労働基準法に定められた賃金とは?定義や給与との違い、5原則違反時の罰則を解説
企業は従業員に労働の対価として賃金を支払いますが、支払方法は会社によって異なります。しかし、労働基準法では賃金や支払方法などについての定義やルールを定めています。ルールに違反をすると罰則が課せられる場合もあるので、担当者の方は労働基準法に則った支払方法をおこなわなければなりません。
ここでは、労働基準法に定められている賃金の定義や支払方法、罰則などについて解説します。
▼そもそも労働基準法とは?という方はこちらの記事をまずはご覧ください。
労働基準法とは?雇用者が押さえるべき6つのポイントを解説
目次
労働基準法総まとめBOOK
1. 労働基準法における「賃金」の定義
従業員は、働いたことの対価として雇用主から報酬を受け取ります。それは賃金であったり、給料・手当・賞与などさまざまな呼び方がされています。
労働基準法における賃金をわかりやすくいうと、「労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」という定義になります。つまり、基本給・能力給・資格給など給与明細に「給与」として記載されている金銭全てが賃金であり、月給制や年俸制など支給の方法は問われません。
第十一条 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
引用:e-Gov「労働基準法」
1-1. 所得税法における「賃金の定義」の違い
同じ賃金でも、労働基準法と所得税法では取り扱いに差があります。労働基準法は労働者の保護を主旨とし、賃金が労働対価であることを強調しています。一方で、所得税法は課税目的で定義し、役員報酬や特定手当も含む広範な「給与所得」となります。例えば、所得税法第28条では、役員報酬や特定の手当が給与所得とされますが、労働基準法ではこれらが賃金に該当しない場合があります。この違いを理解することが重要です。
1-2. 企業から支払われる金銭でも賃金に該当しないものもある
労働の対価として雇用主から支払われるものであっても、労働基準法で賃金として認められないものもあります。
労働基準法では労働の対償して使用者が労働者に支払うものを賃金としているので、それ以外のものは賃金に該当しません。具体的には以下のものが挙げられます。
賃金に含まれないもの | 具体例 |
任意的恩恵的給付 | 結婚祝い金 病気見舞金 弔意金 賞与などの一時金 退職金 など |
企業設備・業務費 | 作業服・制服 作業用品代 出張旅費 社用交際費 など |
福利厚生給付 | 資金貸付 金銭給付 住宅貸与 運動施設・レクリエーション施設 など |
退職金は長年の勤務に対する恩恵的なものであり、労働条件として労使間で支給条件がはっきり定められていて、使用者の義務であるとされている場合に限り賃金として認められます。それ以外は賃金には該当しません。
また、従業員が客から直接受け取るチップや、使用者から受け取る慶弔見舞金なども賃金には該当しません。
他にも福利厚生か賃金であるかわかりにくいケースもあります。
例えば、住宅や食事・制服の貸与・供与に対して、そのために賃金の減額が伴われていなかったり、支給が就業規則などに規定されていない場合は賃金ではなく福利厚生とみなされます。
使用者が代わって負担する所得税・社会保険料の本人負担分や住宅貸与を受けない人に対して支払われる定額の手当などは賃金として認められます。
2. 賃金・給料・給与・報酬の違い
賃金と意味を混同しがちな単語として、給料・給与・報酬があります。賃金の意味合いを正しく理解するために、違いを把握しておきましょう。
まずは、理解しやすい給料と給与の違いから説明します。
給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。
引用:e-Gov「所得税法第28条1項」
所得税法第28条1項に記載があるように、給与所得の中に給料が含まれています。給料よりも範囲が広く考えられていることがわかります。
次に賃金と報酬の違いについてです。
賃金と報酬の違いは2つあります。1つ目は、報酬や賃金の支払いが発生する際に、労使関係があるか・ないかということです。賃金は、使用者が労働者に対して、労働の対償として支払うものに限定されています。一方、報酬はアウトソーシングや請負などの労働に対する支払いにも使われる言葉です。つまり、報酬は労働の対償に限定されていないという違いがあるのです。
2つ目の違いは、それぞれの言葉の使用シーンが異なる点です。賃金は基本的には労働法の分野で使われ、報酬は社会保険の分野で使われます。
3. 「賃金額」において会社が守るべき原則
具体的な賃金の定義を説明したところで、続いては具体的な「賃金額」について説明します。
賃金額においては、もちろん企業の一存で自由に決められるわけではありません。原則が定められています。詳しく見ていきましょう。
3-1. 男女同一賃金の原則
労働基準法第4条では、「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」という男女同一賃金の原則が明示されています。この原則に従い、従業員を男女別に採用して異なる賃金体系を適用したり、性別を理由とした賃金格差のある賃金制度を設けることは、労働基準法違反となります。特に、人事担当者や総務部門の担当者は、この原則を遵守することで法的なトラブルを避けるだけでなく、公平な労働環境を促進する重要な役割を果たします。労働基準法に基づく賃金の定義や給与の取り扱いにおいて、この原則を厳守することは、企業の信頼性や従業員のモチベーション向上にも繋がります。
3-2. 同一労働同一賃金
同一労働同一賃金とは、「同一の労働に対しては同一水準の賃金が支払われるべき」という考え方であり、労働基準法に基づく賃金の定義と取り扱いにおいて非常に重要です。企業の人事担当者や総務部門の担当者にとって、この原則を理解し、適切に実行することは、正規雇用者と非正規雇用者との不合理な待遇差を解消するために不可欠です。これはパートタイム・有期雇用労働法によって規定されており、正社員、契約社員、パート、アルバイトなど雇用形態に関係なく、同じ業務を行う従業員には同一の賃金を提供する義務があります。
この考え方のベースとなるのが均等・均衡待遇です。均等待遇は、職務内容が同一であれば同じ賃金を支払うというものです。一方、均衡待遇は、職務内容に合理的な差が存在する場合、その差に応じた賃金を支払うというものです。要するに、雇用形態の違いを理由に待遇差を設けてはならないという原則が根底にあります。このような賃金の取り扱いを理解し、企業内で適切に運用することが、労働環境の公平性を保つために重要です。
3-3. 最低賃金制度
最低賃金とは、最低賃金法にもとづき国が定めた賃金の最低限度額を指します。企業は労働基準法に基づく賃金額を適切に設定し、従業員に対して必ずこの最低限度額以上の賃金を支払う義務があります。この最低賃金制度は、労働者の生活を保障し、適正な労働条件を確保するための重要な規制です。
最低賃金には、都道府県別の「地域別最低賃金」と、特定の産業に対して定められた「特定(産業別)最低賃金」の二つの種類があります。総務部門や人事担当者は、企業がこれらの最低賃金を下回る賃金を支払わないよう注意が必要です。特に高い方の金額が適用されるため、地域別最低賃金と業種別最低賃金の両方を確認し、常に最新の法定賃金を遵守することが求められます。違反した場合には、企業に対して厳しい罰則が科される可能性があるため、適切な管理が不可欠です。
4. 労働基準法に定められている「賃金支払いの5原則」
労働基準法第24条は、使用者が労働者に賃金を支払ううえでのルールとして、「賃金支払いの5原則」を規定しています。
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
② 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。
引用:労働基準法||e-Gov
具体的には以下の5つになります。
4-1. 通貨払いの原則
賃金は通貨で支払わなければならず、実物給与は原則禁止されています。
ただし、預貯金口座へ賃金を振り込むケースは労働者の同意を得た場合に限り可能となります。この「同意」とは、個々の労働者に対して必要なもので、労使協定などで一括して「同意」とすることはできません。
外貨や手形での支払い
外国人労働者に対して支払う賃金であっても、日本国内で働いている以上、日本の労働基準法が適用されるため、日本国内で強制通用力のない外貨での支払いは、認められません。また、小切手による支払いおよび手形支払いも換価が不便であり労働者に危険を与えることから、通貨払いの原則に違反するので許されません。
なお、ビットコイン等、仮想通貨も通貨の定義に当てはまらないため、賃金の支払には使えません。ただし、後述のように労働協約を結び、賃金の支払いに仮想通貨を当てることを可能にするケースも増加傾向にあります。
また、2023年4月からは労働基準法の省令改正により、給与のデジタルマネー払いが可能となっていますが、いずれにしても「労働者の合意」が必要になるので注意しましょう。
通貨以外の賃金「現物支給」が認められるケース
労働基準法第24条1項にて、賃金は通貨で支払われるべきと定められていますが、例外として労使協定がある場合には現物給与が認められます。下記の3つの場合に賃金の代わりとして現物を支給することが認められています。
- 法令で認められているもの
- 労働協約で定めた場合
- 厚生労働省令で定める場合
例えば、会社で提供される食事や住居貸与などがこれに該当します。ただし、現物給与の場合はその価値が明確であり、労働者にとって有益である必要があります。上記以外のものを現物支給して「賃金」とすることは禁止なので注意してください。
4-2. 全額払いの原則
賃金はその全額を支払わなければなりません。
ただし、所得税・社会保険料など他の法令で賃金控除が認められているもの、積立金や社宅料を控除することが労使協定であらかじめ取り決められている場合はその限りではありません。
全額払いの原則に反しない賃金控除は2つあります。
1つ目は「法令に基づく控除」になります。
使用者が、賃金から税金や健康保険料、厚生年金保険料等、社会保険料を計算して、労働者に代わって控除した分を行政官庁等に支払うことは認められています。
2つ目が「労使協定に基づく控除」です。
労働者と使用者間で、一定の項目の価額を賃金から控除することを認める労使協定を締結した場合、賃金から当該項目の価額を控除しても、全額払いの原則に違反しません。なお、社内の物品の購買費用、社宅(寮)やその他福利厚生施設の費用、労働に必要な物資の費用等、事理明白なものについてのみ、労使協定に基づく控除が認められます。
4-3. 直接支払いの原則
賃金は、労働者に直接支払わなければなりません。例え委任状があるとしても、労働者の家族や法定代理人であっても認められません。これは、労働者の賃金が第三者に搾取されることを防ぐためです。
ただし、労働者本人が病気など特別な理由があり受け取れない場合は、代わりの人が使者として受け取ることが例外として認められます。
4-4. 毎月払いの原則
賃金は毎月1回は必ず支払うものとされています。これは、定期的に支払うことで従業員の生活の安定を守る目的があるからです。そのため、2ヵ月に1回など1ヵ月を超える支払い方は禁止です。ただし、毎月支払うのであれば、日払いでも週払いでも問題ありません。
また、賃金締切期間については暦月のしばりはなく、「前月の25日から当月の24日まで」といった1つの期間として支払うこともできます。
4-5. 一定期日払いの原則
賃金は「毎月○日」のように期日を特定して支払わなければなりません。
一定であれば月給で毎月末、週給で土曜日と特定するのは可能ですが、月給制で毎月第3金曜日のように1週間の範囲で変動するようなものは認められていません。ただし、賞与のように臨時に支払われるものは例外として認められています。
関連記事:労働基準法第24条における賃金支払いのルールを詳しく紹介
5. 賃金支払いの5原則に違反した場合の罰則
労働基準法で定められた賃金支払いの5原則に違反した場合、使用者には罰則が適用されます。違反の内容によって罰則は異なりますが、賃金の未払いの場合は30万円以下の罰金刑となるので注意が必要です。さらに、割増賃金の未払いがあると、労働基準法37条違反になるため、6カ月以下の懲役または、30万円以下の罰金が科せられます。
ただし、違反をしたからといってすぐに罰則が適用されるわけではありません。労使間のトラブルで、労働者が労働基準監督署に申告をした場合、まずは申告調査が行われます。この調査により、違反の可能性があると認められた場合は「指導書」が発行されます。
明らかに違反があると認められた場合は「是正勧告書」が発行されるので、対応しなければなりません。
しかし、違法性が認められたり悪質性があると判断されたりすると処罰もしくは送検されることがあるため、5原則に反しないように注意しましょう。
6. 賃金支払い5原則の違反例
賃金支払いの5原則に違反すると罰則が適用されますが、故意ではなく違反してしまうことがあるかもしれません。故意であってもなくても、違反は違反なので注意が必要です。
ここでは、賃金支払いの5原則に沿って違反例を紹介するので、どのような行為が違反になるのかチェックしておきましょう。
6-1. 通貨払いの原則の違反例
商品券、外貨で支払う
「通貨払い」と原則の名にある通り、賃金の支払いは必ず日本円でおこなわなければなりません。そのため、例え基礎通貨であっても外貨で支払うのは違反ですし、金券や商品券で賃金を支払うのは違反に該当してしまいます。
6-2. 全額払いの原則の違反例
天引き
控除が認められている名目以外は、天引きは認められていません。例えば、社内預金や親睦会費、社内旅行積立金、罰金などは労使間で発生する名目であっても、給与からの天引きは「全額払いの原則」に違反します。
ただし例外として、法令の定めや労使協定がある場合はその限りではありません。
6-3. 直接払いの原則の違反例
代理人に支払う
未成年者がアルバイトをおこなうときなどに、銀行口座を持っていない関係で親の口座を給与の振込先にしているケースがあります。未成年者への支払いであれば保護者にしてもよい、と思うかもしれませんが、このような支払方法は「直接払いの原則」の違反となるので注意しましょう。
6-4. 毎月払いの原則の違反例
一括払いの年俸制
年俸制で賃金を決めること自体は、プロのスポーツ選手などもおこなっている通り可能です。ただし、その金額を12回以上に分割をして、毎月1回は支払いをおこなえるようにしなければなりません。
年俸というと一括払いのイメージがあるかもしれませんが、一括払いでは「毎月払い」にはならないので違反となります。
6-5.一定期日払いの原則の違反例
曜日で支払日を決める
「毎月第4木曜日支払い」のように、月ごとに支払日がぶれるような支払日の設定は違法です。「毎月第4木曜日」と決めていても、ある月は23日、ある月は28日というようにズレてしまい、「一定期日払い」ができません。
ただし、月末払いでの場合のみ、各月によって末日の日数が異なるため、合法的に一定期日ではない支払日として認められています。
7. 賃金計算で端数が出たときの処理について
労働基準法では、賃金計算の際にでた端数の処理についても細かく定められています。担当者の勝手な判断で端数処理をしてしまうと違反になることもあるので、正しい処理方法がわからない場合は必ず労働基準法を確認しましょう。
ここでは、労働基準法に則った端数処理のやり方について解説します。
7-1. 時間外労働・休日労働・深夜労働の割増賃金総額の端数処理
時間外労働・休日労働・深夜労働など割増賃金を支払う必要があるケースでは、1カ月ごとの賃金支払額を計算する際に端数が出てしまうこともあるでしょう。
1ヵ月における賃金計算で100円未満の端数があった場合は、50円未満の端数を切り捨て、それ以上は100円に切り上げても構いません。1円未満の端数は50銭以上あれば1円に切り上げ・50銭未満なら端数切り捨てが可能です。
また、1,000円未満の端数を翌月に繰り越しても問題ありません。
時間数の合計でも、1ヵ月で1時間未満の端数が出た場合は、30分以上であれば1時間に切り上げても構いませんし、30分未満であれば端数の切り捨てが認められています。
1時間あたりの賃金額や割増賃金額に1円未満の端数があった場合は、50銭以上は1円に、50銭未満は端数切り捨てが可能です。
参考:賃金の計算関係 3.残業手当等の端数処理はどうしたらよいか|厚生労働省 東京労働局
7-2. 遅刻・早退・欠勤などで発生した時間の端数処理
遅刻・早退・欠勤などで勤務時間の端数が発生した場合には、注意が必要です。
例えば、7分遅刻した場合に30分の遅刻として賃金をカットすると、切り上げた23分は実際に勤務をしているのに賃金を支払っていない、つまり無給で働かせていることになります。これは、「賃金の全額支払いの原則」に反するため違法になります。
このような場合、23分を切り上げるのではなく、遅刻した分数を1分単位で処理するのが正解です。
8. 労働基準法における「賃金」を正しく取り扱う上での注意点
ここでは賃金について労働基準法を遵守した管理をするために注意すべきポイントをまとめます。
8-1. 非常時には支払い期日前でも企業に支払い義務が発生する
労働基準法第25条により、企業には非常時における賃金の早期支払い義務があります。具体的には、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常時に関連する費用を必要とする場合、労働者は支払い期日前であっても、既往の労働に対する賃金を請求できます。この「非常の場合」には、労働者本人の出産や疾病、自然災害、結婚、死亡、および1週間以上のやむを得ない帰郷などが含まれます。企業の人事担当者や総務部門の担当者は、この法的要件を理解し、適切に対応することで、労働者の生活安定を支援し、法令違反を防ぐことが重要です。労働者からの早期支払い請求があった場合、遅滞なく対応することで組織への信頼を維持し、法的リスクを回避できます。
8-2. 賃金請求権の時効が5年に延長されている
2020年4月1日施行の改正労働基準法により、賃金請求権の消滅時効期間が従来の2年から5年に延長されました。この変更は、例えば「給与計算にミスがあった」や「割増賃金が適切に支払われていない」といった未払い賃金に対する請求に関して、より長い期間にわたって労働者が賃金を請求できることを意味します。ただし、経過措置として2023年9月現在は消滅時効期間が3年となっています。企業の人事担当者や総務部門の担当者は、労働基準法のこの改正に基づく賃金の定義や給与の取り扱いについて十分に理解し、適切に対応する必要があります。未払い賃金による請求リスクを回避するためにも、給与の計算や支払い方法を再確認し、正確に処理することが求められます。
9. 労働基準法に則った賃金額の決定・支払いを!
労働基準法では、給与や賞与・手当など従業員の労働の対償として使用者(企業など)が支払う金銭は、一部例外を除き全てが賃金とみなされます。
労働基準法では賃金の支払いについて、「賃金は通貨で労働者本人に全額・あらかじめ決められた日に支払う」という賃金支払い5原則を定めています。実物支給や労働者本人以外に支払ったり、支払日が定まっていなかったりすると違法となり、罰金刑や刑事裁判を経て処罰の対象となる可能性もあるため注意が必要です。
担当者の方は、違反しないように賃金支払いの5原則の内容を把握して、しっかりと遵守しましょう。
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