基準法や働き方改革関連法への準拠もスムーズにおこなえます。
業務効率化とコンプライアンス強化の両立が可能になるため、勤怠管理システムは現代の人事・労務業務に欠かせない存在といえます。
11. 法令順守を意識した正しい勤怠管理をおこなうことが大切


勤怠管理とは、出退勤の時間や残業時間、休憩時間、欠勤、有給の取得状況など、従業員の労働時間を適切に管理する業務です。法律によって客観的な方法により把握することが使用者に義務付けられています。
一部の例外を除いて、ほぼすべての労働者の勤怠を把握しなければならず、従業員数が多い企業は特に勤怠管理の効率化が求められるでしょう。効率化する一番の方法は、勤怠管理システムの導入です。
勤怠管理システムは、初期費用やランニングコストが必要になりますが、出退勤や労働時間など勤怠管理の項目を自動で集計できます。そのため、担当者の業務負担軽減だけでなくヒューマンエラーを防ぐことも可能です。
この機会に自社の勤怠管理を見直し、必要であれば勤怠管理システムの導入を検討してみましょう。
関連記事:勤怠の改ざんが発覚!不正予防と対処法について徹底解説



人事労務担当者の実務の中で、勤怠管理は残業や深夜労働・有休消化など給与計算に直結するため、正確な管理が求められる一方で、計算が複雑でミスや抜け漏れが発生しやすい業務です。
さらに、働き方が多様化したことで管理すべき情報も多く、管理方法と集計にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな担当者の方には、集計を自動化できる勤怠システムの導入がおすすめです。
◆解決できること
- 打刻漏れや勤務状況をリアルタイムで確認可能、複雑な労働時間の集計を自動化
- 有給休暇の残日数を従業員自身でいつでも確認可能、台帳の管理が不要に
- PCやスマホ・タブレットなど選べる打刻方法で、直行直帰やリモートワークにも対応
システムを利用したペーパーレス化に興味のある方は、ぜひこちらから資料をダウンロードの上、工数削減にお役立てください。
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