振替休日(振休)と代休の違いは?定義をわかりやすく解説! - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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振替休日(振休)と代休の違いは?定義をわかりやすく解説!

驚く男性

振替休日とは、あらかじめ休日と勤務日を入れ替える制度です。この仕組みは、休みの日に出勤し、その代わりに別の勤務日を休みにするという点で「代休」とよく似ています。そのため、両者の違いがわかりにくいと感じている人も少なくありません。

しかし、振替休日と代休で割増賃金の支払いや休日取得の手続きの方法が異なるため、運用方法を正しく理解していないと、思わぬ法令違反につながるリスクがあります。この記事を読んで、振替休日と代休の定義や取得タイミング、給与計算上の違いなど、両制度の違いを正しく理解しておきましょう。

休日出勤の対応や 振休・代休の付与に不安のある方へ

人事担当者の皆さまは、労働基準法における休日・休暇のルールを詳細に理解していますか?
従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。

そこで当サイトでは、労働基準法にて定められている内容をもとに、振休や代休など休日を取得させる際のルールを徹底解説した資料を無料で配布しております。
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1. 振替休日と代休の違い

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振替休日と代休は、意味や定義だけでなく、取得のタイミングや給与の取り扱いなど、さまざまな点で違いがあります。ここでは、振替休日と代休の違いをわかりやすく解説します。

1-1. 振替休日と代休の定義

振替休日と代休は、定義が全く異なります。厚生労働省によると、それぞれ次のように定義されています。

  • 振替休日:あらかじめ休日と定められていた日を労働日とし、その代わりに他の労働日を休日とする制度
  • 代休:実際に休日出勤がおこなわれた後に、その代償として後日、特定の労働日を休みにする制度

なお、振替休日と代休は法律で導入が義務付けられている制度ではありません。そのため、これらの制度を導入しなくても違法となることはありません。ただし、導入する場合には、事前に就業規則に明確に定め、従業員に周知することが不可欠です。

参考:振替休日と代休の違いは何か。|厚生労働省

関連記事:振替休日とは?代休との違いや取得期限、労働基準法の観点から見る注意点を解説

1-2. 休みを決めるタイミング

振替休日と代休では、休みを決めるタイミングに明確な違いがあります。振替休日は、あらかじめ定められた休日と別の労働日を事前に入れ替える制度です。

この場合、どの日を出勤日とし、どの日を休日とするのか、実際に休日勤務をおこなう前に明確に決定しておく必要があります。例えば「今週の土曜日(本来の休日)に出勤し、来週の月曜日(本来の労働日)を休みにする」といった振替は、土曜日(休日出勤となる日)の前日までに振替日を特定していなければ、振替休日としては認められません。

一方、代休は、実際に休日に出勤した後、その代わりとして別の日に休みを与える仕組みです。振替休日と違い、事前に休みの日を特定しておく必要はなく、出勤後に本人や企業の都合を見て取得日を決定できるため柔軟な運用が可能です。

このように、振替休日は事前の計画性が求められるのに対し、代休は休日勤務後の調整手段として使いやすいという違いがあります。

1-3. 給与の計算方法

振替休日と代休では、給与(賃金)の計算方法にも大きな違いがあります。振替休日は、あらかじめ休日と労働日を入れ替える制度のため、休日出勤日は「通常の労働日」として扱われます。そのため、休日労働の割増賃金の支払いは不要です。

一方で代休は、実際に休日出勤の後、その代償として別の日を休みにするものです。この場合、出勤した日が法定休日であれば、労働基準法により35%以上の割増賃金(休日手当)を支払う必要があります。例えば、時給1,300円の従業員が法定休日に8時間勤務した場合、支給額は次のように異なります。

  • 振替休日:1,300円 × 8時間 = 10,400円
  • 代休対応:1,300円 × 135% × 8時間 = 14,040円

このように、代休として対応した場合は3,640円の割増賃金が発生します。したがって、企業としては事前に振替休日を設定する方が賃金に関しては有利である場合が多いといえるでしょう。従業員を休日に勤務させる際には、給与計算への影響を踏まえて、振替休日と代休のどちらを付与するのか考えることが大切です。

参考:しっかりマスター 割増賃金編|厚生労働省

関連記事:休日手当とは?休日出勤の割増率の種類や正しい割増賃金の計算方法を解説

法定休日と法定外休日の違い

振替休日や代休を取得させる場合、休日出勤が法定休日と法定外休日(所定休日)のどちらにあたるかで、給与計算の考え方が異なります。そもそも法定休日とは、労働基準法第35条で定められた「週1日以上もしくは4週4日以上の休日」を指します。一方、法定外休日とは、企業が就業規則などで独自に定めた休日のことです。

振替休日の場合、法定休日と法定外休日のどちらに出勤があっても、通常の労働日として扱われるため、給与計算において休日労働の割増賃金は生じません。一方、代休では、法定休日に出勤があった場合、休日労働の割増賃金の支払いが必要です。法定外休日に出勤があったのであれば、その日または週の労働時間が法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた場合に限り、時間外労働の割増賃金の支払いが必要になります。

このように、代休対応では出勤日が法定休日と法定外休日のどちらに該当するかで賃金の取扱いが大きく異なるため、給与計算においては慎重な判断が求められます。

参考:労働基準法第35条|e-Gov法令検索

関連記事:所定休日と法定休日の違いとは?休日出勤時の割増賃金の考え方も解説

1-4. 振替休日と代休はどっちが得?(企業視点)

振替休日と代休は似た制度ですが、給与の扱いや法令遵守のリスクが異なるので、どちらを運用に取り入れるべきかは企業の働き方や勤怠管理体制によって変わります。

まず、給与面では、振替休日は休日を事前に振り替えるため、振り替えた日は通常勤務日扱いになり、休日労働の割増賃金は発生しません。一方、代休の場合は休日出勤した日は「休日」の扱いなので、法定休日に労働したのであれば休日労働の割増賃金(35%以上)を支払う必要があります。したがって、コストを抑えるなら振替休日が適しているでしょう。

次に、法令遵守の観点では、振替休日は事前申請・承認が必須で、手続きが曖昧だと「振替休日が成立していないのに割増賃金を支払っていない」などのリスクが生じます。一方で代休は事前の手続きが不要なので、運用上の柔軟性が高く、ルール整備が比較的簡単です。

総合すると、繁忙期の休日出勤が事前にわかっており、コスト管理を重視する企業には「振替休日」が向いています。一方、突発的な休日対応が多く、柔軟な運用を重視する企業には「代休」が適してるでしょう。自社の業務特性や労務管理の仕組みに合わせて、適切な制度を選択することが重要です。

2. 振替休日と代休それぞれの運用フロー

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振替休日や代休は法律上明確に定義された制度ではなく、企業が任意で運用を決めるものです。そのため、制度として導入する場合は、就業規則に運用方法を具体的に定めておくことが不可欠です。ここでは、管理者の立場から、振替休日・代休がどのように運用されるのか、その流れを解説します。

2-1. 振替休日の運用フロー

振替休日を運用する際は、休日出勤が発生する前に「振替日」を特定し、申請・承認できるようにしておくことがポイントです。従業員から申請があった場合は、その理由を確認したうえで管理システムに登録し、事前に承認します。

振替日に実際に休めているかを確認することも欠かせません。もし振替休日を取得できなかった場合には、出勤した日は休日出勤扱いとなります。振替休日が正しく取得できていれば、出勤した日は通常勤務日として取り扱い、給与計算に反映させましょう。

なお、振替休日の取得が月をまたぐと給与計算が複雑になるため、多くの企業では同一賃金計算期間内での取得を原則としています。月をまたいで振替休日を取得する場合、給与の締日との関係から、当月中に振替休日の取得が確定しないことがあります。

そのため、労働基準法の「全額払いの原則」の観点からいったん休日に出勤した分の賃金を含めて支給し、翌月に振替休日の取得が確認できた段階で、労使間の合意に基づき支給済みの賃金を調整する対応が望ましいでしょう。

なお、このような場合であっても、休日出勤に伴って発生した時間外労働や深夜労働に対する割増賃金は、実際の労働実績に基づいて支払う必要があります。これらの割増賃金については、翌月の賃金から控除することがないよう注意が必要です。

2-2. 代休の運用フロー

代休は、休日出勤が発生した後に従業員が申請する運用で問題ありません。ただし、休日出勤日から代休取得日までの間隔が長くなると、疲労回復や健康確保といった代休本来の目的から外れてしまいます。

そのため、社内規程で申請期限や取得の推奨期間を設定しておくとよいでしょう。従業員から申請があった際には、代休の取得予定日を確認し、システムへ正しく登録します。

また、代休を取得したかどうかに関わらず、休日出勤をした事実は変わりません。そのため、休日出勤時の割増賃金は必ず支払う必要があります。代休の取得有無によって給与計算への大きな影響はありませんが、従業員が申請どおりに代休を取得できているかを確認することは、健康管理の観点からも重要です。

3. 振替休日を取るときの注意点

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振替休日は、休日出勤の前にあらかじめ代わりの休日を設定する必要がありますが、休日労働の割増賃金の支払いが不要になるというメリットがあります。

しかしながら、運用を誤ると、結果として違法な休日労働とみなされるおそれもあるので注意が必要です。ここでは、振替休日の制度を正しく運用するための注意点について詳しく解説します。

3-1. 振替休日について就業規則に定める必要がある

振替休日を導入・運用する際は、就業規則への明確な記載が不可欠です。労働基準法では、労働時間や休日などの労働条件については、就業規則などに基づき明確に定められた内容に従って運用される必要があるとされています。

また、使用者はこれらの規定を労働者に周知する義務も負っています。振替休日について就業規則に定めず、曖昧な口頭説明や個別対応のみで運用した場合、後から「実質的には休日労働であり、振替休日としては無効」と判断され、休日労働としての割増賃金の支払いを求められるリスクもあるので気を付けましょう。

参考:労働基準法第89条、第106条|e-Gov法令検索

3-2. 振替休日の期限

振替休日は、あらかじめ出勤日と休日を入れ替えるため、「取得期限」を強く意識することは少ないかもしれません。しかし実務上は、賃金締切日(締日)をまたがないよう注意することが重要です。

一般的に、振替休日は同一の賃金支払期間内(同じ締日内)で設定することが望ましいとされています。これは労働基準法第24条に定められた「賃金全額払いの原則」に基づいています。仮に振替休日の取得日が次の給与締切日をまたぐ場合、いったん休日出勤分の給与を満額で支払い、実際に振替休日を取得したタイミングで、勤務扱いを取消し(調整)する処理が必要です。

参考:労働基準法第24条|e-Gov法令検索

また、行政通達(昭和23年7月5日基発968号、昭和63年3月14日基発150号)でも、休日出勤日と振替休日はできる限り近接していることが望ましいとされています。このように、給与計算上の整合性や従業員の健康管理の観点からも、振替休日の取得時期に関するルールを就業規則に明確に定めておくことが推奨されます。

⚫ 休日の振替の手続(昭和23年7月5日基発968号、昭和63年3月14日基発150号(抄))

業務等の都合によりあらかじめ休日と定められた日を労働日とし、その代わりに他の労働日を休日とするいわゆる休日の振替を行う場合には、就業規則等においてできる限り、休日振替の具体的事由と振り替えるべき日を規定することが望ましいこと。

なお、振り替えるべき日については、振り返られた日以降できる限り近接している日が望ましいこと。

引用:労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇

関連記事:振替休日に期限はある?週をまたいだ時の対応や期限における注意点を解説

3-3. 週をまたぐ振替は割増賃金が必要になる可能性がある

振替休日では、休日手当(法定休日の割増賃金)は不要ですが、週をまたいで休日と労働日を振り替えた場合には、時間外労働の割増賃金が発生する可能性があります。労働基準法では、原則として法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超える労働を禁止しています。ただし、36協定を締結・届出すれば、従業員に時間外労働を命じることが可能です。この場合、法定労働時間を超過した分については、時間外労働の割増賃金の支払いが必要です。

例えば、月曜日から金曜日まで毎日8時間勤務(=週40時間)し、土曜日に振替出勤としてさらに8時間勤務した場合、週の労働時間は48時間となります。この場合、超過した8時間分は時間外労働として、通常賃金の25%以上の割増賃金が必要です。もしも時間外労働が月60時間を超える場合、その部分は割増率が25%以上から50%以上に引き上げられるので注意しましょう。

参考:労働基準法第32条、第37条|e-Gov法令検索

関連記事:休日出勤は残業に含まれる?残業代・残業時間の計算方法や割増賃金の取り扱いも解説!

3-4. 事後の振替は代休扱い

すでに休日出勤を実施した後では、その勤務に対して「振替休日」を適用することはできません。この場合は「代休」として処理する必要があります。

振替休日を適用するためには、あらかじめ「どの休日とどの労働日を入れ替えるのか」を明確に指定しておかなければなりません。具体的には、振替出勤をさせる日の前日までに指定をおこなう必要があります。実際に休日出勤がおこなわれた後に、後日「休みを与える」という対応をした場合は、それは代休の扱いとなるので気を付けましょう。

関連記事:代休とは?労働基準法上での定義や給与計算における注意点を解説

代休を取得させる際の注意点

代休は、休日出勤が発生した後に、その代償として別の日に休みを与える制度です。取得に関して法定の期限は定められていませんが、労働基準法第35条では「週に1日以上または4週4日以上の休日の付与」が義務付けられているため、代休の未取得が累積すると、法定休日の確保が困難となり、労働基準法違反に問われる可能性があります。

また、代休は事後的に取得日を調整する性質があるので、振替休日と比べて取得が後ろ倒しになりやすく、管理が煩雑になりがちです。そのため、企業には代休の発生状況・取得状況を正確に把握し、速やかな取得を促す運用体制の整備が求められます。

ここまでで解説したように、振替休日と代休では、割増賃金の考え方が大きく変わります。当サイトでは、割増賃金の違いをわかりやすくまとめた資料を無料で配布しております。振替休日と代休の定義から運用方法まで、休日・休暇に関するルールをひと通り解説しておりますので、知識や管理に不安がある方はこちらから資料をダウンロードしてぜひお手元にお持ちください。

4. 振替休日における労働基準法違反になるケース

積み木を手で止めている

振替休日は、正しく運用しないと法律違反になってしまうケースがあります。ここでは、法律違反となるケースを具体的に紹介します。

4-1. 就業規則に明記せず振替休日を運用する

振替休日を適正に運用するには、就業規則にそのルールを明確に定めておくことが不可欠です。もし就業規則に記載せずに振替休日を適用した場合、たとえ事前に休日と出勤日を入れ替えていても、実質的に法定休日の出勤とみなされる可能性があります。

さらに、適切な休日の振替がおこなわれなかった結果として、最低限付与すべき法定休日が確保されなければ、労働基準法違反となるおそれもあります。このような法的リスクを回避するためにも、振替休日の適用条件・手続き・取得期限などを、就業規則に明記し、従業員へ周知することが重要です。

4-2. 振替休日に労働時間(36協定)の上限を超えて働かせる

振替休日を付与すれば、どれだけ長時間働かせてもよいというわけではありません。労働基準法では、1日8時間・週40時間を超える労働を原則として禁止しており、これを超える労働を命じるには、36協定の締結・届出が必要です。

週や月をまたいで振替休日を設定すると、結果として週の総労働時間が法定の上限(週40時間)を超えてしまうケースも少なくありません。また、36協定を締結している場合でも、時間外労働や休日労働には法令上の上限(原則月45時間・年360時間)が設けられており、一定の条件を超えると罰則の対象となる可能性もあるので注意しましょう。

参考:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説|厚生労働省

関連記事:月またぎの振替休日とは?給与計算方法の注意点も解説!

4-3. 必要な割増賃金を支払わない

先ほど説明したとおり、振替休日を正しく適用した場合は法定休日出勤とはならないため、休日手当(35%以上の割増賃金)は不要です。しかしながら、振替によって週の総労働時間が40時間を超える場合には、その超過分に対して時間外手当(25%以上の割増賃金)を支払う必要があります。

また、勤務時間が午後10時〜午前5時の深夜時間帯に及ぶ場合は、深夜手当(25%以上の割増賃金)も必要です。これらの割増賃金は、たとえ振替休日であっても労働が発生すれば当然に発生するものです。

割増賃金を正しく支払わないことは労働基準法違反にあたります。また、従業員から未払い賃金の請求を受けるリスクもあります。トラブルや是正勧告を避けるためにも、振替休日の運用時には割増賃金の支払い要否を正確に判断し、適切な給与計算をおこないましょう。

関連記事:深夜残業の割増率とは?深夜手当の計算方法も紹介

4-4. 振り替えとなる休みを取らせない

振替休日とは、あらかじめ休日と労働日を入れ替えることにより、労働者に代わりの休日を与える制度です。事前に設定した日に休ませない場合、その振替休日は無効となります。

このようなケースで、例えば法定休日に出勤し、振替休日も取得できなかった場合、その出勤は休日労働として扱われ、35%以上の割増賃金の支給が必要です。また、1週間に1日(または4週4日)の法定休日が適切に確保されていない場合、労働基準法違反となるおそれがあるため十分な注意が求められます。

関連記事:振替休日を強制して休日出勤させるのは違法?割増賃金の発生などパターン別に解説!

5. 振替休日に関するトラブル事例

頭を抱える男性

振替休日の運用を誤ったことにより、トラブルとなるケースは少なくありません。労使間の不要なトラブルを避けるためにも、次で紹介する具体的な事例を参考に、対処法についてチェックしていきましょう。

5-1. 振替休日を有給休暇にしたいと申し出があった

休日出勤をしている従業員から「振替休日ではなくて、余っている有給休暇を使用したい」と言われた際に、振替休日の適用を巡ってのトラブルが多くみられます。

簡単に振替休日と有給休暇の違いを説明します。振替休日はあらかじめ労働日と入れ替えた「休日」であり、有給休暇は「労働日」に対して取得するものです。加えて今回のトラブルで要点となるのは、振替休日は給与が発生しない休日であることに対して、有給休暇は給与が発生する休暇になります。そのため人件費を減らしたい雇う側と、給与を少しでも増やしたい雇われる側で対立してしまうということです。

まず原則として、就業規則に振替休日の記載がない場合は、振替休日の取得を強制することはできません。

企業が休日出勤を命じることは問題ありませんし、振替休日を取らせることも健康管理面から妥当性があり、運用上の問題はありません。ただし、就業規則に振替休日についての条文がなければ、休日を取得させるルールについての根拠が示されていないことになるため、強制力はありません。

従業員が同意していないにもかかわらず強制的に休ませると、労働権を奪うことと判断される可能性があり、この場合、給与の支払い義務が生じます。

就業規則に振替休日についての定めがない場合には、有給休暇の取得を承認することになるでしょう。振替休日を認められるようにしたい場合は、就業規則を整え、双方納得のうえで振替休日を取得する環境にすることが最適であるといえます。

関連記事:休日出勤は有給休暇と相殺できる?振替休日、代休との違いも含めて4つの疑問を解説

5-2. 振替勤務中に実働時間が8時間を超えた

法定休日や所定休日の振替勤務中に実働時間が8時間を超えた場合の時間外労働に対する加算についても、トラブルが多く見られます。

振替勤務の割増賃金は、「法定休日、所定休日問わず、1日の労働時間が8時間を超過、もしくは週労働時間が40時間を超過した場合、25%(月60時間超えの場合は50%)以上の時間外労働の割増賃金を支払う」ことを覚えておきましょう。

5-3. 繁忙期で振替日が決められない

忙しくてなかなか事前に振替日が決められないケースも多いです。このような場合は就業規則に従うことになりますが、次のような対応が可能です。

  • (出勤日前の場合)振替日の変更をおこなう
  • 一定期間を過ぎた場合は、休日手当の支給で対応する

振替休日のルールは就業規則に定めておくことを推奨します。振替休日が長期化する原因となってしまうためです。「振り替える日程は1ヵ月以内」といったようにあらかじめ取得期限を決めておくと、運用や管理がしやすくなります。繁忙期も加味したうえで振替日を定めるようにしましょう。

関連記事:休日・休暇とは?違いや種類・賃金の注意点など勤怠管理のポイントを解説

5-4. 再度振り替えしたいと要望があった

事前に指定した振替休日に休めないことが判明し、あらためて振り替えを希望するケースもあります。この場合、実際の休日出勤より前に再度の振り替え指示を出せば、振替休日としての扱いが可能です。

一方、休日出勤がおこなわれた後に振替休日の日程を変更した場合は、代休としての取り扱いになります。法定休日に出勤した場合には、休日労働となり、35%以上の割増賃金の支払いが必要です。従業員とのトラブルを未然に防ぐためにも、再度の振り替えをおこなう場合の運用ルールを就業規則に明確に定め、周知することが必要です。

5-5. 振替休日を時間・半日単位で取得したい希望があった

振替休日にやむを得ず出勤しなければならないため、時間単位や半日単位での取得を希望する従業員がいることもあります。しかし、労働基準法において休日は原則として暦日(午前0時~午後12時)単位で与えなければならないとされているので、振替休日を時間単位・半日単位で付与することはできません。

もしも振替休日に一部でも出勤した場合は、1日を通しての休日取得とは認められず、その振替休日は無効となります。その結果、あらかじめ休日と振り替えた労働日は、休日出勤として扱われるので注意しましょう。

参考:休憩・休日|厚生労働省

6. 振替休日と代休の管理を効率化する方法

ストップウォッチ

振替休日や代休は、適切に運用できれば長時間労働の防止や従業員の健康確保につながります。しかし、申請方法が複雑だったり、取得状況を把握しづらかったりすると、休みの取得漏れや管理の手間が増えてしまいます。ここでは、振替休日・代休の管理をより効率的に進めるための具体的な取り組みを紹介します。

6-1. 休日出勤の抑制と業務計画の見直しをおこなう

振替休日や代休は、休日に出勤した場合にその負担を調整するための制度です。つまり、そもそも休日出勤が発生しなければ、これらの制度を利用する必要もありません。

もちろん、繁忙期や突発的なトラブル対応など、やむを得ず休日出勤が必要となる場面はあります。しかし、休日出勤が常態化し、振替休日や代休の取得が頻繁に発生している状態は、望ましい職場環境とはいえません。

休日出勤そのものを減らせれば、振替休日や代休の付与・管理にかかる手間も軽減され、労務管理全体の効率化にもつながります。

そのためには、特定の従業員に負担が集中していないかを確認し、人員配置や業務量のバランスを見直すことが重要です。さらに、年度末やイベント期間など忙しくなる時期には、事前に業務計画を立てて休日出勤が必要にならないような工夫をおこないましょう。

また、フレックスタイム制や変形労働時間制など、柔軟な働き方を取り入れる制度を整えることも、休日出勤の抑制に有効な手段のひとつです。

関連記事:フレックスタイム制とは?導入手順や企業が知っておくべきメリット・デメリット

6-2. 振替休日・代休の申請・承認フローを具体的に整備・周知する

振替休日と代休は取り扱いが異なるため、手続きが曖昧だと、取得漏れや給与計算の誤りにつながるおそれがあります。とくに振替休日を運用する場合は、必ず休日出勤前に申請と承認を済ませなければならない点を社内ルールとしても明確にしておきましょう。

また、申請書式や入力項目を統一し、誰でも迷わず申請できるようにしておくことも重要です。これにより申請漏れや記入ミスが減り、管理業務もスムーズになります。さらに、承認フローや判断基準を明確にしておくことで、上長や管理部門が一貫した基準で迅速に承認できる体制を整えられます。

6-3. 勤怠管理システムを導入して休みの取得状況を可視化する

紙のタイムカードやExcelで休日・休暇を管理している場合、運用方法によっては「代休と振替休日の区別が曖昧になる」「年次有給休暇と誤って記載してしまう」といった人的ミスが発生し、正確な管理が難しくなるおそれがあります。

勤怠管理システムを導入すれば、振替休日・代休の申請・承認から取得までをひとつのシステム内で完結できます。さらに、取得期限が近づいたり、未取得が発生したりしそうな場合には、アラート機能によって取得を促すことも可能です。加えて、給与計算ソフトと連携すれば、振替休日・代休の取得状況に応じた割増賃金の計算が自動化され、計算ミスの防止にもつながります。

関連記事:年次有給休暇の基本をわかりやすく解説!付与日数や取得時期も紹介

7. 振替休日と代休を区別して活用しよう

カレンダーのイラスト振替休日と代休は非常に似ている制度ですが、振替休日は「事前に勤務日と休日を入れ替える制度」、代休は「休日出勤をした代わりに休みを取る制度」という違いがあります。振替休日の場合は休日手当が不要ですが、条件によっては割増賃金の支払いが必要になるため注意が必要です。

振替休日を適用するには、就業規則への記載や法定休日の確保、休日労働の前日までに労働者への通知などの条件をきちんと満たす必要があります。運用を誤ると振替休日として認められず、違法となるおそれがあるので慎重な対応が求められます。

休日出勤の対応や 振休・代休の付与に不安のある方へ

人事担当者の皆さまは、労働基準法における休日・休暇のルールを詳細に理解していますか?
従業員に休日労働をさせた場合、代休や振休はどのように取得させれば良いのか、割増賃金の計算はどのようにおこなうのかなど、休日労働に関して発生する対応は案外複雑です。

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