堀内様:弊社は「日本のグローバル化に貢献する」というミッションを掲げて、現在は海外から日本に働きに来たインバウンド人材を支援することを主力に「グローバルリロケーション事業」を展開しております。
2004年の創業時から海外人材の受け入れを展開しており、日本法人様が海外の方を日本で雇用したいと思った際に、相談先になれるよう顧客基盤を築いてきているところが弊社の強みです。
その一方で、まだ私たちのビジネス自体が社会に認知されていないのが課題だと思っております。企業の人事担当者が海外のグローバル人材を雇用したいとなったときに、法律やルール、手続きなどを詳細に把握しておらず、スムーズに雇用できないという点でお悩みになっているというお声をよくいただきます。
今後はより認知度を上げて、より多くの企業様のご支援をしたいと思っております。
jinjer取材担当:私も今回初めてこのような事業があることを知って、勉強になりました。
北井様は実務担当とのことですが、ご入社の背景や普段の業務内容をお伺いできますでしょうか。
北井様:入社理由ですが、私は「目の前にいる人に、ホスピタリティを提供すること」に対してやりがいや喜びを感じていたため、弊社の不動産事業の中のアパートメントフロントスタッフとして入社しました。そして2009年に、コーポレート本部に異動し、現在は、採用以外の人事労務関連の業務はすべて担当しております。
多様なクラウドシステムを段階的に導入したことにより、従業員情報が点在してしまった
jinjer取材担当:ありがとうございます。フロントスタッフから人事労務担当への異動は、職種が違うので意外でした!
ジンジャーをご導入いただく前は、バックオフィスに関してどのようなお悩みがございましたか?
堀内様:ジンジャーを導入する前は、「人事管理」「給与計算」「勤怠管理」「年末調整の書類収集」の役割に対して、それぞれ別会社から提供されているクラウドシステムを導入しておりました。
弊社と同規模の企業だとよくあるケースだと思うのですが、各バックオフィス業務に対して導入しているシステムが部分最適になっていたことにより、人事情報の連動ができないということが最大の課題点でした。
最初は給与単体でのシステム導入を進めて、その半年後に勤怠管理システムを導入するなど、都度出てきた課題に対して、目先で一番費用対効果が高いと思ったシステムを導入していました。
ただ、システムが増えるたびに、人事情報を連携するのに手間と時間が取られてしまいました。連携する際に、誤って登録漏れが発生する可能性もあったので、ダブルチェックをおこなわなければならず、実務担当者には想定以上に負担がかかっていたのです。
また、「北井さんがいないと何もわからない」「業務が進まない」という属人的な業務になってしまっていることも課題でした。万が一、北井さんが休んでしまった時は、業務が停滞するリスクが発生したり、客観的な業務プロセスも見えないため改善ができないなど、会社としてのリスクも大きい状態でした。
jinjer取材担当:課題が出てくるたびにシステムを導入してしまうと、いつの間にか多様なシステムが存在してしまっていて、結果的にそれらのシステムを管理するのに工数がかかっているというお悩みは確かに多いですね。実務目線として北井さんはほかにお悩みはありましたか?
北井様:従業員の履歴書や雇用通知書、健康診断などの記録に関して紙媒体で管理をしており、手間になる部分があったのが悩みでしたね。紙の書類は個人ごとにファイリングをしており、管理コストもかかっていました。
たとえば、経営陣が誰かの経歴書を確認したいとなった場合も、都度その方のファイルを探してから、書類を1枚1枚めくって探してPDF化して共有していました。このような作業にも時間がかかってしまっており、もう少し効率よくできないかなと思っていました。
堀内様:コロナ拡大前は毎日出社していたので、紙を探すこと自体への問題意識はあまりなかったのですが、感染拡大に伴い全社員がリモートワークになったことがシステムの変更を本格的に進めようとしたきっかけでした。
コーポレート本部に関しては、突発的に紙に記録された情報を参照する業務が発生するため、完全なリモートワークに切り替えるのが難しい状況で、従業員に負担をかけてしまっていることも悩みのタネでした。
ジンジャーは、我々が一番問題視している「従業員情報を連携する手間」を解決してくれるのと、今後のサービスの拡張性に期待を持つことができたので導入を決めました。
jinjer取材担当:紙管理が残っているからリモートワークできないというのは、働き方改革もあるなかでお辛いですね…
ジンジャーを導入いただいた際ですが、苦労されたポイントなどはございましたか?
北井様:最初にジンジャー勤怠から運用を開始したかったので、人事情報の整備からおこなっていましたが、その作業が大変でしたね。
先ほど説明した通り、元々弊社では、バックオフィスの部門ごとにシステムを導入しており、従業員情報が点在している状態でした。そのため、ジンジャーの設定をする際はバラバラの従業員情報を集約してシステム内に取り込む必要があったのですが、その作業に最も時間がかかりました。
堀内様:正直、設定が大変なのはどのサービスでも一緒であるのと、一度設定すれば後は必要に応じたメンテナンスに対応するだけなので大きな問題ではないと思っています。
そのなかでも、新しく導入したツールをどのように社内浸透させていくかが大変だと考えています。以前利用していたシステムを長く利用していたので、その時の感覚が残ってしまっている背景もあり、今でもたまにジンジャーに関する質問を従業員からもらうことがあります。そのため、できる限り早く、システムに慣れてもらうことが大事だと思っています。
ただ、最近はクラウドシステムを導入している会社がかなり増えてきているので、中途入社の社員もシステムに慣れるスピードは早いなと感じています。
業務の削減だけではなく、クラウド上での人事情報活用に成功
jinjer取材担当:慣れればラクですが、そこまでパワーをもって利用を推進したり、従業員の問い合わせ対応をするのは確かに大変ですね。ジンジャーを使ってみた感想はいかがですか?
北井様:ジンジャーで運用を始めて、従業員情報のシステム連携に対する課題も解消されました。当初は、勤怠管理システムから給与計算システムへの勤怠情報の流し込みに関して最も課題に感じていました。
しかし、ジンジャーでは勤怠で自動集計された労働時間等が給与計算システムに自動で連携されるので、管理者がデータの出入力をする必要がなく、締め作業でかかっていた時間が体感で6割ほど削減されたと思います。
jinjer取材担当:6割も減ったのはうれしいですね!勤怠の業務のみならず、ペーパーレス化も進みましたか?
北井様:そうですね!紙の管理はかなり減ってきていると思います。
元々は紙で管理していた雇用通知書や履歴書も、現在ではすべてジンジャー上に電子データで管理しています。
ジンジャー人事労務に搭載されている『入社処理機能』については、現在、新入社員と既存の在籍社員の両方に使っています。新入社員に関しては、資格情報や緊急連絡先など、一般的な入社手続きにおいて必要になる情報をオンライン上で収集しています。また、既存社員についても、毎年1回資格取得情報の更新のために、入社処理で回答依頼を送っています。
弊社事業の特性上、従業員には外国語のスキルや、不動産に関する資格などが求められます。そのような資格も年々情報に変動があるものなので、入社処理機能を利用して定期的に情報を収集し、常にアップデートされた人事情報がジンジャーに登録されているような状態を作っています。
人事目線で改善されてきた点も多くありますが、従業員からも自分の勤怠から給与明細までジンジャー上で確認できるようになったので、毎回システムごとにパスワードを設定してログインする必要がなくなった点に関して好評を得ています。
jinjer取材担当:バラバラだったシステムが一つにまとまったことに対してメリットをたくさん感じていただけているようで、私もとてもうれしいです!
北井様:ほかのプロダクトだと、今年からジンジャー人事労務の年調収集オプションを利用して年末調整の書類回収を始めます。
年末調整の書類収集も、元々はクラウドシステムを2年間使用しておりました。システムを利用することによって、紙の書類収集に伴う管理・時間コストがなくなったのは良かったのですが、書類情報を給与計算システムに転記しなければならなかったのと、年末調整業務のためだけに導入したシステムに従業員の人事情報が蓄積される状態が生まれてしまいました。
ジンジャーを通して人事情報が各所に点在したり、データの連携作業がなくなることを期待しています。
また、年末調整は書類の内容が難しいので、毎年従業員からの問い合わせがあります。社内向けマニュアルも作成しますが、ジンジャーは回答画面上に回答の補助になるテキストを入れ込むことができるので、年末調整を収集する人事側、回答する従業員側ともにストレスなく年末調整を完了させたいと思っています!
jinjer取材担当:1年ご利用いただいている間に、多くのサービスを運用に乗せていただいていて素晴らしいなと思いました!
ジンジャーをご利用いただくなかで、気に入っている機能やサービスはありますか?
北井様:勤怠管理から給与計算まで一気通貫でできる連携部分に関しては、私の業務負担が削減され本当に助かっています。また、システムの操作に慣れるまでには大変でしたが、ヘルプページが充実しているので知りたい情報を細かく知ることができます。操作や設定で困ったことがあってもすぐに解決できるので、安心して利用できています。
堀内様:私はレポート機能が気に入っています。さまざまなバックオフィスに関する情報がジンジャーに溜まっているので、出力する情報の組み合わせ次第では、今まで把握できなかった経営課題を見つけ出すことができそうだと考えています。
経営視点で見た場合、ただ従業員の異動履歴やスキルを確認するのではなく、それらのさまざまな情報を掛け合わせて、活躍している従業員の特徴を洗い出していきたいと考えています。しかし、従業員情報が点在している場合、情報をまとめる作業に時間がかかり非効率になってしまいます。
ジンジャーのレポート機能であれば、自身で出力したい項目をカスタマイズして従業員情報を出力することができるので、データを加工して作成する必要がなくなり、必要な情報にすぐアクセスすることができます。この機能は利便性も高く、非常にいい機能だと思っています。
人事情報の一元管理に成功し、経営につなげる次のステップへ
jinjer取材担当:従業員というヒトを通して会社を強くしていきたい想いが伝わってきました。
今後、ジンジャーをどう活用していきたいなどの構想はございますか?
堀内様:
ジンジャーを利用することで、今まで工数がかかっていたルーティン作業を効率化できるので、人事チームには削減できた時間を使って会社がより強くなれるような別のミッションを持ってほしいと思っています。
たとえば、先ほどのレポート機能の話に付随しますが、ジンジャーは従業員の勤怠やスキルなどの情報が確認しやすいので、複合的な要素を基に異動等の人材配置の検討、また今後の人材育成を強化していきたいです。
各従業員に対して、なぜ入社してきたのか、どのような仕事をしているのか、どんなスキルや能力があるのか、会社の中でどのような評価がされているのかなど、ヒトの情報を蓄積・活用することで事業を成長させるためのタレントマネジメントの活用強化はもちろん、従業員が会社の中でよりステップアップできるような仕組みを検討していきたいと思っております。
また、弊社では各業務フローの可視化を進めております。誰がどのような作業をしているかを可視化することで、「リスクマネジメントの観点で問題がないか」「無駄な作業をしていないか」「もっと効率化できるところがないか」を洗い出しています。
課題が見つかった場合の解決手段はさまざま考えられますが、ジンジャーのようなクラウドシステムを導入することは単純な業務効率化だけではなく、クラウドにあるデータを利活用するというメリットもあるため、今後も継続的にクラウドシステムの導入範囲は広げていきたいと思っています。
jinjer取材担当:入退社が多かったり、複数の企業様とのお取引があったりするかと思いますので、ジンジャー人事労務の雇用契約オプションやジンジャーサインなどでも、ぜひサポートできれば幸いです!お話しいただきありがとうございました。
会社の成長期においてよくある課題をどのように解決されたのか、非常に為になる貴重なお話でした。
- 編集後記
- 今回は、リロケーション事業というビジネスで来日する外国人人材の「住まう」「暮らす」をサポートされているエンプラス株式会社様にお話を伺いました。情報の一元管理をすることで業務効率化ができることはもちろんですが、今後ジンジャーにある人事情報を活用して、人材開発をより強化していきたいというビジョンのお話がとても印象的でした。
- 今後もジンジャーをどのように活用されたのか、具体的なお話を伺えますと幸いです!改めて、取材へのご協力に感謝申し上げます。最後までご覧いただきありがとうございました。