所得税が毎月変わる理由とは?源泉徴収や年末調整の仕組みも解説 - ジンジャー(jinjer)|統合型人事システム

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所得税が毎月変わる理由とは?源泉徴収や年末調整の仕組みも解説

変動する金額

会社は、従業員に支払う給与から所得税を源泉徴収し、国に納付する義務があります。給与支給額や社会保険料に変動があると、それに伴って毎月の所得税額も変わる可能性があります。

この記事では、毎月の所得税が変わる理由や、源泉徴収や年末調整・確定申告の仕組みについてわかりやすく解説します。また、社会保険料の源泉所得税への影響についても紹介します。

関連記事:所得税とは?源泉所得税や定額減税など複雑な処理を詳しく解説

所得税・住民税の計算、 ヒヤリとした経験はありませんか?

毎月の給与計算、特に所得税や住民税の計算は複雑で、法改正も発生するため「本当にこれで合っているだろうか…」と不安に感じる瞬間は少なくないはずです。
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1. 所得税の基本を再確認

はてな

毎月の所得税(源泉徴収税)が変動する理由や原因を確認する前に、所得税とはなにか、いつ決まるのかも含めて再確認しておきましょう。

1-1. 所得税は所得に対してかかる税金

所得税とは、名前の通り所得(儲け)に対してかかる税金です。給与のほか、賞与や退職金、事業で得た収入、不動産収入など、さまざまな収入に対して所得税が課されます。

課税される所得の計算方法は、所得の種類によって変わってきます。会社員やパート・アルバイトの場合、原則として、労働により得た収入から給与所得控除を差し引くことで、所得(給与所得)が計算されます。単純に収入に対して所得税がかかるわけではない点に注意しましょう。

関連記事:給与所得とは?手取りや給与収入の違いと計算方法をわかりやすく解説

1-2. 所得税はいつ決まる?

所得税は、1月1日から12月31日までの1年間の所得に基づいて計算されます。原則として、その年分の所得税額は翌年2月16日から3月15日までの確定申告により確定します。給与所得者については、勤務先でおこなわれる年末調整により年税額が精算され、一定の場合を除き確定申告は不要です。

所得税額は、原則として、各種所得(事業所得や給与所得など)の金額から各種所得控除(基礎控除や扶養控除など)の金額を差し引き、課税所得金額を算出したうえで、それに所得税率を掛け合わせることで計算できます。

なお、所得税は累進課税制度が適用されているため、課税所得金額が大きくなると、掛け合わせられる所得税率(5%~45%)も大きくなります。

計算された基準となる所得税額から、各種税額控除(住宅ローン控除など)を差し引くことで、納付すべき所得税額を算出することが可能です。

関連記事:【企業担当者向け】所得税計算の仕組みとは?源泉徴収・年末調整のポイントを徹底解説

1-3. 源泉徴収税額はあくまでも見込み額

会社員やパート・アルバイトの場合、毎月支払われる給与から所得税が徴収され、会社が代わりに納税をおこないます。これを「源泉徴収制度」といいます。

所得税は、その年の1月1日~12月31日の収入(所得)を基準にして計算をおこないます。そのため、毎月の給与から天引きする所得税は、あくまでも見込み額で算出されます。

参考:No.2110 事業主がしなければならない源泉徴収|国税庁

1-4. 毎月の源泉徴収税額の計算方法

毎月の源泉徴収税額は、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を使って計算されます。まずはその月の課税対象となる給与などの合計金額を計算し、「総支給金額」を算出しましょう。次に「総支給金額」から、給与から天引きする社会保険料の金額を差し引き、「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」を算出します。

その後、従業員から「扶養控除等申告書」が提出されている場合は「甲欄」、提出されていない場合は「乙欄」を基に、源泉徴収税額表を使って、給与から天引きすべき源泉徴収税額を計算します。なお、甲欄を用いる場合は、扶養親族等(源泉控除対象配偶者および源泉控除対象親族)の人数によって、源泉徴収税額が変わるので注意が必要です。

例えば、次のような人を仮定して、その月の源泉徴収税額を計算してみましょう。

  • 基本給:30万円
  • 残業代:5万円
  • 通勤手当(電車):2万円
  • 社会保険料:5万円
  • 扶養控除等申告書の提出の有無:有
  • 扶養親族等の人数:3人(配偶者と子2人)

総支給金額は35万円(= 基本給:30万円 + 残業代:5万円)と計算されます。この場合の通勤手当は非課税となるので、総支給金額には含めません。総支給金額から社会保険料を差し引くと、「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」は30万円と計算できます。

源泉徴収税額表(令和8年分)の「甲欄」を基に、扶養親族等の人数が3人の場合だと、その月の源泉徴収税額は3,080円となります。

なお、令和7年度税制改正に伴い、令和8年分の源泉徴収税額表が改定されています。そのため、2026年1月以降に支払う給与に係る毎月の源泉徴収税額の計算方法も変更されています。給与計算ソフトの設定や税額表の適用区分に反映漏れがないよう、十分に注意しましょう。
参考:令和8年分 源泉徴収税額表|国税庁

関連記事:給与計算における所得税の計算方法とは?源泉徴収の仕組みも解説

1-5. 【最新】2026年分(令和8年分)の所得税は下がる?

財務省が公表した令和8年度税制改正大綱では、給与所得控除の最低保障額および基礎控除の引き上げにより、いわゆる年収の壁は「178万円」へと引き上げられる見通しとされています。これにより課税最低限が上がるため、将来的には毎月の給与から源泉徴収される所得税が軽減される可能性があります。

ただし、この「年収の壁」の引き上げは令和8年分以後の所得税に適用される一方で、源泉徴収税額表の改正は令和9年1月以後に支払う給与から適用される予定です。

そのため、2026年中は毎月の源泉徴収額に直ちに変更はありません。しかし、年末調整や確定申告で新しい基礎控除などを反映させることで、結果的に従業員は還付を受けられる可能性があります。さらに、2027年1月以降は改定後の源泉徴収税額表が適用され、毎月の所得税額が見直される可能性がある点にも注意が必要です。

なお、本改正の内容は現時点で確定したものではありませんが、2026年度税制改正関連法案は閣議決定のうえ国会に提出されたと報じられています。今後の審議状況を注視し、実務対応に向けて早めに社内体制の整備を進めておくことが重要です。

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省
参考:26年度税制改正法案を国会提出 所得税「年収の壁」178万円に|Yahoo!ニュース

関連記事:年収の壁とは?税金や社会保険の負担が生じる103万、106万、130万、150万の壁を解説

2. 所得税が毎月変わる理由

税制改正

源泉徴収税額の計算方法をみるとわかるように、総支給金額や社会保険料などが変動すると、毎月の給与から天引きされる所得税の金額も変わります。ここでは、所得税が毎月変わる理由について詳しく紹介します。

2-1. 給与が増減した

毎月の給与から差し引かれる所得税は、その月の総支給金額を基礎にして決まります。そのため、昇給・降給などによって、給与が増減した場合、給与から天引きされる源泉所得税も変化する可能性があります。基本給に変動がない場合でも、残業や休日出勤などによって支払われる時間外手当によって、毎月の所得税が変わるケースも考えられます。

2-2. 現物給与や非課税限度額を超える支給があった

給与というと現金で支払われるものをイメージしがちですが、実際にはそれだけではありません。例えば、商品やサービスの提供、社宅の無償または低額での貸与などによって従業員が受ける経済的利益も、原則的に給与として課税対象です。

また、通勤手当や宿直手当などは一定の非課税限度額が設けられていますが、その上限を超えて支給された部分については給与として課税されます。このように、現物給与があった月や、非課税限度額を超える手当が支給された月は、毎月の源泉所得税額が増える要因となることがあります。

一方で、制服や作業服のように職務の遂行上欠くことができないものについては、現物支給であっても非課税とされています。課税・非課税の判断を誤らないよう、取り扱いには注意が必要です。

参考:No.2508 給与所得となるもの|国税庁

関連記事:現物給与とは?具体例や非課税対象をわかりやすく解説

2-3. 扶養人数が途中で変わった

総支給額に変動がない場合でも、結婚や子の独立などにより、扶養親族等の人数が途中で変わった場合も、毎月の給与から差し引かれる源泉所得税が変動する原因になります。

扶養人数などに変更が生じた従業員は、その後最初に給与の支払いを受ける日の前日までに、扶養控除等申告書を再提出する必要があります。会社は提出された内容に基づき、以後の給与支払時に源泉所得税を適切に計算しなければなりません。

なぜ扶養親族等の人数によって、源泉所得税が変わるように設定されているかというと、本来、所得税の計算では「扶養控除」「配偶者控除」といった所得控除が適用できるためです。つまり、扶養親族等が増えると、控除額が大きくなり、課税所得金額が減ることで、結果的に納付すべき所得税額は小さくなります。

なお、年の途中で扶養人数に変動があったにもかかわらず、従業員が扶養控除等申告書を提出していなかった場合、年末調整により扶養控除や配偶者控除などの所得控除を正しく反映させて、過不足分を精算をするのが一般的です。

参考:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁

2-4. 社会保険料に変動があった

毎月の源泉所得税が変動する理由の一つに、社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)の変動が挙げられます。社会保険料は「標準報酬月額」に基づいて決定されますが、この標準報酬月額は、原則として毎年4~6月の給与額を基に算出され、9月に改定される「定時決定」により見直されます。

そのため、4~6月に支払われる給与がほかの月と比べて変動していた場合、定時決定により社会保険料の額が変わる可能性があります。社会保険料の額が変動すれば、給与から差し引かれる控除額が変わるので、その結果、課税対象額が増減し、源泉所得税に影響を与える場合もあります。

関連記事:社会保険料の定時決定(算定基礎届)とは?対象者や算出方法、手続きの流れを解説

2-5. 税制改正がおこなわれた

所得税の計算において重要となる各種控除額や税率は、常に固定されているものではありません。社会経済の動向や政策方針を踏まえ、毎年見直される可能性があります。

令和7年度税制改正では、令和7年分(2025年分)の所得税から「基礎控除・給与所得控除の引き上げ」「特定親族特別控除の創設」「扶養親族等の所得要件の緩和」が適用されています。これに伴い、給与から毎月源泉徴収される所得税の計算に用いる「源泉徴収税額表」も、令和8年(2026年)1月1日より改定されています。

さらに、令和8年度税制改正大綱では、令和8年分(2026年分)の所得税についても、基礎控除や給与所得控除などの見直しが予定されており、源泉徴収税額表の改定が見込まれています。このように、税制改正の内容次第で毎月の所得税額は変動する可能性があるため、最新の改正動向を確認しておくことが大切です。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

参考:令和8年度税制改正の大綱|財務省

2-6. 給与明細が間違っている

従業員の総支給額や社会保険料、扶養人数に変動がなく、税制改正もおこなわれていないにもかかわらず、毎月の所得税が変わっている場合、給与明細に誤りがある可能性があります。手作業で給与計算や明細作成をおこなっている場合、入力ミスや計算ミスなどにより、誤った金額が記載されることもあるため注意が必要です。

昨今のデジタル化により、勤怠管理や給与計算のシステム化が進んでいます。勤怠管理システムや給与計算ソフトを導入し、勤怠データと連動させることで、給与計算の自動化が可能となり、人的ミスの防止や業務効率化につながります。

当サイトでは、本章で解説した毎月変わる理由を考えるうえで重要になる、所得税の年税額の決定方法や計算方法などを解説した資料を無料で配布しております。税金の計算方法や税金に関する基礎知識で不安な点があるご担当者様は、こちらから「所得・住民税 給与計算マニュアル」をダウンロードしてご確認ください。

3. 所得税が変わった際のチェックするべき項目

チェックリスト

毎月の所得税の金額が変わった際は、従業員の総支給額や社会保険料、扶養人数に変動がないかチェックすることが大切です。ここでは、所得税が変わった際のチェックするべき項目について詳しく紹介します。

3-1. 社会保険料

社会保険料の金額は、先述のとおり4~6月までの3ヵ月における給与の平均額を算出して計算されます。そして、この結果が社会保険料の額に反映されるのは、計算をおこなった年の9月から来年の8月までです。

なお、社会保険料の改定(定時決定)は9月分から適用されますが、実際に給与から控除されるタイミングは「翌月徴収」が原則です。例えば、9月分の保険料を10月支給の給与から控除する場合、社会保険料の変更による所得税額への影響も、10月支給の給与から反映されることになるので注意しましょう。

参考:厚生年金保険法第84条|e-Gov法令検索

関連記事:社会保険料の計算方法とは?給与計算や社会保険料率についても解説

3-2. 各種手当(残業代や割増賃金など)

受け取る給与が増えれば、当然それだけ所得税は増加します。残業や休日出勤によって普段よりも多くの給与が発生したのであれば、それだけ課税対象が増えるため、結果的に所得税は増えます。繁忙期やトラブルが発生し、通常とは異なる対応をしていた月の所得税は変動しやすいです。

また、病気や産休などによって通常よりも勤務時間が減少した場合は、所得税が低くなることもあります。もし、9月以外で所得税が増えたのであれば、残業や休日出勤に対する手当や労働時間などを確認してみましょう。

3-3. 従業員の扶養状況

総支給額や社会保険料に変動がない場合でも、従業員の扶養人数等の人数が変わった場合には、毎月の所得税が変化する可能性があります。従業員の給与明細をみて、所得税が変わったと違和感を感じる場合には、従業員から「扶養控除等申告書」の提出があったかどうか確認してみましょう。

3-4. 【ポイント】従業員から問い合わせがあったときの対応方法

給与明細に記載される所得税額が変動し、手取り額が増減すると、従業員からの問い合わせが増えることも想定されます。

近年の税制改正では、その年分の変更内容は年末調整で反映し、毎月の給与から源泉徴収する所得税への影響は翌年分から適用される仕組みとなるケースが見られます。そのため、「毎月の所得税が思ったより高いのではないか」といった疑問が寄せられることも少なくないでしょう。

このような問い合わせに対しては、源泉徴収税額がどのような計算過程で決定されているのかを、順を追って説明することが大切です。給与額、社会保険料控除後の金額、扶養人数、そして源泉徴収税額表の適用区分などを具体的に示すことで、理解を得やすくなります。

あわせて、「年間の最終的な所得税額は年末調整で精算される」という点も丁寧に伝えましょう。感覚的な説明ではなく、実際の給与明細を基に客観的に示すことで、従業員の不安を和らげ、納得感のある対応につなげられます。

関連記事:給与計算ミスへの対処法は?責任・リスクや防止策も解説!

4. 毎月の所得税の計算と一緒に覚えておきたい仕組み

本を持つアジアの若者

毎月の給与だけではなく、年に数回支払われる賞与(ボーナス)からも所得税は源泉徴収しなければなりません。また、源泉所得税の計算には、社会保険料の計算が関連してきます。なお、所得税と似た仕組みの税金に住民税がありますが、源泉徴収の仕組みは大きく異なるので注意が必要です。

また、従業員の所得税を正しく計算し直すための手続きとして、年末調整や確定申告があります。ここでは、毎月の所得税の計算と一緒に覚えておきたい仕組みについて詳しく紹介します。

4-1. 賞与(ボーナス)の源泉徴収の仕組み

賞与(ボーナス)に対する源泉所得税の計算方法は、毎月の給与とは異なります。毎月の給与は「税額表」に基づいて税額を求めますが、賞与については「算出率の表」を使用して計算します。

具体的には、前月の給与額や扶養控除等申告書の提出の有無などをもとに算出率を判定し、その率を賞与の支給額に乗じて源泉徴収税額を算出します。したがって、賞与額が同じであっても、前月の給与水準や扶養人数の違いにより、実際に差し引かれる税額は変わります。

また、令和7年度税制改正により、2026年1月以降に支給する賞与に適用される「算出率の表」は改定されています。実務においては、必ず最新の算出率表を使用しているかを確認することが重要です。

参考:賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和8年分)|国税庁

関連記事:賞与(ボーナス)から引かれる源泉所得税の計算方法をわかりやすく解説

4-2. 社会保険の標準報酬月額の随時改定

社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)は、標準報酬月額を基に決まります。定時決定がなければ、標準報酬月額は変更されず、1年間社会保険料が変動しないと考えている人もいるかもしれません。

しかし、昇格・降格などによって、基本給などの固定的賃金に大幅な変動(通常2等級以上の差)が生じた場合、「随時改定」の対象となり、定時決定を待たずに標準報酬月額を変更する必要があります。この随時改定によって社会保険料が変更されれば、毎月の給与の手取り額や、源泉所得税額にも影響を及ぼします。

このように、正しく毎月の所得税を計算するためにも、標準報酬月額の決定方法や改定の仕組みについても理解しておくことが大切です。

関連記事:社会保険の随時改定とは?標準報酬月額を改定する条件やタイミング、手続きや注意点を解説

4-3. 雇用保険料の計算方法

雇用保険に加入している従業員については、給与から雇用保険料を控除し、会社が事業主負担分と合わせて納付する必要があります。また、雇用保険料も社会保険料控除の対象であり、源泉所得税を計算する際に考慮しなければなりません。

雇用保険料の計算方法は、健康保険料や厚生年金保険料とは異なり、「賃金総額」に対して所定の雇用保険料率を乗じて求められます。そのため、残業や休日出勤などによって賃金総額が増減すると、それに応じて雇用保険料も変動します。結果として、課税対象額が変わり、毎月の源泉所得税額にも影響が生じる可能性があるので注意しましょう。

関連記事:雇用保険料の計算方法とは?対象者や端数の処理など注意点を解説

4-4. 住民税の決定方法

まず住民税の納付方法には「普通徴収」と「特別徴収」があります。普通徴収は、個人が自分で市区町村に住民税を納める方法です。この場合、会社が従業員の給与から住民税を天引きする義務は生じません。

一方、特別徴収は、会社など給与支払者が個人に代わって住民税を納める方法です。地方税法などに基づき、給与を支払う事業主は原則としてすべての従業員の毎月の給与から住民税を差し引き、まとめて市区町村に納付する義務があります。

給与から天引きする住民税の額は、前年の所得などをもとに市区町村が計算します。市区町村は会社に「特別徴収税額決定通知書」を送付し、会社はこれに基づいて6月から翌年5月までの12ヵ月間にわたり給与から住民税を天引きします。

参考:個人住民税と特別徴収について|東京都

関連記事:住民税とは?種類や計算方法・非課税になるケースを解説

4-5. 年末調整と確定申告

毎月の給与から差し引かれる源泉所得税は、あくまで概算にすぎません。そのため、年末には、その年に源泉徴収された所得税の総額と、本来納めるべき所得税額(年税額)とを比較し、過不足を精算する必要があります。この手続きが「年末調整」です。

会社は、原則として年末まで勤めている従業員に対して年末調整をおこなわなければなりません。ただし、給与収入が2,000万円を超える従業員など、年末調整の対象者から除外される人もいるので注意が必要です。

年末調整をおこなうことで、従業員の所得税の納税手続きは原則完了します。しかし、年末調整の対象外の人や、副業をおこなっている人、寄附金控除・医療費控除などの控除を適用したい人は、年末調整だけでは対応できないので、従業員自身で確定申告をおこなう必要があります。

確定申告の受付期間は原則として毎年2月16日から3月15日までです。申告が遅れると延滞税や加算税などのペナルティが従業員に課される可能性があるため、対象者には適切な時期に注意を促すことが重要です。

関連記事:年末調整はいつまでにするべき?確定申告との違いや計算方法を解説

5. 毎月の所得税の変化に関するよくある質問

質問

ここでは、毎月の所得税の変化に関するよくある質問への回答を紹介します。

5-1. いきなり前月よりも大きく所得税が上がるのはなぜ?

前月より所得税が増える理由はいくつかありますが、急激に増加する主な要因として「扶養親族等申告書」が未提出であるケースが考えられます。

その年の最初の給与支払い日の前日までに「扶養親族等申告書」を提出していない場合、給与から差し引かれる所得税は、源泉徴収税額表の「乙欄」を基に計算されます。つまり、今年分は提出済みでも、翌年分が未提出であれば、翌年の給与から天引きされる所得税が大幅に増える可能性があります。

過剰に納めた所得税は、年末調整や確定申告で還付されますが、それまでは従業員の手取り額が減ることになります。そのため、人事や給与計算担当者は、従業員に対して「扶養親族等申告書」を期限内に必ず提出するよう周知徹底することが重要です。

参考:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁

5-2. 所得税はいつから変わる?変わりやすい月とは?

毎月の給与から差し引かれる所得税は、源泉徴収の仕組みに基づいて計算されます。そのため、源泉徴収税額表が切り替わるタイミングでは、所得税額が変わりやすいです。

例えば、令和7年度税制改正の内容は、翌年である令和8年分の源泉徴収税額表に反映されています。給与額や社会保険料に大きな変動がない場合、令和8年1月以降の給与から差し引かれる所得税は、令和7年12月以前と比べて減少するケースが一般的です。

また、年末調整による過不足の精算は、通常12月の給与でおこなわれます。還付額が大きい場合は、12月分の給与から差し引かれる所得税がいつもより少なくなる場合があります。従業員が理解しやすいよう、給与明細には「源泉徴収税額」と「年末調整還付額」を分けてわかりやすく表示することが望ましいでしょう。

関連記事:給与明細に記載する所得税とは?徴収義務や計算方法をわかりやすく解説

6. なぜ所得税が毎月変わるのか理解して適切に給与計算をしよう!

確認する様子

毎月の給与から天引きされる源泉所得税は、あくまでも概算で計算されます。その月の総支給額や社会保険料に変動があれば、源泉所得税の金額も変わります。また、扶養親族等の人数が変わった場合や税制改正がおこなわれた場合も、毎月の所得税が変わる原因の一つです。

従業員の給与から所得税を徴収したら、指定された期限までに代わりに納税をおこなわなければなりません。また、会社には源泉徴収だけでなく、年末調整をする義務もあるので、正しく仕組みを理解しておきましょう。

所得税・住民税の計算、 ヒヤリとした経験はありませんか?

毎月の給与計算、特に所得税や住民税の計算は複雑で、法改正も発生するため「本当にこれで合っているだろうか…」と不安に感じる瞬間は少なくないはずです。
徴収や納付の遅延は、延滞税の発生や従業員との信頼関係にも影響しかねません。
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