年末調整の必要書類一覧|記載する内容や書類の入手方法を徹底解説 - ジンジャー(jinjer)|クラウド型人事労務システム

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年末調整の必要書類一覧|記載する内容や書類の入手方法を徹底解説

書類

年末調整をスムーズに終えるためには、必要となる書類を事前に把握しておくことが重要です。万が一必要書類に抜けや漏れがあると、その年の年末調整が正しくおこなえず、別途従業員自身による確定申告が必要になる場合があります。今回は、年末調整の必要書類の種類を一覧でわかりやすく解説します。また、入手方法や保管期間などについても紹介します。

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1. 年末調整の必要書類

書類

年末調整で必要となる書類は、従業員と会社で異なります。それぞれ以下の書類が年末調整の際に必要です。

作成者

必要書類

従業員

  • ・扶養控除等(異動)申告書
  • ・保険料控除申告書
  • ・基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書
  • ・住宅借入金等特別控除申告書

会社

  • ・⽀払調書
  • ・源泉徴収票
  • ・法定調書合計表
  • ・給与支払報告書

このように、年末調整の必要書類は複数に及ぶため、それぞれ書類の概要や違いについても押さえておくことが重要です。

関連記事:年末調整の書き方を徹底解説!書類別の記入例でわかりやすく解説

1-1. 年末調整のスケジュール

年末調整は、以下のようなスケジュールで進められることが一般的です。

年末調整スケジュール

手続き

10月

従業員への申告書類の配布

11月

従業員から申告書類の回収・チェック

12月

  • ・年末調整の計算(給与の集計、所得控除の適用など)
  • ・過不足税額の精算(通常12月の給与にあわせて実施される)

翌年1月

  • ・源泉所得税の納付(期限:1月10日)
  • ・法定調書や給与支払報告書などの提出(期限:1月31日)

なお、納期の特例を利用している場合、源泉所得税(7月から12月までに徴収した分)の納付期限は翌年1月20日です。

上記スケジュールを目安に、年末調整に必要な書類を事前に洗い出し、それぞれの作成・提出期限を明確に設定して業務を進めましょう。

参考:No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例|国税庁

関連記事:年末調整はいつ提出?時期や期限、申告書の種類をくわしく解説

1-2. 令和7年度(2025年度)税制改正の重要ポイント

令和7年度(2025年度)税制改正により、以下の改正が実施され、2025年分から適用されます。

  • 基礎控除の引き上げ
  • 給与所得控除の最低保障額の引き上げ
  • 特定親族特別控除の創設
  • 扶養親族等の所得要件の見直し

基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられた結果、給与収入が160万円(改正前は103万円)までであれば所得税が発生しなくなりました。さらに、新設された「特定親族特別控除」により、年末調整で使用する書類の名称や記載方法にも変更があります。

また、配偶者控除・扶養控除・ひとり親控除・勤労学生控除などの所得要件も見直され、これまで控除対象外だった人が、2025年分からは適用を受けられる可能性があります。こうした最新の改正を踏まえ、年末調整の必要書類のフォーマットや記入例、提出期限などを改めて整理しておくことが重要です。

参考:令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|国税庁

関連記事:年末調整とは?確定申告との違いや必要書類、計算の流れをわかりやすく解説

2. 従業員側で準備・作成する年末調整の必要書類

笑顔の男女

従業員側で作成する年末調整の必要書類は大きく分けて4種類あります。また、必要に応じて、それぞれの添付書類も合わせて提出しなくてはいけません。

ここでは、4つの書類の概要と必要な添付書類について詳しく解説します。

2-1. 扶養控除等(異動)申告書

「扶養控除等申告書」は、給与所得者が勤務先に提出する書類で、配偶者や扶養親族の有無にかかわらず、原則全員が提出します。この申告書により、「扶養控除」「障害者控除」「寡婦控除」「ひとり親控除」「勤労学生控除」といった控除が受けられます。また、扶養親族や配偶者の状況に異動があった場合は、その都度再提出が必要です。

扶養控除:納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合、一定の所得控除(控除額:38万円~63万円)が受けられます。

障害者控除:納税者自身、同一生計配偶者、扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の所得控除(控除額:27万円~75万円)が受けられます

寡婦控除:納税者が寡婦であるときは、一定の所得控除(控除額:27万円)が受けられます。

ひとり親控除:納税者がひとり親であるときは、一定の所得控除(控除額:35万円)が受けられます。なお、寡婦控除とひとり親控除の併用は不可です。

勤労学生控除:納税者自身が勤労学生であるときは、一定の所得控除(控除額:27万円)が受けられます。

参考:A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告|国税庁

関連記事:年末調整の障害者控除とは?対象範囲やいくら戻るのか、書類の書き方を解説

2-2. 扶養控除等(異動)申告書の添付書類

扶養控除等申告書の添付書類は、次の2つのケースで必要な書類が異なります。

ケース

必要な書類

勤労学生控除を受ける場合

扶養控除等申告書の提出者が勤労学生に該当する旨を証明する書類(在学証明書ほか)

源泉徴収において非居住者である親族に係る扶養控除、障害者控除、源泉控除対象配偶者の控除の適用を受ける場合

その親族に係る親族関係書類

所得税法上の非居住者とは、居住者(国内に住所を有する、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人)以外の個人をいいます。

なお「住所」とは、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。「居所」の定義は、「その人の生活の本拠ではないが、その人が現実に居住している場所」です。

参考:No.2875 居住者と非居住者の区分|国税庁

2-2-1. 親族関係書類の種類

親族関係書類とは次の書類のうち、国外に居住している親族が納税義務者の親族であることを証明するものをいいます。

  • 戸籍の附票の写し、国または地方公共団体が発行した書類、パスポートの写し
  • 国または地方公共団体が発行した国外に居住している親族の氏名・生年月日・住所または居所の記載がある書類。具体的には、戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書など

なお、書類を用意する際は次のような点に留意しましょう。

  • 親族関係書類は、パスポートの写しを除き、原本の添付または提示が必要
  • 一つの書類に国外に居住している親族の氏名、生年月日、住所または居所がすべて記載されていない場合は、複数の書類の組み合わせが必要
  • 一つの書類だけでは国外居住者との親族関係を証明できない場合、複数の書類を組み合わせが必要

年末調整で非居住者である親族に係る扶養控除又は障害者控除の適用を受ける場合には、その親族についての送金関係書類が必要です。

2-2-2. 送金関係書類とは

送金関係書類とは、次の書類のうち納税義務者が国外に居住している親族の生活費または教育費に充てるための支払をおこなったことを証明するものをいいます。

  • 金融機関の書類またはその写しで、その金融機関がおこなう為替取引により納税義務者から国外に居住している親族に支払をしたことを明らかにする書類(外国送金依頼書の控えなど)
  • クレジットカード発行会社の書類またはその写しで、かつ、国外に居住している親族による商品等の購入等の代金に相当する額のクレジットカードでの受け取りを証明する書類(クレジットカードの利用明細書)

書類の準備にあたっては次のような点に留意しましょう。

  • 送金関係書類は写しでも可
  • 国外に居住している親族が複数いる場合、送金関係書類は各人ごとに必要
  • 原則として、送金関係書類は扶養控除等を適用する年に送金等をおこなった全ての書類を提出または提示する必要

ただし例外として、同一の国外居住親族への送金が年3回以上となる場合には、明細書の提出とその年の最初と最後の送金関係書類の添付または提示のみで認められます。

なお、扶養控除の対象となる非居住親族が30歳以上70歳未満で、その年中に納税義務者から生活費または教育費として38万円以上の送金を受けている場合、年末調整ではその親族について「38万円送金関係書類」の提出が必要です。

参考:非居住者である親族について扶養控除等の適用を受ける方へ|国税庁

2-3. 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書

「基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書」とは、給与の支払を受ける給与所得者が、その年の年末調整において基礎控除や配偶者(特別)控除、特定親族特別控除、所得金額調整控除を受けるために提出する書類です。特定親族特別控除を適用する場合、「扶養控除等申告書」のみならず、この書類にも情報の記載が必要なので注意しましょう。

基礎控除:
納税者の所得が一定以下であれば、一定の所得控除(控除額:最大95万円)が受けられます。

配偶者控除:
納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の所得控除(控除額:最大48万円)が受けられます

配偶者特別控除:
配偶者に58万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の所得控除(控除額:最大38万円)が受けられる場合があります。

特定親族特別控除:
納税者に特定親族となる人がいる場合、一定の所得控除(控除額:最大63万円)が受けられます。

所得金額調整控除:
一定の給与所得者の総所得金額を計算する場合に、一定の金額を給与所得の金額からなされる控除のこと。

参考:A2-4 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告|国税庁

関連記事:年末調整は結婚したら何が変わる?結婚後の書き方や結婚予定がある場合の対応を解説

2-4. 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書の添付書類

年末調整で、非居住者である親族について配偶者控除・配偶者特別控除・特定親族特別控除を適用する場合は、その親族に関する親族関係書類および送金関係書類の提出が必要です。

ただし、「扶養控除等申告書」の提出時に、すでに親族関係書類を提出または提示している場合、改めて提出または提示する必要はありません。

2-5. 保険料控除申告書

「保険料控除申告書」とは、給与の支払を受ける給与所得者が、その年の年末調整において生命保険料控除や地震保険料控除などの適用を受けるために提出する書類です。提出期限は、その年の最後の給与などの支払を受ける日の前日までです。

参考:A2-3 給与所得者の保険料控除の申告|国税庁

関連記事:保険料控除申告書の書き方は?提出が必要な人や注意点をわかりやすく紹介

2-6. 保険料控除申告書の添付書類

「保険料控除申告書」に添付すべき書類は次のとおりです。

保険の種類

書類

生命保険料、地震保険料、小規模企業共済等掛金

支払金額を証明する書類
※旧生命保険料は支払金額から剰余金や割戻金の額を差し引いた残額が9,000円以下の場合、添付不要

社会保険料

国民年金保険料等は支払金額を証明する書類

国民年金保険料等以外の社会保険料については、添付の必要はありません。国民年金保険料等とは、国民年金法の規定により被保険者として負担する国民年金の保険料と国民年金基金の加入者として負担する掛金をいいます。

関連記事:年末調整の社会保険料控除とは?対象となる保険や計算方法を解説

2-7. 住宅借入金等特別控除申告書

住宅借入金等特別控除申告書は、住宅ローン控除を受ける際に提出が必要な書類です。住宅ローン控除とは、個人が住宅ローンを利用して新築を購入または増改築した際に、所得税から一定額が控除される制度です。

住宅ローンを組んだ初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。

2-8. 住宅借入金等特別控除申告書の添付書類

住宅借入金等特別控除申告書を提出するさいに、金融機関等が発行した「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を合わせて提出しなくてはいけません。

なお、複数の金融機関でローンを組んでいる際は、すべての金融機関の年末残高等証明書が必要です。通常は、11月下旬ごろに金融機関から納税者の元に送られてきます。

関連記事:年末調整に必要な書類は?種類や入手方法を解説

3. 労務担当側で準備・作成する年末調整の必要書類

書類を見ている

年末調整にあたっては労務担当者は次のような書類を用意します。

  • ⽀払調書
  • 源泉徴収票
  • 給与支払報告書
  • 法定調書合計表

3-1. ⽀払調書

企業には源泉徴収の義務があり、一定の条件を満たす場合、誰にどれだけの支払いをおこなったかを証明する支払調書を発行しなければなりません。支払調書は弁護士や税理士といった専門家への報酬や業務を委託したフリーランスへの報酬が発生した際などに発行します。

提出義務のある支払調書は、翌年の1月31日までに管轄する税務署に提出する必要があります。税務署だけでなく、業務を依頼した相手にも交付するのが一般的です。

参考:No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

3-2. 源泉徴収票

業務を委託した相手に支払調書を発行するのに対して、源泉徴収票は雇用契約を結んでいる従業員に発行します。源泉徴収票は年末調整後に発行し、交付期限は翌年1月31日です。年末調整が12月中に完了した場合は、12月分給与支払い時に交付することもあります。

従業員が源泉徴収票を紛失した場合は再発行が必要です。また、年の途中で退職した従業員には、退職日以後1ヵ月以内に交付しなければなりません。一定の条件を満たす源泉徴収票は、税務署への提出(期限は翌年1月31日)も義務付けられているので注意しましょう。

参考:No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等|国税庁

関連記事:源泉徴収票とは?正しい見方やいつどこで発行できるのかわかりやすく解説

3-3. 給与支払報告書

給与支払報告書は、前年1月1日~12月31日の間に従業員へ支払った給与額を市区町村に申告する書類で、住民税を算出するために必要です。翌年1月31日までに、従業員が居住している市区町村ごとに提出します。

構成は「個人別明細書」と「総括表」の2種類で、個人別明細書は従業員ごとに作成し、総括表は市区町村ごとに1枚作成します。提出方法は、紙のほか、eLTAX(エルタックス)による電子提出も利用可能です。

参考:特別徴収にかかる手続きについて|東京都

関連記事:給与支払報告書とは?書き方や提出方法・期限をわかりやすく解説

3-4. 法定調書合計表

法定調書合計表は、提出する源泉徴収票や支払調書などの枚数・金額を集計して記入する書類で、法定調書と一緒に税務署へ提出します(提出期限は翌年1月31日)。

主な記入欄には、給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、報酬・料金・契約金・賞金の支払調書のほか、不動産に関係した支払調書などがあります。提出する法定調書の種類に応じて、正しく記入することが重要です。

参考:F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)|国税庁

関連記事:法定調書合計表とは?書き方や提出方法、注意点を徹底解説

4. 年末調整の必要書類の入手方法

書類

年末調整の各申告書類については、年末調整の時期に合わせて税務署より送られてきますが、国税庁のホームページからもダウンロードすることが可能です。
ダウンロード先は書類の種類によって異なります。以下をご参照ください。

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得者の保険料控除申告書
  • 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼給与所得者の特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書
  • 住宅借入金等特別控除申告書の添付書類

ダウンロード先:各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)|国税庁

  • ⽀払調書
  • 源泉徴収票
  • 法定調書合計表

ダウンロード先:F 法定調書関係|国税庁

このように、年末調整の業務では必要書類を従業員に配布・回収する必要があります。従業員が多い場合は、人数に比例して書類の配布・回収業務が担当者の負担になることもあります。当サイトでは、そのような年末調整の配布・回収・計算業務までをもれなくおこなうための方法を解説した資料を無料で配布しています。年末調整業務を抜け漏れなくおこないたい方は、こちらから「年末調整ガイドブック」をダウンロードしてご活用ください。

5. 年末調整の必要書類に関する注意点

赤い吹き出しとビックリマークで注意を促す

年末調整の必要書類には、従業員に作成してもらわなければならない書類もあるため、場合によっては予定通りに揃わない可能性も想定されます。

ここでは、年末調整の必要書類に関連した注意点やポイントについて詳しく紹介します。

5-1. 年末調整の対象外となる人に気を付ける

年末調整の対象者は、基本的に年末まで在籍しているすべての従業員です。しかし、以下のような人は年末調整の対象外です。

  • 主たる給与の収入金額が2,000万円を超える人
  • 災害減免法に基づきその年分の給与に対する源泉所得税の徴収猶予もしくは還付を受けた人
  • 年の中途で退職した人(著しい障害による退職や死亡退職などの場合は年調対象者に含める)
  • 海外転勤などにより非居住者となった人
  • 継続して雇用されていない人(日額表の丙欄が適用される日雇い労働者など)

また「扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人も、年末調整の対象外となります。そのため、対象となる従業員には「扶養控除等(異動)申告書」を含む必要書類を正しく配布し、社内期限までに提出してもらうよう徹底しましょう。

参考:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁

関連記事:年末調整の対象者とは?必要な書類や確定申告との関係も解説

5-2. 年末調整の対象者が必要書類を提出しない場合は確定申告が必要

年末調整に関する会社から税務署などへの書類の提出期限は、翌年1月31日です。それまでに必要書類を整えて提出しなければなりません。そのため、会社ではこの期限から逆算して、従業員に対して独自の社内提出期限を設定し、早めに書類提出を促すのが一般的です。

ただし、期日までに書類を提出しない従業員がいる場合、会社はその人の年末調整を実施できません。この場合、正しい所得税額を確定させるため、従業員自ら確定申告をおこなわなければなりません。

確定申告の受付期間は原則として翌年2月16日から3月15日まで(期限日が土日・祝日の場合は翌平日)です。年末調整に比べると、確定申告は手間や負担が大きいため、提出が間に合わない場合の対応や確定申告の必要性については、あらかじめ従業員へ周知しておくことが望ましいでしょう。

関連記事:年末調整での還付金(返金)の仕組みやいつもらえるかを解説

5-3. 転職者には前職の源泉徴収票も提出してもらう

転職者の年末調整は、元の会社ではなく転職先で実施することになります。年末調整の対象期間内に前職での収入がある転職者は、前職分の収入を合算したうえで年末調整の計算をしなくてはいけません。そのため、前職分の源泉徴収票も必要です。

万が一、転職者が源泉徴収票を紛失している際は、本人から元の会社へ直接再発行の依頼をするように案内をしましょう。

関連記事:年末調整で前職の源泉徴収票の提出が必要な理由とは?未提出時の対処法も解説

5-4. 年末調整に関連する書類は7年間の保管が必要

従業員から提出された年末調整の書類は、正しい期間会社に保存しなければなりません。例えば、従業員から提出を受けた「扶養控除等(異動)申告書」の保管期間は、その提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間です。

一方、法人が備え付ける帳簿(仕訳帳や総勘定元帳など)やそれに関連する書類(貸借対照表や損益計算書など)の保管期間は、原則として、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。

同じ7年間でも起算日が変わってくるので注意が必要です。また、税務署長から提出を求められた場合には提出する義務もあります。

参考:No.2503 給与所得者の扶養控除等申告書等の保存期間|国税庁

参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁

関連記事:源泉徴収票に保管期間はある?管理方法について詳しく紹介

6. 年末調整の必要書類を適時に集めて、正しい年末調整を

OK

年末調整では、従業員と会社のそれぞれが準備・提出すべき必要書類があります。従業員は主に、「扶養控除等申告書」「保険料控除申告書」「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」「住宅借入金等特別控除申告書(該当者のみ)」を提出し、必要に応じて証明書類を添付します。

一方、会社は「支払調書」「源泉徴収票」「法定調書合計表」を税務署へ、「給与支払報告書」を市区町村へ提出します。また、従業員には源泉徴収票を交付しなければなりません。

もし必要書類に不備や漏れがあると、年末調整が正しくおこなえず、従業員が確定申告をしなければならない場合があります。さらに、提出義務違反や虚偽の記載があった場合には、法令に基づき罰則を受ける可能性もあるので十分に注意が必要です。

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