住民税とは?種類や計算・納付方法・非課税になるケースを解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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住民税とは?種類や計算・納付方法・非課税になるケースを解説

男性とお金

住民税は、前年の所得をもとに税額が決定される地方税です。給与から天引きして納付する「特別徴収」をはじめ、企業が対応すべき実務も多く、給与計算や労務管理と密接に関わっています。

また、住民税は所得税と仕組みが異なる部分も多く、控除の取り扱いや非課税基準などで誤りが生じやすい点にも注意が必要です。

本記事では、住民税の種類(均等割・所得割)や計算方法、非課税となるケースに加え、退職時の手続きや年末調整後に提出が必要となる書類まで、実務に役立つポイントをわかりやすく解説します。

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1. 住民税とは

書類

住民税とは、都道府県や市区町村の自治体に納める地方税の一種です。企業が支払う法人住民税とは別に、従業員個人が納めるものを「個人住民税」とよびます。

個人住民税は、地域社会のインフラ整備や教育、福祉など行政サービスを支えるための財源として活用されます。企業の所在地ではなく、1月1日時点で従業員が居住している自治体に納める仕組みです。

住民税は、「前年の所得」にもとづいて課税される点が大きな特徴です。そのため、従業員の所得が増減した場合は、翌年度の住民税額に反映されます。例えば、2026年度の住民税は、2025年中の所得をもとに算定されます。

なお、住民税と同様、個人に対して課税される税金に「所得税」があります。両者には次のような違いがあるため、混同しないよう注意しましょう。

住民税 所得税
課税対象 所得
納付先 地方自治体
納税時期 前年分の所得に対しその翌年 当年
税率 一律税率(原則10%) 累進課税(5~45%)

住民税の取り扱いに不安がある場合は、税理士など専門家に相談しながら、管理体制の整備を進めるとよいでしょう。

関連記事:所得税と住民税の違いは?高いのは?計算方法の違いについても解説

1-1. 住民税には賦課課税方式が採用されている

住民税には「賦課課税方式」が採用されています。賦課課税方式とは、納税者自身が税額を計算して申告するのではなく、自治体が所得情報などをもとに税額を計算し、その結果を納税者へ通知する仕組みのことです。

具体的には、企業が提出する給与支払報告書や、個人がおこなう所得税の確定申告などの情報をもとに、市区町村が前年の所得額を把握し、それに応じて住民税額を算定します。このように、住民税は自治体が税額を決定する点で、納税者が自ら税額を計算する「申告納税方式」とは仕組みが異なります。

参考:地方税の仕組み|総務省

関連記事:給与計算における住民税とは – 住民税の計算方法・納付・注意点について解説

1-2. 住民税申告の必要性

年末調整や所得税の確定申告をおこなっている場合、その内容は勤務先や税務署から各自治体へ提供されるため、原則として住民税の申告を別途おこなう必要はありません。住民税は、自治体が所得情報をもとに税額を計算して決定する仕組みとなっているので、自治体が所得状況を把握できていれば、改めて申告する必要はないためです。

一方で、自治体が所得状況を把握できない場合には、「住民税申告」が必要となることがあります。例えば、会社員が勤務先で年末調整を受けており、副業の所得が20万円以下であるため所得税の確定申告が不要な場合でも、副業による所得は自治体が把握できないので、住民税申告が必要になるケースがあります。

また、所得税の確定申告は、追加で納付すべき税額が発生する場合などに義務となりますが、住民税申告は、所得が少なく住民税が課税されない場合であっても求められることがあります。これは、国民健康保険料の算定や各種行政サービスの利用などに所得情報が必要となるためです。

参考:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁
参考:確定申告と住民税(市民税・県民税)申告は何が違うのですか?|富里市

関連記事:年末調整はいつまでにするべき?確定申告との違いや計算方法を解説

2. 住民税の種類

はてな

個人住民税は、大きく「均等割」と「所得割」の2つで構成されています。それぞれ課税の考え方や計算方法が異なるため、住民税の仕組みを理解するうえでは両者の違いを把握しておくことが重要です。

また、一定の所得以下の場合には住民税が課税されない「非課税」の制度もあります。ここでは、住民税の均等割・所得割それぞれの基本的な仕組みと非課税ラインについて解説します。

参考:個人住民税|総務省

2-1. 均等割

均等割とは、所得金額の多少にかかわらず、一定以上の所得がある人に対して一律に課される住民税です。自治体の行政サービスを広く住民全体で負担するという考え方に基づいています。

均等割の税額は自治体によって若干異なる場合がありますが、標準的には次のような内訳となっています。

  • 都道府県民税:1,000円
  • 市区町村民税:3,000円

また、2024年度(令和6年度)からは、森林整備などの財源として「森林環境税」が新たに課税されています。森林環境税は年額1,000円で、個人住民税の均等割とあわせて徴収されます。

2-2. 所得割

所得割は、前年(1月1日から12月31日まで)の個人の所得に応じて課される住民税です。所得金額から所得控除を差し引いて算出した課税所得金額に、一定の税率を乗じて税額が計算されます。

所得割の標準税率は、次のとおりです。

所得割 政令指定都市以外 政令指定都市
道府県民税 4% 2%
市町民税 6% 8%

合計の標準税率はいずれの場合も10%です。なお、所得割は前年の所得を基準に課税されるため、次のように前年の所得が大きく変動した場合には、翌年度の所得割の額にも大きく影響します。

  • 前年の賞与が多い
  • 転職や復職により勤務形態が変化した
  • 副業や不動産収入など本業以外の所得がある

このように所得の変動が見込まれる従業員に対しては、住民税額が翌年度に増減する可能性があることを事前に説明しておくとよいでしょう。適切な情報提供をおこなうことで、制度への理解が深まり、従業員の不安軽減にもつながります。

2-3. 住民税が非課税になるケース(110万円の壁)

住民税(所得割・均等割の両方)が非課税となる基準のひとつとして、単身者(配偶者や子などの扶養親族がいない場合)では、合計所得金額が45万円以下であることが挙げられます(東京都23区の場合)。

会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者の場合は、給与収入から給与所得控除を差し引いて給与所得を算出します。令和7年度税制改正により、給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円へ引き上げられました。これにより、給与収入のみの場合には、年収が110万円までであれば合計所得金額が45万円以下となり、2026年度の住民税は非課税となります。

このような背景から、住民税が課されるかどうかの目安として「110万円の壁」とよばれることがあります。ただし、この基準は自治体によって細かな条件が異なる場合もあるので注意が必要です。また、所得割のみが非課税となり、均等割は課税されるケースもあるため、住民税の課税関係を判断する際にはそれぞれの基準を確認することが重要です。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁
参考:個人住民税|東京都
参考:地方税法第295条|e-Gov法令検索

関連記事:年収の壁とは?税金や社会保険の負担が生じる103万、106万、130万、150万の壁を解説

2-3-1. 住民税非課税世帯が受けられる優遇措置とは?

住民税非課税世帯に該当すると、税負担が軽くなるだけでなく、さまざまな行政サービスにおいて優遇措置を受けられる場合があります。例えば、次のような支援が挙げられます。

  • 国民健康保険料や介護保険料の軽減
  • 医療費の自己負担の軽減
  • 保育料の減免 など

このように、住民税の非課税判定は、税金そのものの負担軽減にとどまらず、教育・医療・福祉など幅広い分野の生活支援制度の利用可否にも大きく関わる重要な基準となっています。

また、国や自治体が実施する各種給付金制度では、住民税非課税世帯が支給対象となるケースも少なくありません。なお、優遇措置の対象となるかを確認する際には、所得割のみが非課税でよいのか、あるいは均等割と所得割の両方が非課税である必要があるのかといった要件をよく確認することが大切です。

関連記事:住民税非課税世帯とは?対象となる条件や優遇措置を解説

2-4. 【2027年分以降】令和8年度税制改正により110万円の壁が引き上げられる?

近年は、物価上昇や就業調整への影響などを背景に、いわゆる「年収の壁」の見直しが議論されています。財務省が公表した「令和8年度税制改正大綱」では、給与所得控除の最低保障額や基礎控除の引き上げが検討されています。

このうち、給与所得控除の最低保障額の引き上げは所得税と住民税の両方に、基礎控除の引き上げは所得税のみに適用される見通しです。これにより、住民税が非課税となる年収の目安は、現在の「110万円」から「119万円」へ引き上げられる可能性があります。

一方、所得税の非課税ラインについては、「160万円」から「178万円」へ引き上げられる案が示されています。こうした見直しが実現された場合、所得税と住民税の非課税ラインの差が大きくなる点も注目されています。

なお、政府は令和8年度税制改正に関する関連法案を閣議決定し、国会に提出したことが報じられています。今後、具体的な改正内容や適用時期がどのように決定されるのかについて、引き続き動向を注視する必要があります。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

参考:26年度税制改正法案を国会提出 所得税「年収の壁」178万円に|Yahoo!ニュース

3. 住民税の計算方法

電卓とお札

住民税は、まず所得金額を算出し、そこから各種所得控除を差し引いて課税所得を求めます。その課税所得に税率を適用して所得割額を計算し、さらに税額控除などを反映したうえで、均等割を加算することで最終的な住民税額が決定されます。ここでは、住民税の一般的な計算の流れを順を追って解説します。

参考:個人住民税|東京都

3-1. 総所得金額の算出

まずは、1年間の所得をもとに総所得金額を算出します。総所得金額とは、給与所得・事業所得・不動産所得など、各種所得を合計した金額のことです。

給与所得者の場合は、給与収入から給与所得控除を差し引いて給与所得を求め、その金額が総所得金額の基礎となります。副業や不動産収入などがある場合には、原則として、それらの所得も合算して計算します。

3-2. 所得控除額の適用

次に、総所得金額から所得控除を差し引きます。所得控除とは、納税者の生活状況などを考慮して課税対象となる所得を減らす制度です。所得控除には、次の16種類があります。

  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除
  • ひとり親控除
  • 勤労学生控除
  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 特定親族特別控除
  • 基礎控除

なお、住民税と所得税では、同じ控除項目であっても控除の金額や上限が異なる場合があります。そのため、税額を計算する際には、それぞれの制度における控除内容を確認することが重要です。

関連記事:所得控除とは?控除の種類や所得控除を受ける方法を解説

3-3. 課税所得の算出

総所得金額から所得控除を差し引いた金額が「課税所得」です。計算式は次のとおりです。

課税所得 = 総所得金額 − 所得控除の合計額

こうして求められた課税所得が、住民税のうち「所得割」を計算するための基礎となります。

3-4. 所得割の算出

課税所得に税率をかけて、住民税の所得割額を算出します。住民税の所得割の税率は、一般的に10%です。計算式は次のようになります。

所得割額 = 課税所得 × 税率(原則10%)

自治体によっては税率や付加税が異なる場合もあるので、詳細は各自治体の制度を確認する必要があります。

関連記事:所得税率の種類一覧|給与や賞与の所得税の計算方法も解説

3-5. 所得税から税額控除の差し引き

算出した所得割額から、税額控除を差し引きます。税額控除とは、計算された税額そのものを直接減額する制度であり、所得控除とは異なり、課税所得ではなく税額に直接反映される点が特徴です。代表的なものには次のようなものがあります。

  • 住宅ローン控除
  • 寄附金税額控除
  • 配当控除

このような税額控除を差し引いた後の金額が調整後の所得割額となります。なお、税額控除には適用条件や控除上限が設けられているものもあるため、制度の内容を確認したうえで適切に適用することが重要です。

3-6. 均等割の加算

最後に、均等割を加算して住民税額が確定します。例えば、渋谷区の場合の内訳は次のとおりです。

  • 特別区民税(均等割):3,000円
  • 都民税(均等割):1,000円
  • 森林環境税:1,000円

参考:課税|渋谷区

なお、均等割の税額は原則として全国で同程度の水準となっていますが、自治体によっては独自の上乗せ措置が設けられている場合があります。そのため、実際の税額は居住する自治体の制度によって異なることがある点に注意が必要です。

関連記事:【企業担当者向け】所得税計算の仕組みとは?源泉徴収・年末調整のポイントを徹底解説

3-7. 【ポイント】所得税との計算方法の違いは?

住民税と所得税は、どちらも所得を基準に課税される税金ですが、計算方法にはいくつかの違いがあります。主な違いとして、次の2点が挙げられます。

まず「税率の仕組み」です。所得税は、所得が増えるほど税率が高くなる累進課税制度が採用されています。一方、住民税の所得割は原則として一律10%の税率が適用されます。

次に「控除の金額と上限」です。例えば、基礎控除は所得税が最大95万円(令和7年分)、住民税が最大43万円(令和8年分)です。また、生命保険料控除の上限は、所得税が12万円(令和7年分)、住民税が7万円(令和8年分)です。

このように、所得税と住民税では税率や控除制度の内容が異なるので、同じ所得水準であっても税額の計算結果が変わることがあります。そのため、所得税が課税されていない場合であっても、住民税については課税されるケースがある点に注意が必要です。

関連記事:所得税の累進課税制度とは?年収別の計算事例や税負担軽減のポイントを紹介

4. 住民税の納付方法

はてな

住民税の納付方法には、次の2つの方法があります。

  • 普通徴収
  • 特別徴収

なお、企業の判断や従業員の希望によって任意に普通徴収へ切り替えることはできず、従業員を雇用している企業は原則として特別徴収をおこなう必要があります。

住民税の取り扱いにおいては、特別徴収の未実施や納付漏れなどがあると、自治体から指導を受ける可能性があります。特に年度替わりの時期は、異動・退職・新入社員への対応が集中するため、実務上のミスが起きやすく注意が必要です。

4-1. 普通徴収

普通徴収とは、納税者本人が自治体から送付される納付書などを用いて、住民税を直接納付する方法です。主に、個人事業主やフリーランスなど給与からの天引きがおこなわれない人が対象となります。また、年金受給者については年金から特別徴収される場合もありますが、対象外となる場合には普通徴収によって納付します。

普通徴収の場合、住民税は一般的に年4回(6月・8月・10月・翌年1月)の納期に分けて納付します。納付は、金融機関やコンビニエンスストアのほか、口座振替などの方法が利用できる場合もあり、具体的な納付方法は自治体によって異なることがあります。

参考:個人住民税の年金からの特別徴収について|小平市

参考:個人での納付(普通徴収)について|武蔵野市

4-2. 特別徴収

特別徴収とは、勤務先の企業が従業員の給与から住民税を天引きし、本人に代わって自治体へ納付する方法です。従業員を雇用している企業は「特別徴収義務者」として、住民税の徴収および納付をおこなうことが法律上求められています。

対象となるのは正社員だけではなく、パート・アルバイト、役員などの給与所得者も含まれます。住民税は前年の所得をもとに税額が計算されるので、原則としてその年度の税額は1年間変わりません。

企業は、毎年自治体から送付される「特別徴収税額通知書」をもとに、原則として12ヵ月に分けて住民税を給与から控除し、自治体へ納付します。ただし、次のような場合には再計算がおこなわれ、税額が変更されることがあります。

  • 従業員が確定申告をおこなった場合
  • 扶養親族などの状況変更が後から判明した場合
  • 年末調整の再提出や訂正があった場合
  • 自治体の審査により内容が修正された場合 など

税額に変更が生じた場合は、自治体から変更後の「特別徴収税額通知書」が交付され、残りの期間で新しい税額が給与から控除されることになります。

参考:個人住民税と特別徴収について|東京都

関連記事:住民税の特別徴収とは?普通徴収との違いや手続きの流れを解説

4-3. 従業員が退職・転職する際は「給与所得者異動届出書」の提出が必要

従業員が退職や転職をした場合、従前の勤務先では給与の支払いがなくなるので、特別徴収を継続することができません。その際、企業は「給与所得者異動届出書」を作成し、従業員が居住している自治体へ提出する必要があります。

この届出書は、特別徴収をおこなっていた従業員に退職や転職などの異動があったことを自治体へ知らせるための書類です。提出することで、残りの住民税の徴収方法を変更するための手続きがおこなわれます。退職後の住民税の取り扱いには、主に次のような方法があります。

  • 退職時に残額を一括徴収する
  • 新しい勤務先で特別徴収を継続する
  • 普通徴収に切り替えて本人が納付する

なお、1月1日から4月30日までの間に退職した場合は、原則として残りの住民税を最後の給与などから一括徴収することとされています。企業は、退職や転職のタイミングに応じて適切に届出をおこない、住民税の徴収方法が円滑に引き継がれるよう対応することが重要です。

参考:退職・転勤などがあった場合(給与所得者異動届出書の提出)|大阪市

関連記事:退職者の住民税特別徴収の手続きは?会社がおこなうべき対応を解説
関連記事:転職で住民税の支払いはどうなる?納付方法や時期について解説

5. 住民税に関する企業実務への影響

ブロック

住民税は従業員個人に課される税金ですが、給与を支払う企業は「特別徴収義務者」として徴収や納付に関する事務を担います。そのため、企業の給与計算や年末調整の業務とも密接に関係しています。

住民税の仕組みや手続きを正しく理解しておかないと、納付漏れや提出書類の不備といった実務上のトラブルにつながる可能性があります。ここでは、企業が押さえておくべき住民税実務のポイントを解説します。

5-1. 住民税の特別徴収は「6月から翌年5月まで」の1年サイクル

会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者の場合、原則として勤務先が毎月の給与から住民税を差し引いて納付する「特別徴収」によって徴収されます。

特別徴収は、毎年6月から翌年5月までの12ヵ月間で税額を分割して徴収する1年サイクルとなっています。例えば、2025年中の所得に基づく住民税は、2026年6月から2027年5月までの給与から差し引いて納付することになります。

各市区町村からは、毎年5月頃に「特別徴収税額の決定通知書」が企業へ送付されるので、給与計算担当者は通知書の内容を確認し、6月支給分の給与から正しく控除を開始する必要があります。

関連記事:住民税決定通知書とは?見方や再発行の方法、ふるさと納税との関係も解説!

5-2. 特別徴収した住民税の納付漏れはペナルティの対象になる

企業が給与から特別徴収した住民税は、原則として徴収した月の翌月10日までに市区町村へ納付する必要があります。この納付期限は、給与から天引きする源泉所得税の納付期限と同様のスケジュールとなっており、給与計算業務では毎月確認すべき重要な期限のひとつです。

もし納付期限までに住民税を納付しなかった場合、延滞金が課される可能性があります。また、住民税は従業員から預かっている税金であるので、企業が納付を怠ると自治体からの督促や滞納処分の対象となる場合もあり、企業の信用問題につながるおそれもあります。

そのため、給与計算担当者は毎月の納付期限を正確に把握し、納付漏れが発生しないようスケジュール管理を徹底することが重要です。給与計算ソフトを利用している場合でも、納付データや納付状況を定期的に確認し、適切に処理されているかをチェックする体制を整えておく必要があります。

なお、給与の支払いを受ける従業員が常時10人未満の事業所については、市区町村の承認を受けることで「特別徴収税額の納期の特例」を利用できます。この特例を適用すると、住民税の納付を毎月ではなく年2回にまとめることが可能です。具体的には、6月から11月分は12月10日まで、12月から翌年5月分は翌年6月10日までに納付することになります。

このように、特別徴収の住民税には明確な納付期限が定められているので、企業は制度の内容を正しく理解し、適切な納付管理をおこなうことが求められます。

参考:納付のご案内|新宿区
参考:納期の特例について|八潮市

関連記事:源泉所得税の納付方法は?おすすめの選び方・納付期限を解説

5-3. 年末調整後は給与支払報告書を各市区町村へ提出する

企業が従業員に給与を支払った場合、その支払額などを記載した「給与支払報告書」を作成し、従業員の1月1日時点の住所地の市区町村へ提出する義務があります。年末調整の対象となった従業員だけでなく、年末調整を受けていない従業員や年の途中で退職した従業員についても、原則として提出が必要です。

給与支払報告書は、各自治体が住民税を計算する際の基礎資料となる重要な書類です。提出期限は、原則として翌年1月31日までとされています。提出先は、従業員の居住地ごとの市区町村となるため、複数の自治体に提出が必要になる場合もあります。

提出を怠ったり、内容に誤りがあったりすると、住民税の計算に影響が生じる可能性があるので注意が必要です。提出方法には紙による提出のほか、電子申告システムであるeLTAX(エルタックス)を利用したオンライン提出もあり、従業員数が多い企業では電子提出を活用することで業務の効率化が期待できます。

参考:給与支払報告書の提出について|大阪市

関連記事:給与支払報告書とは?書き方や提出先、期限、提出不要となる条件を解説
関連記事:給与支払報告書を電子申請する方法をわかりやすく解説

6. 住民税を正しく計算し申告漏れを防ごう

虫眼鏡

住民税は、前年の所得をもとに自治体が税額を決定する地方税です。会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者の場合、勤務先の企業が「特別徴収義務者」として、毎年6月から翌年5月までの間、給与から住民税を天引きし、自治体へ納付する仕組みになっています。

住民税は、所得に応じて課税される「所得割」と、一定額が課される「均等割」で構成されており、所得税とは計算方法や申告の仕組み、非課税基準などに違いがあります。

また、従業員が退職・転職した際には「給与所得者異動届出書」を提出する必要があるほか、年末調整後には「給与支払報告書」を期限までに提出するなど、企業には正確な事務手続きが求められます。

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